労働時間の規制をなくして、「残業代ゼロ」にする制度を検討している安倍政権-----。 「時間ではなく成果で評価される働き方にふさわしい新たな仕組みを検討してほしい----」などと述べた安倍首相。 働く人が労働時間を自分で決める代わりに、残業代などを無くすことを検討せよということである。 労働基準法では、「一日8時間、週40時間」と定め、それを超える場合は残業代を支払う義務があるのだが、その規制を外してしまうというものである。安倍首相はみずからが政権を担っていた2007年にも「ホワイトカラー・エグゼンプション」という労働時間規制をなくす制度を打ち出したのだが、「残業代ゼロ」「過労死促進」と批判されて断念したけど、今度は対象者を一般社員にまで拡大する方向である。 成果さえ出せば短時間で切り上げられるし、育児や介護に合わせて働けるようになると豪語するのだが-----。 人出がたりないのに仕事量は増える一方で、成果を求められるから、猛烈に働くしかないというのが現実である。 成果や賃金は企業の判断で決まる。 結局、労働者は成果が出るまで際限なく働かされることになるし、企業は残業代を払う必要もなく、成果が出ない社員はいとも簡単に解雇もできることになるのだ。 これ程企業にとって都合のよい制度はなく、「ブラック企業」そのものを増やすことになるのである。 長時間労働による過労死や過労自殺、うつ病などが社会問題になっているのに、まさに逆行しているのである。 安倍首相は、労働規制が人間らしく働くことができる制度であるにもかかわらず、これを大本から壊そうとしているのである。 「生涯ハケン」「正社員ゼロ」をつくる労働者派遣法の改悪、解雇しやすい「名ばかり正社員」をつくる「限定正社員」など企業の儲け最優先の暴走は目に余るものがある。 日本社会を「総ブラック化」する安倍政権の狙いを断固として阻止しなければならない。
現在の安倍政権は、集団的自衛権を憲法解釈上、正面から認めようとしている-----。 その最大の理由が滑稽極まる二つのことである。 一つ目は、公海上で自衛隊の艦船が米軍艦船の近くにいて、米軍艦船が攻撃されても自衛隊が何もできないのはおかしいではないかという指摘。 二つ目は、米国に向かう第三国の弾道ミサイルを、日本が迎撃できないのはおかしいという指摘。 アメリカの艦船に攻撃を仕掛ける国があるのか-----、また音速の10倍もの速さで飛ぶミサイルを迎撃するだけの技術力の備わった国は世界中に皆無----。 話にならない理屈で滑稽と言わざるを得ない理由づけである。 長年にわたって行使できないとしてきた「集団的自衛権」を、このようなおかしくて、滑稽な議論を前提に行使できるようにすると「解釈の変更」をやろうとしている安倍政権。 今一度、憲法9条がめざしたもの、あの戦争の惨禍を二度と引き起こさないという理想にしっかりと目を向けて、時の政治権力が自分勝手な解釈をしてしまわないような政治の動きに注目しなければならないのではないか。 安倍政権のおかしく滑稽な言い分、自分勝手な解釈変更は断じて許さじ!
信金中央金庫の地域・中小企業研究所が発表したリポートのマスコミ発表に驚いた-----。 報道によると、3月3日から7日にかけて全国の信用金庫の調査員が、全国約1万6000社を対象に面接で聞き取り調査した結果を発表している。 それによると、中小企業の8割以上が、今春の賃上げができなかったことが明らかとなったとしているのだ。 今春の賃金引き上げについて、「実施していない」と回答した企業は83・4%に上っている。 実施していない理由について、「当面のところは様子を見ている」が34・6%で、「景気見通しが不透明」と回答した企業は25・2%との回答が上位を占めたとの報。 その一方、「賃上げを実施した」と回答した企業は10・6%で、その理由としては「従業員の処遇改善」が8・4%、「自社の業績が改善したから」が3・9%などが多数を占めている。 調査対象企業の従業員別にみると、従業員100人以上では「賃上げ実施が32・3%、その一方、従業員20人未満で12・4%、従業員5人未満では7・1%にとどまり、小規模企業ほど賃上げができていない実態が明らかなのである。 「アベノミクス」の成長戦略が功を奏して「景気は回復、日本の労働者の賃上げ大いなる前進-----!」「賃金の上りし春よ-----」等、現を抜かす安倍首相の顔に往復ビンタをくらわしたい程の怒りでいっぱいだ。 これで4月1日からの消費税増税なのだからまさに、労働者に対する踏んだり蹴ったりの仕打ちで、安倍政権への恨み節が響き渡っているようである。 「必ず仕返しはする-----!」と、怒りに満ちた働く者の決意は固い!
安倍首相とオバマ大統領の会談、TPP交渉の先行き不透明さについては双方とも確認し合ったようであり、共同声明の発表が大きく遅れたものの、今回の日米首脳会談で日米同盟強化の一連の問題が打ち出されたのは重大である。 日本の憲法の根幹にかかわる集団的自衛権の行使を、オバマ大統領の支持を「お墨付き」に加速させるなどというのは絶対に許されないことである。 首脳会談では、安倍首相の軍事一辺倒の前のめりの姿勢が際立ったと言ってよいのではないか。経済でも軍事でもアメリカをあてにして譲歩を繰り返す日本政府の姿勢は、まさに「亡国」への道ではないのか。 従属的な日米同盟は何としても止めさせなければならないのではないかと強く訴えるものである。 日米同盟の深化が、軍事はおろか、暮らしと経済を破壊する何ものでもないことを強く叫びたい程である。
消費税断行の4月は、多くの国民のこれからの日常生活に不安と苛立ちと怒りを与えた月となった。 多くの失業者、低賃金で差別に苦しむ非正規の労働者、低年金で不安な毎日を送る高齢者、-----どんな惨めな身の上なのか、安倍首相が心の底から心配し手を差し伸べようなどと考えたことなど全くナシだと断ず。 物価上昇は生活を圧迫し、年金減額、保険料増額、----など無情な安倍政権による政策が続く。 一方では、不要不急の大型公共事業の推進で大企業へのお手盛りは平気の平左。 おまけに、法人税の減税までお手盛りで実施-----。 電気・ガス・水道の節約に次ぐ節約、食生活の徹底的な見直しで家計を守る主婦の並々ならぬ努力。 安倍首相は、庶民のこの苦しみを本当に理解しているのだろうか。 高齢者の老いは早いし、残り少ない人生を「穏やかに過ごすことができた!」 「本当に楽しかった!」-----と、回顧させ得る社会的施策こそ政治をつかさどる者の責務であり使命だと信じるのだが-----。 安倍政権の暴走は、決して国民が望む政治の在りようとは全くかけ離れたもので、近い将来必ず国民の大きなシッペ返し受けざるを得ない結果となることは確かなようである。