THE PARIS CONCERT EDITION ONE/TWO: Bill Evans
没後発売されたアルバムである。小説家の場合、没後に未発表の作品が発表される事がよくある。何ゆえに未発表だったか、作者の意向に関係なく公けとなってしまう。このアルバムもスタジオでの録音なら、小説の没後発表と同様に、演奏家の意思が問われることになるのだが、ジャズのライブ演奏の場合は、演奏の時点で成立しているから、没後であろうが何であろうが、いいものはいい、悪いものは悪いと率直に評価できる。エディ・ゴメスを含むトリオを、マーク・ジョンソン、ジョー・ラバーバラとメンバーを一新して活動を開始した頃のライブ演奏である。
伝説のスコット・ラファーロ、ポール・モチアンでのトリオを聴きなれている人には、テンポが速くなっているので初めは戸惑いを感じるだろう。圧巻は最後に収録されている Nardis である。マイルス・ディビスの曲であるが、本家でもこれだけ長く迫力をもって演奏したことはないのではなかろうか、エバンスのお気に入りらしく過去のアルバムでも演奏されているが、これほどのパワーはなかった。何かがエバンスに起こりつつあると、期待を持たせられたのだが、惜しむらくは、この演奏の翌年、没してしまった。
"The Paris Concert, Edition One" Musician(JPN) P-11251 I Do It For Your Love / Quiet Now / Noelle's Theme / My Romance I Love You Porgy / Up With The Lark / All Mine (Minha) / Beautiful Love
"The Paris Concert, Edition Two" Musician(JPN) P-11460 Re:Person I Knew / Gary's Theme / Letter To Evan / 34 Skidoo Laurie / Nardis Bill Evans (p) Marc Johnson (b) Joe LaBarbera (ds) 1979/11/26
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2005/04/13 ものずき烏 記
(参考)
2005-03-14 ビル・エバンス(+モニカ・セッテルンド)
2005-05-16 トニー・スコット&ビル・エバンス
2005-06-29 ビル・エバンス:コンセクレイション