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日々の気になるニュース。ただし某NGOのお仕事が忙しい時はしばらく更新されないことも…。
 



尼崎脱線事故についてメディアが取り上げない日はない。ここ数日は、JR西日本の企業体質と事故後の職員の親睦会などが槍玉に上がっているが、どの報道を見てもどうもスッキリしない。会社側にも労働者の側にも責任感が欠落していることはよくわかった。しかし、問題の本質はもっと根深いところにあるのではないか? メディアは、その辺のところを深く追及せずに外面的な事故原因追求だけで済ませているのではないか? メディアが伝える脱線事故報道に接するとこんな思いばかりが強くなる。メディアはトカゲのシッポばかりを追いかけていて、肝心の本体に迫っていないのではないか?

不満足な内容の報道が多い中で、毎日新聞の「尼崎脱線事故:明らかとなるJR西日本の体質」という記事は、問題の本質に迫ろうという姿勢が感じられるものだった。
記事の中にあった信楽高原鉄道事故の遺族らでつくるNPO「鉄道安全推進会議」の「日本の事故調は技術論に偏っている。米国に比べて安全工学や人間工学の視点が劣り、こうした面での安全対策も考慮しなければならない」という指摘。これは、言い換えれば、目先の技術だけでは、安全対策は不十分ということだ。事故調(国交省)はこの指摘をどう受け止めるだろうか?
また、鎌田慧氏は「国鉄時代は、公共交通の模範というのが事業者と労働者の誇りだった。JR西日本は、私鉄の激しい競争の中でそれが崩壊した。JRは、分割・民営化に同意しない者を「人材活用センター」へ送るなど労働者を管理・支配してきた。「抵抗しない」姿勢は今も組合員に残っている。運転士は自己判断を求められるのに会社が「使いやすい人間」を作った。どういう状況でも出勤しなければと、ロボット化、マニュアル化した責任はどこにあるのか。人命救助優先でなく遅刻や罰を恐れる体質があったのではないか。JR全体の問題だ」という、国鉄民営化自体に問題の本質を求める指摘をしている。

国鉄民営化の表向きの理由は、国鉄の累積赤字からの脱却だった。その結果、地方の赤字路線は廃止されたり、第三セクターへの赤字押し付け路線に変貌した。そしてJRへ引き継がれた路線の運賃は引き上げられ、おそらくは世界で一番高い鉄道運賃を払わされることになっている。
国鉄民営化の本当の理由が国労潰しだったことは、民営化を強行した張本人の中曽根康弘が後年述べている。

事故の直接的な原因は、技術論やJR西日本の労働強化などに求められるのかもしれない。しかし、それで終わりにしたら、問題の本質は何も変らないことになる。そして新たな事故はきっと近いうちに起きるだろう。問題は「中曽根民活」にまで遡らなければならないのではないか?
中曽根民活からバブル経済を経て今に至る経済政策の歪の中で事故が起きているということを、もっと突っ込んで考えるべきだ。メディアはトカゲの本体を逃してはならない。

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