広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

今日のセミナー

2007-06-16 12:34:52 | セミナー

Fischer, A., Sananbenesi, F., Wang, X., Dobbin, M. and Tsai, L. H. : Recovery of learning and memory is associated with chromatin remodelling. Nature, Vol.447, 178-182, 2007
Abstract(日本語要約)

今回紹介した論文では、CK-p25 Tgマウスなる重度神経変性動物モデルを用いた実験で、環境エンリッチメントあるいはヒストン・デアセチラーゼ(HDAC)阻害剤の投与という2通りの方法でマウスの学習能力や長期記憶が回復したことを報告するものでした。

HDAC阻害剤は、ヒストンのアセチル化を促進し、それによって細胞核内での転写を活性化させることで記憶形成を増進していると考えられているようです。
特に注目に値するのは、p25マウスには重度の脳萎縮があるにもかかわらず、記憶増進が起こったことです。

記憶回復には既存のニューロンネットワークの再構築が伴っていたことから、こうした再構成によって長期記憶を再び呼び出せるようになった可能性が考えられています。

ところで、「環境エンリッチメント」=「生活環境をもっと興味のもてるものにすること」とのことでしたが、ヒトの場合はいったいどうすれば良いのでしょうか? 
それが問題です。と、その時、脳裏に浮かんだ光景は・・・


 
(2006-07-01 プレスリー邸ではしゃぐ小泉首相 EPA=時事)

こういう大人になれば、いつまでも冴えた頭脳でいられるのではないでしょうか(?)


この記事をはてなブックマークに追加

ものすごく今更ですが

2007-06-04 15:09:43 | 徒然
今年度新しく研究室に来た人を紹介します(2ヶ月遅い)。

針原 貴子さん。
新しい秘書さんです。

小座野 紘子さん。
修士学生です。学生が当研究室に所属するのも久しぶりです。

大門 良男さん。
主に准教授の実験補佐をしています。自分はもはや要らない子です。
もとは当大学病院の臨床検査室にいたそうです。


また,現在医学部6年生が5人ほど研究室で実験(国試勉強?)しています。
「早期臨床実習なんだから臨床いけや。」という愚痴は,思いっきり言っているので心の中で思う必要もないです。
意外と無茶な実験をしているので,予想に反して大変っぽいです。

こんなことを書いたということは,次の徒然で書かれる内容はすでに予想がついていると思われます。

(北村)

この記事をはてなブックマークに追加

今日のセミナー

2007-06-02 14:52:01 | セミナー

Hung, C. P., Kreiman, G., Poggio, T. and DiCarlo, J. J. : Fast readout of object identity from macaque inferior temporal cortex. Science, Vol.310, No.5749, 863-866, 2005
Abstract

マカクザル下側頭皮質からの物体アイデンティティの迅速な読み出し
(要約)
物体認知を導く脳内の計算を理解するためには,下側頭皮質(IT)で表現される情報の定量的記述が必要になる.
われわれは,生物学的妥当性を有する分離アルゴリズムに基づく読み出し法(biologically plausible, classifier-based readout technique)を使用して,ITニューロン集団による刺激選択性と不変性の神経コードの解析を行った.
ニューロンの小集団(最大100個までの任意抽出された細胞からなる)の非常に短期間(わずか12.5ミリ秒程度)の活動にさえ,物体のアイデンティティやカテゴリーに関する,驚くほど正確かつ強固な情報が含まれていた.
この情報は物体の位置や大きさを超えて般化し,それは新奇な物体に対しても同様に起こった.
また,物体の位置や大きさに関する粗大な情報も,同様のニューロン集団から読み出し可能であった.

(感想)
この論文で,私がよくわからなかったこと.
① 学習のためのiteration=10の根拠は何か?
② 学習終了時,original setに対するperformanceは如何ほどであったのか?(これは容易に計算できるはず.)
③ Classifierの生物学的妥当性が分らない.たとえば,初期状態はどのようなものだったのか?
④ Object Identityの定義,既知・新奇の定義がいまひとつよくわからない点がある.
⑤ 一つの脳領域だけでこのような定量化を行うより,情報処理の複数のステージで同じ解析をやり比較すべきではないか?


この記事をはてなブックマークに追加