東京教組(東京都公立学校教職員組合)

教職員のセーフティーネット“東京教組”

敗れた朝に

2017年09月05日 | 日記

2017年6月15日朝。また一つ日本は大きな曲がり角を曲がったんだ。

民主主義を無視した国会運営によって、民主主義を蔑ろにする法案の成立。その法案の名は通称「共謀罪」。ぼくたちは、この法案に大きな危惧を覚え、反対してきたけど、とうとう成立。7月11日にはもう施行もされたんだ。犯罪の実行がなくって、計画しただけで罪となるっていうのがこの法案の肝。「実行がなくても」ってことは証拠が曖昧になる。だって法廷ドラマでよく見る、凶器とかアリバイとか遺留品とか、そんなもの元からないんだよ。犯行してないんだから。

いや、犯罪しようって考えるだけでも確かに悪いんだけどさ、ぼくが言ってるのはそこじゃない。悪いか悪くないかじゃなくて、曖昧な証拠で罪になっちゃうってことは、本当は悪くない人までつかまっちゃうんじゃないかってこと。特にケイサツとかコッカとか捕まえる側に嫌われてるとさ、例えば「あいつは、俺らに歯向かってる、目障りだ」って思われて「あいつは悪いことを企んでる」って言えば、捕まえられちゃうんじゃないかな。「気に入らない奴だ、牢屋に入れろ!」「俺に逆らうのか!」って悪い王様の典型だよね。日本が本当にそんな国かどうかじゃないよ、それが「できちゃう国」になったってことが一番問題じゃないかな。

でね、ぼくたちは反対してたけど、結局あの朝、法案は成立。まあぼくたちは敗れたってわけ。こんなこと勝ち負けじゃないけどさ。やっぱり敗けたーっていう気持ちはあるよね。中には夜通し国会の前にいた人もいたよ。だって夜通し国会をやってたんだもん。そして朝に成立しちゃったんだ。

でもね、ぼくたちはこんな「敗け」を何度も経験してきたよ。とても立ち上がれないようなショックなこともいっぱいあった。昔でいえば戦争で町が焼かれちゃった。焼き尽くされ、大勢が亡くなった。そのあと瓦礫の町から立ち上がっていくのはとてもとても、頑張る気持ちが言ったと思うんだよね。でも先輩たちは立ち上がったんだ。

それから最近でいえば、自衛隊が海外に行くようになった朝。とても大きな空爆を始めた朝。教育基本法っていう大切な法律がかわっちゃった朝。通称「戦争法」っていって他の国と一緒に戦争できるようにした法律が成立した朝。

オキナワでも、何度も悔しい朝を迎えてきたよ。でもそのたび立ち上がってきた。「負けない秘訣は、諦めないこと」ってね。どうやって立ち上がってきたか。詳しいことは、次回にしようね。とにかく、ひどい法案が法になってしまった、闘い敗れた朝。大きなことだけれど、悔しかったけれど、これからが不安だけれど、負けないぞって気持ちをもって立ち上がった先輩たちを見習って、ぼくたちも立ち上がっていこうと思うんだ。