お大師様のむら

太陽の恵みをいただく“いしがきむら”こと高野町杖ケ薮。
そこで活動した元むらづくり支援員の日記。

正月準備~餅、飾り

2010年12月29日 | 日記

月曜日京子さん宅にて
 草餅の餅つきをお手伝い
京子さんのこだわり
 春に摘んだもち草(よもぎ)を使った
 草餅は最初から杵臼でつく

               

今朝のえいこさん宅
2日前の餅つきで使ったもろ蓋が
 山に向かってずらりと並ぶ

今日は明神様と八王神様の
 正月飾りと清掃のお手伝い                   

       

12月のお宮さんの当番は忙しい
 1日、15日の御膳上げに始まり
 正月3日の的打ち行事の『的』作り
 しめ縄作り、正月飾り
 おもちのお供え

お手伝いの後ストーブを囲んで
 コーヒーをいただきながら
おっちゃんと昔話

 冬の楽しみは
  鉄砲担いでシシや鹿追い
 さつま芋を掘り上げた霜が降りる頃
  シシが山の畑を荒らし始めると
 『おい、獲りに行こら』と
  雪が消える彼岸頃まで
 山を走り歩いたのだと…


一仕事終えた帰りにはどっさり
 えいこさん手製のねぎをいただく

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槙の“華”

2010年12月27日 | 日記

今朝7時のphotograph

高野山までの
 七分目ほどにある杖ヶ薮は
ようやくこの冬初積雪

昨年の冬の初発見は
 竹箒でむら道の雪を掃くおばちゃんの姿
そうしておくと
 昼には雪は消えているという
南斜面の有り難さである

もうひとつの発見は
 槙の葉が華に変わること
円錐形の樹形に
 美しい華が現れる

今年は
 雪を掃く姿が一つ減る

               


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正月準備~蒟蒻

2010年12月23日 | 日記

師走としては暖かい
 天皇誕生日の今日
杖ヶ薮では正月準備で忙しい

えいこさん宅では
 お義姉さんのきよえさんと
 区長さんのお姉さんまさちゃんとが
賑々しく蒟蒻作り

京子さんはとお家を覗くと
 今日はまだできないと
正月のお茶を炒ったり
 お漬物の準備に大忙し

恵美子さんのお宅では
 娘さんと息子さんと4人で
へっついさんと槙ストーブをフル回転
恵美子さんがミキサーで蒟蒻芋と水を合せ
 それを旦那さまが揉みながら灰汁と合せる
そして恵美子さんがお椀で丸め
 それを娘さんが灰汁をまぶした掌で整形湯に入れる
息子さんは芋を茹でるへっついさんの火の番

               

4人でいっぱいの台所
 わたしの出番は無いようで再びえいこさん宅へ

               

えいこさん宅ではミキサーに
 灰汁をお椀に2杯
   水をお椀に1杯
   芋をお椀に1杯
桶に3分の1まであけていく

蒟蒻玉の持ち主がそれを手でこね
 湯を入れて程よい軟らかさに
そうして灰汁を入れ固さを決める

               

まさちゃんが
 げんこつより少し大きいくらいに
 空気を抜きながらひとつにまとめ
きよえさんが
 灰汁をまぶした掌で整形湯に入れる

               

「えいちゃん!これはちぃと灰汁がきついぞ」ときよえさん

杖ヶ薮で作る蒟蒻の灰汁は
 どのお家も木灰か藁の灰で作った灰汁
だから灰汁の効き具合でその加減が変わる

わたしも勿論お手伝い
一通り終わって
「あー楽しかった~。だけどえいこさん大変やね」
労うわたしに

「大変とは思わん。
  また来年、こないして(皆で)出来たら嬉しいのよ」


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心経札

2010年12月22日 | 日記

お正月の準備に
 むらの家々が次第に忙しくなる

今日はえいこさんから電話
 町史編纂の取材で『心経札』を刷って欲しいそう
去年も頼まれたお札
 視力の弱いおばちゃんに代わって刷る 

    『奉讀誦般若心經百万遍家内安全祈所

お正月、各家々へ数枚ずつ配り
 家の中、蔵などへ貼ったり
50~60cmの長さの竹を割ったものへ貼り
 敷地の辻などへ建てる

お昼をはさんで30枚ほどを刷った後
 7~8kgの茹でた蒟蒻芋の皮むき
えいこさんの子どもの頃の
 貴重な体験を聞きながら

「ひとりやったら日暮れとった。
  助かったよ」

一服して自家製白菜漬けをいただいて帰る


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白い闇

2010年12月21日 | 支援員の思い

昨日と変わりない雑多な部屋で
 同居人に朝の挨拶
ねだる彼にお目当ての物をよそい
 玄関の引き戸を開けた瞬間

  あれ、まだ夢に居る…

むらがすっぽりそのまんま
 まぁるい白い宇宙空間へ放り出されたの?

