透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

香山壽夫氏の建築

2007-11-27 | B 繰り返しの美学










 石川県野々市町役場庁舎/設計 香山壽夫 2004年竣工

知的でハイセンスな建築を設計する建築家といえば槇文彦氏(幕張メッセや東京体育館などの設計者)と谷口吉生氏(MoMAの増改築設計、豊田市美術館などの設計者)、ふたりのモダニストを私はまず挙げる。

香山壽夫氏も同様な建築の設計者だと思う。ただしこのふたりとはどこか建築の雰囲気が違う。違いを言葉で表現するのは難しいが、香山氏の建築には「色気」があると言ったらいいだろうか。

野々市町役場庁舎には外壁に赤く染めた地元産の板が使われている。独特の赤だ。庁舎のシンボルともなっている塔、具体的な用途があるのかどうか分からないが、実に魅力的だ。

よく観察するとこの建築には「繰り返しの美学」があちこちにある。ルイス・カーンの建築同様にシャープなディテールも見られる。

この建築は確か一昨年、金沢21世紀美術館と併せて見学した。これだけ美しい庁舎を私は他に知らない・・・。