【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
身近な疑問の解説と役立つ情報の提供をさせていただきます。

国税庁・法人番号公表サイト(御社の取引先は実在しますか?)

2016-05-31 12:30:00 | 会計、税金、経営、その他の話題
法人番号とは、平成25年5月24日に成立(平成25年5月31日公布)した「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(番号法)に基づき、国税庁が各法人(会社や学校法人など)に対して指定する番号のことです。法人番号は、対象の法人へ通知した後、商号または名称、本店または主たる事務所の所在地とともに公表されます。

法人番号には、番号法の基本理念である、「行政を効率化」し、「国民の利便性」を高め、「公平かつ公正な社会」を実現する社会基盤としての役割と、「新たな価値の創出」という目的があります。最後の「新たな価値の創出」というのが大切です。

国税庁・法人番号公表サイト(法人番号に利用の制限はありません)

国税庁が「素晴らしい!」サイトを作ってくれました。法人番号は、個人に付与されるマイナンバーのように利用に制限はありません。ですから、このようにして公表されている法人番号は自由に使えばいいのです。これは、「新たな価値の創出」にほかなりません。

○御社の取引先は実在しますか?
自称(?)株式会社かもしれませんよ!

○名刺の所在地とサイトで検索された所在地が異なる
これも怪しいです。正しいのはサイトの所在地です。

○御社に関する情報は大丈夫ですか(笑)?
会社設立登記手続を司法書士(あるいは税理士?)に任せきりで、自社の登記内容など確かめたことがない人もいると思います。「社名と所在地」は正しいですか?

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★より詳しい登記内容は「法務局」でなければ知ることはできません。

「法人番号公表サイト」で問題が発見されるような「とんでもない会社」はそう多くはないと思います。会社の登記を扱う役所はあくまでも「法務局」ですので、より詳しい登記内容を知りたい場合には法務局まで行かなければなりません。

「代表者が登記されている人物と違う」「設立年月日が会社案内と異なる」「事業内容が登記と実際で異なる」など、疑問点が浮き彫りになってきます。

国税庁レポート(ICTからAIへ?)

2016-05-09 17:30:00 | 会計、税金、経営、その他の話題
ホーム>活動報告・発表・統計>国税庁レポート

これも役立つ情報です。毎年、6月から7月に発表されます。

レポートを読み進んでいくと、報道や出版、そしてインターネットによる税に関する情報の多くはこのレポートをソースにしていることがわかります。

「ICT」という言葉が気になりました。レポートでこの言葉が使われ始めたのは2012年からのようです。それまでは、おなじみの「IT」という言葉が使われていたようです。2015年版では、レポート先頭の挨拶文からICTが使われています。本文では、国税庁のホームページやe-Tax(国税電子申告・納税システム)の章で使われています。ICTはITを発展させたもののようで、総務省もICTという言葉を使っています。

間もなく発表される2016年版では、いよいよAIという言葉が登場するかもしれません。AIを使った相談、税務調査など、AIが本物であるならば税務行政も必然的にその方向に進むことでしょう。

ともあれ、ご一読をおすすめいたします。巷にあふれる情報の本源はここにあります。

私の推理が正しかった?

2016-05-07 22:12:28 | ニュース
【大阪】北区 連続不審火38歳男 逮捕へ

このブログでも話題にした大阪市北区・扇町公園南側の連続不審火の犯人が逮捕されるようです。犯人は現場近くに住んでいました。

この事件を知った当初から、私の推理は「犯人は現場近くの住人」だということでした。というのは、事件現場周辺は深夜の人通りが非常に少なく、挙動不審者は瞬時にパトロール中の警察官に職務質問されます。パトロールの網の目にかからなかったということは、犯人は現場近くの住人で犯行直後に自宅に帰ったとしか考えられません。

あえて、パトロールを掻い潜れたとすれば、事件現場の数百メートル西側にある「堂山町」「太融寺町」「兎我野町」という歓楽街を、終電に乗り遅れた酔っ払いたちに紛れて、密かに、徐々に事件現場から遠ざかるというルートしかありません。東は大川、南は中之島、そして北は淀川と、事件現場から遠ざかれば遠ざかるほど、深夜であれば足音が相当遠くまで響き渡るような地帯へと突入してしまいます。

