お大師様のむら

太陽の恵みをいただく“いしがきむら”こと高野町杖ケ薮。
そこで活動した元むらづくり支援員の日記。

杖ヶ薮って…どこ

2011年09月25日 | 支援員の思い

今日は秋のお祭に向けて毎年恒例の車道の道刈り。
国道の清川から集落へ1.2kmを
 男性陣は山側のたまった土かき
 紅一点のわたしは独り道へ落ちた落ち葉を谷側へと吐き落とす。
今年は急な告知だったこともあり、例年よりも少ない人出。
午前中で終わらず、午後3時までかかった。

一緒に汗をかいた労いに区長さんは、近所の私とお隣のまっちゃんの次男さんを外食に誘ってくださった。
昨年は宿温泉横の食堂だったが今年は大掛かりな建て替え工事中のため
 高野山の居酒屋さんへと車を走らせた。
まだ夕方早かったせいか、2軒にふられ(準備中?)3軒目でようやく喉を潤せた。
運転手役のお隣さんが所要で1時間しかお付き合いできないとのことで
 お店の方に送っていただけないか聞くと、できますよとの御返事。
場所を尋ねられ、「杖ヶ薮入り口まで」「え?どこですか?」「富貴へ行く途中の…」
 それでもわかられない店員さん。富貴すらもピンとこない様子。

これが話に聞いた『高野山の意識』。山内だけが高野町。

このようなことは商売をされている人だけの話ではない。
信じられないことに行政も、である。
さすがに場所を知らないということではないが、先月の高野町広報に目を疑った。
災害時の避難場所に、杖ヶ薮地区は「旧杖ヶ薮小学校」と書いてあるのだ。
ご存知ない方には小学校のどこが問題なのかと思われるだろうが、
 国道371号から数十m入った山と山の間、谷間の川沿い。
 冬は全く日が射さず、老朽化は激しくトイレは使えない、廊下は床がめくり上がっている。
それよりも、私が赴任した翌月、龍福寺に防災無線が設置され、避難した際の避難者名簿が置いてあり、
 和歌山県の広報『県民の友』の記事にまでなっているのだ。
ケアレスミス、ではないだろう。杖ヶ薮に訂正の連絡はないようだし。
『知らない』のだ。
 たった9名しかいない(住民票上)集落のことなど…

        これ以上考えるのはやめた方がいいようです

話を戻して、高野山で商売をされている方。周辺集落を上手に商売相手としてみては。
品物が豊富、選択肢が多い橋本市、五條市よりも
 地元のかゆい所に手が届く品物、サービスを利用したい。
高野にしかない物を買いに、ついでに他の物も買って帰ろう。
車で15分の場所で打ち上げをしたい、送迎があれば。
いい例は、『肉は吉田屋しかいい』や『南山苑のお買いものサービス』。
まだまだ余地はありそうですよ。

コメント (2)
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まさちゃんの仕事

2011年09月16日 | 日記

秋の杖ヶ薮は忙しい
彼岸講、八幡様秋祭り、丹生神社秋祭りの準備
冬野菜の播種、苗作りの合間に
普段できない畑や屋敷周りの
 石垣やむら道の清掃に各家々が精を出す

私もここ3日程草引き
 龍福寺周り
 駐車場周りとその石垣
 八幡様
そして昨日は
 空き家になったお宅とその畑跡の間にある
 むら道と石垣
30年ほど前から住まなくなった屋敷跡地
これまではその下に住む
 区長さんのお姉さんまさちゃんが手を入れて来た

昨日残暑厳しい中一緒に作業
石垣と側溝の草を引いて
 道の下の生垣の下や
 石垣上の槙の木の下に
ぽいぽいっと放り込んでいた

するとまさちゃんからダメだし
「お姉さん、ふわふわとのせたらあかん
  上から押して」
「美しい仕事せんとな」

久しぶりに聞いた
 『美しい仕事』

お昼前に終ると
「家でお昼呼んだらええのやけどな
  何にも御馳走してないんでな」
「わたしは昔っから男みたいなことばぁっかりしとんので」
と、まさちゃん

高野山の女学校の一期生として卒業後も
 病弱だったお母さんを助けてお嫁に行かず
橋本にある田へ歩いて通ったり
 山仕事畑仕事 夜なべでつくろい物をしたり
苦労されたと他のおばちゃんから聞いている

仕事の仕方をほんの少し教えて頂いた
 それで充分です


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道刈り

2011年09月12日 | 日記

先週土曜日
年に一回の道刈りの日
東の山へ宿地区へ続く
 むら道の草刈り補修
毎年3班に別れ
 それぞれが日を決めて行う

昨年は週末むら人の班に参加
 索道跡まで行った
今年はえい子さんの班
えい子さん、恵美子さんの御長男、まっちゃんの御次男、けん坊さん
 男衆は7時前から出発し宿地区まで
 女衆は7時に出発途中で折り返す

草履のおばちゃんきよえさん宅から
 東へお墓の方向へ
途中道が分かれる

出発してすぐに倒木
 台風の影響
他に欅も倒れていた

               

恵美子さん一家の山田跡を過ぎ
 折り返しの『栂尾』と呼ぶ尾で休憩
腰掛けて椎の実を拾ったりして
 えい子さんからおやつとジュースをいただく
木々を眺め
 昔の山小屋を観察して
 ふと目線をあげて、おや?

