【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
身近な疑問の解説と役立つ情報の提供をさせていただきます。

源泉所得税納付書(納期特例用)の記載≪集計は慎重に!≫

2017-06-14 12:00:00 | 源泉徴収と年末調整
納付書の裏面で記載のしかたが説明されていますが、記載例が示されていませんのでこれだけでは不明なことが出てきます。さらに詳しい説明は、国税庁の下記の手引きでされています。

納付書の記載のしかた(給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書)

「年度」は、役所の年度ですので、平成28年4月1日から平成29年3月31日までの間に納付する場合は「28」、平成29年4月1日以降に納付する場合は「29」と記載します。

税務署から送付されてくる納付書には「税務署名」「税務署番号」「整理番号」があらかじめ印字されています。

「納期等の区分」は、「平成29年1月から6月」は「自2901至2906」、「平成29年7月から12月」は「自2907至2912」と記載します。

「支払年月日」は、期間内に支払った最初の年月日と最後の月日を、それぞれが一桁の場合は頭にゼロを付けて記載します。1回しか支払っていない場合は最初の年月日だけ記載します。

「人員」は、期間内に支給した人員の合計数を記載します。

「支給額」は、期間内に支給した合計額を記載します。

「税額」は、期間内の合計額を記載します。「¥」は合計額にだけ付けます。

「俸給、給料等」とは、毎月の給料のことです。ボーナス(賞与)はここには記載しません。

「賞与(役員賞与を除く。)」は、従業員のボーナスです。

「税理士等の報酬」は、給料と賞与以外で源泉徴収が必要な職業の人の報酬の内「手引きで列挙されている」ものです。

「年末調整による不足税額」と「年末調整による超過税額」は、期間中に年末調整が行われる「7月から12月」は当然として、「1月から6月」でも記載が必要となるケースがあります。前年の「超過税額」が前年の「7月から12月」の税額から引ききれなかった場合には、その分を翌年の「1月から6月」から引くことができます(税務署から還付を受けている場合はできません)。前年の年末調整の「再調整」を1月にしている場合には、「不足税額」「超過税額」の両方が生じることもあります。ご注意ください。

納付書の作成は簡単です!

難しいのは、納期特例の場合には半年分を「集計」しなければならないことだけです。たとえ毎月の源泉徴収を正しく行っていても、この「集計」を間違ってしまえばどうにもなりません。十分確認してください。

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算定基礎届の提出と労働保険の年度更新(これは税理士の仕事ではありません!)

2017-06-09 15:00:00 | 起業(会社設立など)と経営
算定基礎届の提出(7月10日まで)

労働保険の年度更新(7月10日まで)

今年も社会・労働保険のシーズンがやってまいりました。社会・労働保険の手続は税理士の業務と関連していることから、この件で税理士に相談する、場合によっては手続の代行を依頼しているケースもあるようですが、これは税理士の仕事ではありません。社会保険労務士の仕事(独占業務)です。【注】

税理士も給与計算(税金の徴収)に関わっていますので、依頼者に社会・労働保険関連の「数値を提供する」ことは当然ですが、税理士では社会・労働保険手続を「完結する」ことはできません。

社会・労働保険の関連役所への提出書類には、その作成を代行した者を記入する欄がありますが、ここに氏名などを記入できるのは社会保険労務士だけです。税理士が作成してもこの欄は空白となります。後日、提出書類に不備があった場合、役所からの問い合わせは税理士ではなくその依頼者にされます。その際、「税理士に頼んだので私は知らない。税理士に聞いてくれ」とはいえません。

社会・労働保険の手続をしている税理士は、「役所からの問い合わせに対応できない」、「密かに社会保険労務士に外注し利益を得ている(社会保険労務士に直接頼むよりも高くなる)」、「依頼者に成りすまして役所との対応をしている」などから、トラブルを起こしているケースもあるようです。

もし、現在依頼している税理士が、社会・労働保険の関連役所に各種書類の提出までをしているとすれば、それは違法です。一度、その税理士とこの件について話し合われることをお勧めします。トラブルが起きてからでは遅いです。社会・労働保険は従業員の怪我、病気、老後に関わることなのですから、素人である税理士に任せてミスでもされたら大変なことになります。

【注】同一人物が税理士と社会保険労務士の両方の資格を保有している場合には問題はありません。また、税理士の事務所に社会保険労務士が所属している場合も問題はありません。このようなケースも少なからずあります。

★社会・労働保険の手続は経営者の義務です!

社会保険労務士に依頼するには費用が必要ですので、それを節約するためには自ら手続をしなければなりません。その場合は次のようにします。

○役所が配付している手引きを参考にする
○役所に行って職員に教えてもらう

手引きは難解かもしれません。職員に厳格な対応をされるかもしれません。しかし、これを乗り越えなければならないのです。実際、多くの経営者はそうしています。それができなければ人を雇う資格はありません。(社会保険労務士に依頼するにしても従業員の個人情報や勤務記録など、手続に必要な基礎データは自らが入手、作成、管理しなければなりません。)

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税務調査の立会だけをお願いします(喜んで!)

2017-06-07 12:01:00 | 税務調査
税務調査の立会だけを依頼されることがあります。正直いって「気楽!」です。自分が作成した申告書ではないからです。自分が作成した申告書であれば、「どこか間違っていないだろうか・・・」という不安と恐怖がありますが、税務調査の立会だけの場合はそれがありません。

★弁護士が羨ましい!?

