哲学の科学

science of philosophy

生物学の中心教義について(6)

2017-08-26 | yy58生物学の中心教義について


部分的にでも複製が起こり始めれば、時間の経過によって同じような分子群がその場所で濃密に増殖することになります。この結果できる生成分子が生物の構造体である有機ポリマーを作る重要な部品分子(モノマー、プリン、アミノ酸、糖など)の生成を媒介する触媒機能を持つと、それは不完全ではあっても一種の酵素となります。
そこに、またまた偶然に、モノマーの重合を促進する触媒(ポリメラーゼ)の役割を、不完全ではあっても、果たす分子群が作られる。そういう分子群が偶然、また複製される機構に組み込まれる。そうなると、現在のすべての生物が持っているRNAポリメラーゼの原型のようなシステムができたことになります。

さて、ここまでは来るとして、ここからクリックの中心教義を忠実に実行する生物の原型はどうすれば出来上がるのか?道は相当遠いようです。
粘土や多孔質岩石の微小な間隙にポリメラーゼの類が高濃度に集積されて、それらが製造するRNAやDNAやタンパク質の類がうようよ浮かんでいるゾルゲルのようなネバネバした物質ができたとしても、それらはまず境界膜がないので、細胞のようには増殖できません。
細胞質膜の部品であるリン脂質、コレステロールなどを製造するタンパク質が偶然できて複製されていけば、部品は自然に絡み合って細胞質膜ができてきます。リン脂質などの両親媒性分子(水と油の両方に溶ける分子)が凝集するとシャボン玉のような球形膜が自然にできます。もしこうなったとすれば、DNAやRNAやタンパク質やゾルやゲルを囲い込む球形に閉じた細胞質膜ができあがることもあるでしょう。
この原始細胞の中にはめちゃめちゃな配列のDNAがあってめちゃめちゃなたんぱく質がつくられていきます。ふつうめちゃめちゃなたんぱく質が働きだすと細胞はめちゃめちゃな状態になって崩壊します。
そうなるとまた、振出しに戻ってRNAやDNAをめちゃめちゃな配列で作り始めるとこらから再出発が始まるでしょう。しかしその場合、近くにうまく働く細胞がすでにできているとすると、それが周辺の出来損ないや発達途上の原始細胞を食べてしまうでしょう。まあ、食べられて細胞膜内に取り込まれれば、ちゃんとした細胞の一部分になれるわけなので、生物進化の観点からは、成功と言えます。








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