ともあれ、犯人が見つかってよかったです。

入出金に関連しない仕訳

2016-05-04 16:01:00 | 勘定科目と仕訳
仕訳の大部分は入出金(預金勘定と現金勘定の増減)に関連しますが、入出金に関連しない仕訳も少なからずあります。

■入出金が全く関連しない仕訳の例

売掛金の計上
買掛金の計上
減価償却
有形固定資産の除却
期末在庫の計上

■入出金の額と仕訳金額が一致しない仕訳の例

給与の支払い(給与という勘定は手取りではなく給与総額で行う)
売上代金から手数料相当額を差引かれた(売掛金減少の仕訳は手数料相当額を差し引く前の金額で行う)
有形固定資産の売却(有形固定資産の簿価と売却収入の差額を損益として処理する)

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★入出金に関連しない仕訳処理の正確性が会計処理の巧拙を左右する

入出金に関連しない仕訳の処理が誤っている、あるいは忘れている場合には、算出された利益が間違いとなります。また、特定の勘定科目の数値が歪(いびつ)になることもあります。

自社において定期的・反復的に生じる入出金に関連しない仕訳を十分認識するとともに、突発的に生じる入出金に関連しない仕訳にもタイムリーに適応できるような体制を確立しなければなりません。

預金の引出しと預入れの仕訳

2016-05-04 16:00:00 | 勘定科目と仕訳
預金からの引出しとは、引き出した紙幣と硬貨をそのまま手持ちにしておくことです。預金出納帳の引出欄、金銭出納帳の入金欄に同額が記載されます。仕訳は次のとおりです。

≪借方≫現金≪貸方≫普通預金(あるいは当座預金など)

預金への預入れとは、手持ちの紙幣や硬貨を預金口座に預けることです。預金出納帳の預入欄、金銭出納帳の出金欄に同額が記載されます。仕訳は次のとおりになります。

≪借方≫普通預金(あるいは当座預金など)≪貸方≫現金

預金からの引出しと預金への預入れは、預金勘定と現金勘定の間の移動ですが、費用と収益に無関係であることから無関心となり、つい処理を忘れがちです。処理ができていなければ、預金勘定の残高と預金通帳の残高、現金勘定の残高と実際の現金(紙幣と硬貨)が一致しなくなります。また、預金勘定と現金勘定が異常な金額になる場合もあります。

★引出しの処理が複雑になるケース

預金から引き出した「全額」を手持ちとしない場合もあります。一部を仕入代金や経費の支払いに充て、残りを手持ちとする場合です。この場合の仕訳は次の二通りがあります。100を引き出して30で事務用品(消耗品費勘定)を購入し残る70を手持ちとしたとします。

(方法1)

≪借方≫消耗品費30+現金70≪貸方≫普通預金100

(方法2)

≪借方≫現金100≪貸方≫普通預金100
≪借方≫消耗品費30≪貸方≫現金30

どちらの方法も各勘定科目の残高は同じになりますが、(方法2)は現金勘定の総勘定元帳の行が一行多くなります。どちらを選択するかは好みの問題です。

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預金の引出しと預入れに関して、よく質問を受けるのは次のケースです。

◆引き出した資金をそのまま数日後の支払いに充てる
引出した日付で「現金/預金」という処理をして、実際に支払った日付で「仕入など/現金」という処理をしなければなりません。支払った日付で「仕入など/預金」という仕訳をすると、支払いが済むまで預金通帳の残高と預金勘定の残高が一致しないからです。また、現金勘定の残高と実際の現金残高も一致しません。

◆現金(紙幣と硬貨)で集金した売上代金を数日経ってから預入れる
集金した日付で「現金/売掛金」という仕訳をして、実際に預入した日付に「預金/現金」という仕訳をします。「現金/売掛金」という仕訳を省略し、預入れた日付で「預金/売掛金」という仕訳をするという方法では、現金勘定の残高と実際の現金残高が一致しなくなります。