税理士の仕事をしていて弁護士を羨ましく思うことがあります。それは、弁護士が受ける相談の多くが「事後相談」であるからです。一方、税理士の相談のほとんどは「事前相談」です。税理士の収入源は税務申告書作成で、その業務の過程で様々な相談を受けなければなりません。その相談への対応が間違っていた場合には税務調査の結果に表れてしまいます。ですから、事前相談には慎重にならざるを得ないのです。しかし、慎重になりすぎると依頼者が不満を抱きますので、ある程度は「冒険」や「賭け」もしなければなりません。

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税務調査の立会を税理士に依頼するタイミングをどうするかが問題になります。

■税務調査の通知を受けた段階で依頼する
この方法が無難です。多くの納税者、特に税務調査が初めての納税者は、税務調査の通知を受けてもその意味さえ理解できずに戸惑うばかりです。税理士に税務調査の通知の段階で立会を依頼すると、調査の日程や調査を行う場所についての税務署との折衝をしてもらえます。つまり、納税者は矢面に立たなくて済むのです。

■税務調査の結論が見えた段階で依頼する
この方法が実質的かもしれません。しかし、税務調査の結論(追加納税)が「大逆転!」となるケースなどまれですので、税理士に依頼しても結局は「あきらめてください。貴方が間違っています。」となってしまうことが多いです。

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期ズレ(税務調査で指摘された場合)

2017-06-07 12:00:00 | 税務調査
その道の人(公認会計士、税理士、税務署員、会社の経理担当者など)にすれば当たり前のように使う言葉ですが、それ以外の人にはさっぱり意味がわからない言葉です。

「期ズレ」とは、収益や費用を計上する事業年度を誤るということです。例えば、平成28年4月1日から始まり平成29年3月31日に終わる事業年度の決算に計上しなければならない売上や経費を、翌事業年度である平成29年4月1日以降の日付で計上してしまうことをいいます。計上する会計期間(事業年度)がずれるので「期ズレ」というのです。翌事業年度に計上すべきものを計上してしまうことも期ズレかもしれませんが、一般には「早期計上」といって期ズレとは区別しています。

経理実務においては、少額な期ズレは許容するという暗黙のルールが存在しますが、個々には少額であっても件数が多いと許されません。ですから、このルールに甘えることなく可能な限り期ズレを防止しなければなりません。

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税務調査で期ズレを指摘された場合の扱いは次のようになります。

決算書自体は修正しません(決算書においては許容します)。例えば、第3期の売上5万円が第4期に期ズレしていたとしても、第3期の売上は5万円少ないまま、第4期の売上は5万円多いままにしておきます。当然、帳簿(総勘定元帳)もそのままです。

しかし、法人税の申告書は修正しなければなりません。

第3期の申告書において5万円を所得に加算するという「修正申告書」を提出しなければなりません。そして、この加算した5万円相当額の法人税を追加で納税しなければなりません。

第4期の申告書では、この5万円を所得から減額します。所得の基となる第4期の決算書の利益には5万円が含まれているので、こうしないと二重に課税されてしまうからです。

決算書においても申告書においても、この5万円が第3期、第4期のいずれに含まれるという問題であって、第3期と第4期のトータルでは影響がありません(プラス・マイナスゼロになります)。

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源泉所得税の納期の特例

2017-05-31 17:00:00 | 源泉徴収と年末調整
給与などから源泉徴収した所得税(および共に徴収した復興特別所得税、以下同じ)は、源泉徴収の対象となった給与などを支払った月の翌月10日までに納付しなければなりません。しかし、「特例」として、給与の支給人員が常時10人未満の源泉徴収義務者は、源泉徴収した所得税を「半年分まとめて」納付することができます。これを「納期の特例」といいます。この特例の対象となるのは、給与や退職金から源泉徴収をした所得税と、税理士、弁護士、司法書士などの「一定の報酬」から源泉徴収をした所得税に限られています。

この特例を受けていると、1月から6月までに源泉徴収した所得税は7月10日、7月から12月までに源泉徴収した所得税は翌年1月20日(10日ではありませんよ!)が、それぞれ納付期限になります。

この特例を受けるためには、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を税務署に提出する必要があります。この申請書を提出すれば、提出した翌月以降に源泉徴収する所得税から特例の対象になります。例えば、7月から特例を受けたい場合には6月中に提出しなければなりません。

納期の特例を受けている場合には、「特例用の納付書」で納付しなければなりません。特例用の納付書は特例適用期間の税額を一括して納付する様式になっています。

給与の支給人員が常時10人超となって特例の要件に該当しなくなった場合は、「源泉所得税の納期の特例の要件に該当しなくなったことの届出書」を提出しなければなりません。この場合、該当しなくなった月以降は特例が適用されませんので、原則どおり源泉徴収した翌月10日までに納付しなければなりません。例えば、4月に該当しなくなった場合には、「1月から3月」は特例が適用され、4月以降は原則どおりとなります。

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◆特例を受けるには給与の支給人員が常時10人未満でなければならない
◆全ての所得税が特例の対象になるのではない
◆特例の対象期間は任意の半年間ではなく1月から6月までと7月から12月までとなる
◆特例を受けるには特例を受ける前月までに申請しなければならない
◆特例を受けている場合には特例用の納付書で納付しなければならない
◆納期特例の要件に該当しなくなったならば届けをしなければならない
◆納期特例に該当しなくなった月から原則どおりの納付をしなければならない

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