すぐそこにあるように思えるのに
 感じることが出来ない

 その鮮やかさ
 その輝き
 その温かさ

今のわたしのこころを映しだす

 


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おふくろの味

2010年12月15日 | 日記

無患子の葉が
 すべて落ちて一息つくと思いきや
今日15日、氏神様の境内には
 大量の無患子の葉の『じく』と
 大量の杉葉、桧の葉
何とか掃き落とし
 またもや車道の葉は日を改めてとなる

そうして、お下がりとコーヒーをいただきに
 えい子さんご夫婦宅へ
ついでにお昼も呼ばれる
っと言うより
 魚の骨取りを頼まれた

初めて目にしたそれに思わず
 「美味しそう!!!」
自家製のたっぷりのねぎの香りに
 食欲がそそられる
焼いた塩鯖とねぎの炊き込みご飯
 『さかな飯』

「おっ母が好きで
 子どもの頃よう焚いて食べよった」
とおっちゃん

「おっちゃん、
 今日は(骨の)心配いらんでよう食べよるわ」
とえい子さん

思わず三杯目をよそう私

               

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散髪屋さん

2010年12月14日 | 日記

左に、恵美子さんの旦那様
右に、京子さんの旦那様の長老

御番雑事で奥の院からの帰り
 立ち寄った恵美子さんご夫婦
そこへ、高野山病院で診察した
 京子さんご夫婦がいらっしゃった

昭和23年免許を取った店主と
 その息子さんが営んでいる山本理髪店

大正11年生まれの長老には
 大正5年生まれの店主が散髪

昭和へタイムスリップ

               

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頭脳戦~おばちゃん力

2010年12月11日 | 支援員の思い

支援員の支援が、家族の関わりを侵食しないよう
『家族のようだが、家族でない』『娘のようだが、娘でない』ことを忘れないよう
日々の活動を組み立てている

先日、その私のルールとおばちゃんの想いがぶつかった
まっちゃんが亡くなられ、今月25日の四十九日までの間
まっちゃんの魂はまだこの世界を彷徨っていると考えられているそう
夢にまででてくる親戚であるまっちゃんの魂を慰めたいと、祀ってある御長男のお宅へ
お参りしたいというのである

その話をお聞きして共感、快く即承諾したのだが、帰宅する道すがら“しまった”
すぐに立ち戻り、丁寧にお断りした
理由は、①むら全体がそうするのでないこと
      ②家族が出来ない日常生活支援でないこと
      ③高野町、近隣市町村に息子娘さんがおり、家族でできること

そうして数日後、そのおばちゃんは美容室へ行きたいと言われ、送迎することに
すると当日、妙な荷物を車へ持ってこられた
問うと、まっちゃんへのお供えというのである

御自分の自由に動いてくれない息子娘
手近に動いてくれる支援員
思い立ったらどうしても願いを叶えたいおばちゃん
再度できませんよと…
すると、曜日を替えれば行ってくれると思って、とおばちゃん
たまたま、用事でその場におられた息子さんと、滔々と説明した
結局、美容室で娘さんにバトンタッチして、お参りに行っていただくことに
娘さんも御自分の予定を変更しての騒ぎとなった

あの手この手で‘おばちゃんの知恵’を駆使して
ボケたふりもなんのその
自分の想いを通すためには考えられないエネルギーを発揮する

このエネルギーが生きる源なのだ


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無患子の木 その後

2010年12月10日 | 日記

師走の初日
 明神様の境内の無患子の木
数日前の強風と雨で
 すべての葉が落ち切っていた

参道 駐車場 踊り舞台
 階段 お社周り 鐘つき堂周り

一面にカサカサの大きな葉っぱが
 地面を覆い尽くす

御膳上げの間
 えいこさんは山を
 私は階段、参道を
全身で掻き集める

ひざ下の高さまで嵩んだそれを
 大きな仕事が好きなおっちゃんと
最後、石垣下へ引っ張り落とした

                    


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1年の成長~畑

2010年12月09日 | 日記

先月大豆を引いた
 恵美子さんの一番広い区画の畑
来年の準備にかかる時期になった

今年二月から始めた畑仕事の支援は
 この作業から始まった
斜面を人が歩く『はぜ』を造り
 固くなった土を打つ
何度となく造った『はぜ』の基礎は
 真っ直ぐ延ばせるようになった
そこへ、大豆のマルチに使った藁や
 枯れ草、落ち葉を敷いて
 薄く土をかぶせていく

一番広い逆三角形の区画の
 一番上の段はさすがに長い
上段の土を打ち
 2段目の『はぜ』を造って3時半過ぎ
西の山へ完全に日が入り
 今日の作業は終りとなった

バケツいっぱいに収穫した大根を右手に
 入りきれなかった残りの大根を左手に抱えて

「おばちゃん、採りすぎ~。道具は持てんよ~」

畑には持てなかった大根と
 おばちゃんの杖のうちの1本がコロリ

               

蕎麦畑に育てた恵美子さんからもらった白菜
 有機肥料、完全無農薬…
と言うよりほったらかしだった私の白菜

恵美子さんに教わり
 繋いだ藁で霜よけに巻いて帰宅した


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