                

なんだか、何かが不自然
何か見えませんか?

               

雑木の枝が延びた先の
 細い杉か桧の木の先に
雑木の枝が曲げられ葉が枯れています

もしかして…
冬の雑木林の
 裸になった木々の上に残される
あれでは…

熊さんのベット
 でないことを願います


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台風12号

2011年09月04日 | 日記

紀伊半島、四国中国地方に
 数々の被害をもたらした台風12号

杖ヶ薮でも雨は降り続いた
九州で生まれ育ち台風には慣れっこ
 の私でも恐怖を感じ
2日、3日の夜は深夜までTVに釘付け

今朝ようやく小康状態になり
 むらを歩いた
写真は
 長老宅から西へ
山の中の八王神さんへの道
道端の杉が根こそぎ倒れ
 6~70㎝の幅の道がひっくり返った

 

集落の入口から
 車道を国道へ向けて数十m
西の谷までの間の
 以前恵美子さんの旦那様が
 落ちた水の無い沢
そこに山水が落ちていた

 

京子さんに頼まれ
 上遷宮の招待状の宛名書きをしながら
御実家の野迫川村桧又の
 『28水』の話をお聞きした

昭和28年
 京子さんがお嫁に来て約5年
御実家の上のお家の
 そのまた裏の山が崩れ
お風呂とお勝手を残して
 母屋がもっていかれた
上のお家は残念ながら
 皆さん帰らぬ人となられたそう
東又を通り歩いて御実家へ
米を持って来いと言われ
 『だいぶ悲しかったわ』と…
橋本へ行き
 義理の妹さんとまた野迫川まで
お米を背ったら負うて
 歩いたそうだ

コメント (4)
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八月朔日

2011年09月01日 | 日記

ここらの
 季節のことわざ

『 八朔 (はっさく) の
   にが餅食べたら昼寝が出来ん 』

 

八朔とは、旧暦八月朔日(ついたち)
 今年は8月29日にあたる

にが餅とは
 粟餅にあんをいれたもの

『 旧の8月1日
  にが餅を食べる頃になると昼寝が出来ない 』

なるほど
気がつくと明るくなるのも随分と遅くなって
 一日の明るい時間が短くなったなぁ
昔の野良仕事も
 昼寝が出来ないほど忙しくなったのかな…

目を閉じて
 少しタイムトラベルしてみる 


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恵美子さんの昔話

2011年09月01日 | 日記

今月9月 丹生神社御膳上げの当番は
 恵美子さんのお宅
おっちゃんの体調も良く
 今年初めてお宮さんへ次男さんと上がり
 作法を伝授

雨の中踊り舞台と階段の
 簡単な掃除を終えて
男衆の二人が降りて来られるまで
 恵美子さんのお話しを聞いた
杖ヶ薮生え抜きのおっちゃんのお母さん
 恵美子さんのお姑さんからの口伝え
その聴き書き

 

『大蛇退治のお話し』

 むかしむかし、杖ヶ薮のてっぺんに
  十津川から移り住んだぉじさんがおった
 小林さんよ

 そん頃高野山の山の奥、こつり峠の向こうの
  河根か九度山の方で大蛇っつうんか大きな蛇がおって
 人が飲まれて、減って減ってしゃぁなかったんやと
 鉄砲の上手い者はおらんか探して何人か集まったが
  小林のぉじさんが一番で
 高野の奥の高い高い木のてっぺんで
  弁当をさげて三日三晩その大蛇が出るのを待っとった
 とうとう三日目に
  ぞぞぞ~っとうろこの大きな音して
 蛇が木の上の人食べようと上がって来た
 小林のぉじさんは
  パーンと一発その眉間へ命中させたけども
 まだ蛇は生きとって
  二発目パーンと撃ったらとうとう死んだ

 大蛇を撃ち取った証拠を
  金剛峯寺へ持ってったら
 その褒美に毎年三石の米やらを
  死ぬまで貰うたと

 

小林のおじいが十津川から持ってきて植えた
 明神様の無患子の木が
今では大きくなって
 今日もまだ小さなその実がポツポツ落ちていた


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