心の距離

2006-05-23 | ことば・文章
どんなに感覚の似た友人でも
すべての考え方が一致するわけではなくて
「それは当然の事」とわかってはいるけれど
どうしても諦め切れない時がある。

心の隔たりは、ほんの数ミリほどなのに
届かない気持ちは、何万光年にも感じられてしまう。
谷川俊太郎さんの「二十億光年の孤独」という詩を
思い出します。

心が触れ合うほど、近くにいる人だから
わかってほしい。でもわかり合えない。
このもどかしい距離を、いつか縮められるのか・・・

憧れの人

2006-05-18 | ことば・文章
憧れる対象が少ない人生は、つまらない気がする。
「憧れの人」が年々減っていく気がするのは、気のせい?

気持ちにハリを持たせる事が目的、ではないけれど
いつでも高いところ、先に進んでいる人をめざしていたい。

今夜は、ある会社のオーナーと会いました。
ものごしは柔らかいけれど、内面は熱くて。
「利益ではなく、文化を追求したい!」
という言葉に痺れたな。

その言葉が口先だけでないことは
彼の会社の事業や社内の雰囲気を見ていれば、わかる。

学校の先輩、それも4歳しか違わないのに。
じわじわと、闘志が湧いてきた。

話していると、僕の知識不足がハッキリばれてしまい
「おまえ~!勉強しろ!」と怒られた。
それもなにか嬉しくて、「ガンバラネバ」と強く誓うのでした。





新芽の焦燥

2006-05-17 | ことば・文章
何事にも満足できない感覚、というか
もやもやと、焦燥感に駆られる時があります。
「今よりもっと先に行けるはず」
という気持ちの産物なんでしょうね。

焦燥感は、新芽のように
「上に伸びようとするチカラ」の源泉なのかも、と
さいきん感じています。

先日、学生時代の同級生が今も小説を書き続けていて
いくつかの文学賞を受賞していることを知りました。

抱いた夢を、変わらず追い続けている彼女の姿勢に感動しながら
「では、自分はどうしたいのか」という問いも生まれてきました。

「批評の授業で『この作品は家族への思いを率直に書き綴った』なんて
作家論的な発表をする人は、E助教授なんかに即座にパーンと否定されてしまう。」
と彼女は書いているけど、僕も、この否定されたグループでした(笑)
自分の文学観の浅はかさを思い知らされ相当ショックでした。
「人生最大の挫折」と言えると思います。

あの時 止まってしまった時計を、もう一度動かしてみたい。
夢をあきらめたふりはやめて、新芽をまっすぐ伸ばす。
そういう衝動が、心に満ちてきました。
なぜか、今なら答えが見つけられる気がするのです。

大地に根を張り、広く青い空に向かって行くイメージで・・





グールドのアダージョ

2006-05-03 | 音・クラシック
グールドと言えば、神経質で鋭敏なイメージがあるけど
彼のアダージョも独特の陶酔感にあふれていて、記憶に刻み込まれています。

とくに、バッハの協奏曲2楽章は、星空に広がっていくような
凝縮された静けさが美しいです。
こういう世界を持っていることが、複雑な現代人であるグールドの内面をあらわしている。

なんて以前から思っていたら、最近、こんなCDが出ました。
しかも、冒頭からバッハのコンチェルト。

グールドの当時の感覚に、やっと僕たちが追いついてきたのかな・・・

アンド・セレニティ~瞑想するグレン・グールド

Riesling リースリング

2006-05-03 | お酒
「フレッシュな白い花や柑橘系果実の香りが感じられる
 エレガントでキレの良いワインです。」

以前から、リースリングには特別な思い入れを持っています。
花のような、かぐわしい香気と華やかな酸味。
けっして甘くないのに、甘い雰囲気に包まれる。
その分、繊細で、なかなか良いものにめぐりあえない。

上品な余韻に浸りたい時には、このワインだと思います。


Catarratto カタラット

2006-05-02 | お酒
目からウロコのシチリアワイン。
こんなに美味しいワイン、まだまだあるんだね!
僕が知らないだけで・・・

「カタラット種はよくマルサラ酒に使われるブドウ品種で、フルーティさはもちろん、
適度なボディとミネラルを含んだドライ感が特徴です。
熟した桃にハーブの香りが爽やかな印象です。
とろけるような甘味は意外にもすっきりとした後味で、飲みやすい。」

キリッと引締まった甘さ。惹かれるなぁ。
気持ちが明るくなる白。もっともっと探したい・・・

空にすはれし・・・

2006-05-01 | ことば・文章
大気が暖まってくると
心も浮き立って、空に同化していくような、5月。

この時期の緑が、好きです。
新緑の、淡くつつまれるような明るさが
やがて、陽射しとともに、くっきり色濃くなっていく。

いつまでも、眺めていたい。
澄みとおった緑の世界の中に
ただ無心に、浮かんでいるような、僕の心がある。

自分の心の居場所は、僕にもわからないけれど
今は、あてどもなく探し歩かなくてよい。
樹々からの風に、いつまでも許されている。