伝えるネットねこレポート

「水俣」を子どもたちに伝えるネットワークのブログ。
首都圏窓口の田嶋いづみ(相模原市在住)が担当してます。

水俣の漁師の爺さまを、われわれが殺したとき・・・

2015-06-02 22:17:16 | 会員レポート
『アメリカ・インディアン悲史』ただいま読了




え~っと、こちらの記事にするかどうか、ちょっと迷いました。

たった今、藤永茂さんの『アメリカ・インディアン悲史』を読み終えました。
アメリカという国を理解しようとするとき、これを読まなきゃダメだ、と教えられたからです。

どうして沖縄のひとたちを踏みにじって辺野古に基地をつくんなきゃならないのか・・・
TPPって、いったい何なのか・・・
「積極的平和」という名の戦争を始めなくてはならないのは、何故か・・・

高校生に「水俣」を伝えに行くのを前に、胸にこみ上げる疑問と向き合おうと思い、そのためには、アメリカを知ろうと思い立って、たまたま聞いた西谷修さんの話のなかで教えられて、この本に出会いました。

布団にまみれ、あっちこっちに出歩くのに付き合わされ、帯もはげ、ボロボロになって読み終えました。
(インターネットまみれだからね、老眼もきつくなってきて、読了もたいへんなの。)


この本、冒頭はベトナム戦争のソンミ村の虐殺の話から始まります。
読んでるあいだ――。
ずっと、これは、日本のことだ、わたしのことだ、TPPのことだ、と実感していました。


そして、ラスト――

かかよい、飯(まま)炊け、おるが刺身とる。ちゅうわけで、かかは米とぐ海の水で 


と、引用が始まったとき、すぐにわかりました。
ページをめくって、『苦海浄土』と見つける前に。

その途端、ゾクゾクっと鳥肌が立って、、、
大粒の涙がこぼれました。


この本の最後の文章は、これです。


こう、石牟礼道子さんに語った水俣の漁師の爺さまを、われわれが殺したとき、われわれはまぎれもなく「インディアン」を殺したのである。

インディアン問題はインディアンをどう救うかという問題ではない。インディアン問題はわれわれの問題である。われわれをどう救うかという問題である。




ひとつのことを考えていくという営みは、自分を思いもかけないところにたどり着かせるものだなぁ、と思います。
いま、「水俣」の意味が、さらに拡がっていくのを感じています。


6月8日、小田原・旭丘高校の200人余の生徒さんに、わたしは「水俣」を伝えに行きます。

(い)


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