まちづくりぷらす

ブログをお引っ越ししました。
すでに更新は停止しています。

経済産業行政論ゼミ最終発表会

2008年01月22日 | 日記
きのうは、経済産業行政論ゼミの最終報告会にお邪魔してきました。
東北大学法学部のゼミとしては珍しく(いらしく)、
現実の社会問題を解決することを目的にしています。

発表は以下の6つのグループが行いました。
・「地域活性化」
・「安全・安心・まちづくり」
・「自殺者対策」
・「うつと貧困」
・「食糧安保」
・「ワーク・ライフ・バランス」
(各グループがそれぞれどのようなことを行っているかについては、
ゼミ担当教員の佐分利先生のブログ「きらせん」に載っています)
また各発表の講評については、公共政策大学院の同志である
P@ShiMoさんの「おおやけこやけ」に記事がアップされています。

全体的に聞いていて思ったことは、以下の3点です。
1.すばらしい行動力と実績
基本的にはゼミ活動で求められる行動力以上のものを発揮していて、
東北大学法学部ゼミの新しい姿を提示しているように感じました。
その意味で、彼らには非常に当事者意識があって、
単位以上の何かを追い求めて頑張っている姿は称賛されるべきです。
東北大学公共政策大学院でももう少しこのエッセンスが必要かと思います
(ただ、求められるものが若干違うこともまた確かですが…(後述))。

こういった活動について、学部3年のときに調査したことがあるので、
いろいろ事例は知っています(たぶんかなり詳しいほうです)。
学生と地域とのかかわりという点ではコレがオススメです↓。



友成 真一 / 東洋経済新報社(2004/01/17)
Amazonランキング:308496位
Amazonおすすめ度:
役人こそ一読せよ!
現状の行政にメスを入れる本
生き方が変わりました



2.問題意識から活動までの論理が弱い
すばらしい行動力と実績の反面、活動重視がある意味では裏目に出て、
グループの問題意識と活動のつながりが突飛なグループが多かった気がします。
この活動がどのように問題意識に生きていくのかは見えなかったと思います
(若干「活動している自分たち」に酔っている感じがするグループも…)。

これは、東北大学法学部のゼミが半期で週2コマという組み方であることと、
このゼミが30名を超える大所帯だったことと関係している気がします。
通年週1コマのゼミだと普通はガンガン延長されるので、議論は深まります。
半期だと余裕時間も半分なので、論理を考える時間は必然的に少なくなります。
ただ、東北大学法学部のように半期ごとに変わるゼミであれば、
こういうゼミのあり方も学生の重い腰を上げるにはいいのかなと思いました。

逆に、東北大学公共政策大学院のワークショップでは、
問題意識からの論理と政策提言との連続性を中心に
問われているような気がしています。
だから、論理を組んでからしか活動はできないことが多いと思います。
その意味で「活動しないからダメ」とは言い切れない難しさがあります。

3.プレゼンテーションの作法がまだまだ
わかおは学部時代にそれなりの数のパワポでのプレゼンをこなしていたので、
このあたりのテクニックというのは学部時代から学んでいましたが、
その点はやはりまだまだと言わざるを得ないなと思いました。

少なくとも決められた時間をオーバーするのはもってのほかです。
30枚以上スライドを作っていたグループがありましたが、
「これでは10分で話せるわけがないだろう」と思いました。
報告書では全部書いてもいいですが、プレゼンは取捨選択が重要です。
この点が余計に「論理の脆弱さ」を目立たせる結果になっていたのは残念です。
経産ゼミの誰かから要請があれば、パワポ講座開いてもいいですよ(笑)

ここまで、自分のリサーチペーパーを棚に上げてつらつら書いてきましたが、
それぞれの活動は非常に興味深かったですし、すばらしいと思います。
また、このゼミのエッセンスを抜き出して提供すれば
「社会起業家育成講座by東北大学法学部and公共政策大学院」として、
地域への社会貢献のオープン講座にできるかもしれないと思いました。
その意味で、非常に有意義な取組であったと総括できます。

各グループについてもコメントしたかったのですが、
すべてのグループの内容をしっかり理解できたわけではないので、
申し訳ありませんが割愛させていただきます…。
まだプロジェクトは途上のようですが、学生のみなさん頑張ってください。
わかおに何か協力できることがあればいつでも言ってください!


P.S.エントリーシートの添削
後輩から頼まれてエントリーシートを添削しました。
もうこの時期に、わたしも一番早いエントリーシートを出してました。
…って見てみると「俺のエントリーした会社と同じやん!」と。
ということで、バシバシ添削して先輩らしいことしました
(珍しく先輩らしいことしてるじゃんって言われた…いつもだよ(笑))。
シンクタンク・コンサルの道は院生といえども険しいですが、
最後には神様がほほ笑んでくれるようにお祈りしています。

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
経済産業論ゼミ、パワポ講座 (mk)
2008-01-23 22:17:14
Ⅰゼミ発表会の報告記事拝読しました。
当日のコメントといいすばらしいと思いました。
大きな2項目について私もまったく同感でした。
このゼミの活動の特徴は指導教員のきらせん先生の方針ないし指導力の反映だと思いますが、「1」に書かれたような点ですばらしいと思います。
 ただ、おっしゃるように自分に酔ってしまわずに、何のために何をやるのか、そしてそのやることを本当に目的に沿って有益なものとして実現するためにどうしたらよいのかということを落ち着いて分析しつつ進めることが重要であろうとも思いました。

 事実認識をしっかりした上で、それの科学的論理的な分析を行って行うべき行動を特定し、それを実現していく、というすべての過程が重要なのですが、それがうまくいっていないところもあったようにも思います。
 とはいえ、半年の限られた期間でよくあれだけやったと、実際の行動に結びつけて大きな前進をされていることには敬意を表すべきものと思います。

Ⅱパワポ講座
 もし開かれることがあればぜひ傍聴させてください。
返信する
コメントありがとうございます (わかお)
2008-01-24 21:13:35
いえいえ、とんでもないです。
mk先生の質問に対する指摘はとてもかっこよかったです(笑)
そうですね。確かに科学的論理的な分析を行ってこそゼミだというのはもっともだと思います。学問の軸を身につけずに行動力だけを身につけることは問題だと思いますし。
「学部の専攻はなんですか?」って問われたときに答えられないのはもったいないなぁと思います。
先ほどはメールをいただきましてありがとうございました。また、メールを送らせていただきます。
返信する

コメントを投稿