今度、どこ登ろうかな?

山と山登りについての独り言

榛名の山(鏡台山・天狗山・鐘原ヶ岳・杏ヶ岳・鬢櫛山)

2007年04月11日 | 山登りの記録 2007
平成19年4月8日(日)
鏡台山1,079m・天狗山1,179m・鐘原ヶ岳1,252m・鷲ノ巣山1,317m・杏ヶ岳1,292m・鬢櫛山1,350m

 2月に上野村の高反山と笠丸山に登ってから山に行っていない。正確に言えば3
月に仕事絡まりで山に登る(登らなければならない)機会があったが…。年度末で休みもあまり無い忙しい日々だった。年度も替わり、相変わらずやっぱり忙しいのだが、少なくともPTAの方は一応お役ご免になったので少し気が楽にはなった。

 さて、今年は暖冬でずっと来て、3月になったらむしろ冬より寒い日が続いた。それでも桜は帳尻を合わせ結局例年より少し早いくらいの開花となり、ぼくの町辺りでは今が満開で入学式に丁度いいのだった。

 せっかく山に行けそうなのに、このところ週末になると天気が悪い日が続いている。先週当たりから前線が居座って、お天気は不安定であまり晴れ間も続かない。2ヶ月のブランクもあるし、お天気が余り期待できないので、近場のお気軽山に行くことにした。今回はお気軽山が沢山ある榛名を選んだ。

 榛名は幾つものピークがあるが、目立つ幾つかにしか登っていない(登ったのは掃部ヶ岳、榛名富士、相馬山、烏帽子ヶ岳、水沢山、二ッ岳こんなものですか…)。まだまだ、この山塊には幾つものピークがある。赤城山に比べると、遠目にも多くのピークが乱立している雰囲気がある榛名山。少し前から登ろうと思っていた天狗山他、烏帽子ヶ岳のついでに登ろうと思ってそのままの鬢櫛山と、掃部ヶ岳に続く杏ヶ岳は今回ぜひ登ろうと思っていた。しかし、お天気次第でいくつ登っても、直ぐに登山中止できるお手軽コースなのはこの山の良いところだった。

 土曜の夜に家を出た。もちろん、この山だったら、ゆっくり起きてのんびり出発しても登れるのだけど…家の者をぼく一人の遊びで休日に早朝から起こすのも気が引ける、本音を言えば早起きするのがイヤなだけなのだが…。家を出るときは、雷が鳴ってザーザー降りだった。少し鼻白んだが、めげずに翌日の午前中は晴天の予報を信じて?出発した。赤城の裾を走るときには降っていた雨も、伊香保の温泉街を上る頃には上がり、旧榛名道路は何故か路面が乾いていた。

 榛名湖周辺は週末、改造車のバカモノが夜になると集まるのでうるさいから、今回の登山口に当る榛名神社の駐車場まで下ってそこで仮眠した。高崎市歴史民俗資料館は県議選の投票所に使われているようで、その駐車場はガイドブックに書かれてあるように今回は登山者の駐車場として使えないようだったから、県道脇の高崎市無料駐車場に車を停めた(合併してここも高崎市になった)。

 目が覚めると外は明るくて晴れているようだ。6時半に仕度をしてパンをかじり、6時45分に榛名神社参道を登り出す。昔、毎年初詣に来ていた榛名神社は懐かしかったが、当時に比べると参道周辺は随分変ったように思う、何となくもっと昔は素朴な雰囲気だったなあ。随神門で参道を別れ、右の林道に入る。「天狗山・鏡台山登山口」と指道標があった。宿坊?の赤い柴犬がわんわん吠えたてる。この犬は門の番犬なのか?朝から犬に吠えたてられて余り気分は良くない。コンクリート舗装された林道をしばらく上ると2つに別れ、右に行くのが「天狗山・鏡台山」で左が「地蔵峠・鐘原ヶ岳」とあった。帰りはこっちに降りて来て周回するコースを取ることにした。真新しい舗装林道は途中で終り、赤土がべたべたした感じの道を登ると少し急になり、間もなく4合目コルという場所に出た。遠くに掃部ヶ岳と杏ヶ岳の稜線が見えた。

 予報通り晴天になって青空が広がっているが、鐘原ヶ岳と天狗山には雲がまとわりついていた。コルから直ぐ先の鏡台山に向かう。程なく再び分岐になり、左に少しで四等三角点がある南峰に7時22分に着いた。そこそこの展望台だったが、残念ながら景色は全体に霞んでうっすらと浅間隠方面の山並みが見えるくらいで、後ははっきりしない。下の高崎方面の市街地も霞んで良く見えない。向かいの天狗山や鐘原ヶ岳には向こう側から押し寄せてくる雲が頂上部を隠し気味だった。お菓子を少し口にして、写真を撮り三角点がある南峰を下って、やや高い北峰に向かう。北峰は薮の中、真新しい標識がぽつんと立っているだけで何もないところだった。

 4合目コルから天狗山に向かう。天狗山への道は鐘原ヶ岳の中腹を回り込む様に巻いて少し登った先が8合目で、直ぐ上が9合目の東峰と西峰の分岐だ。鏡台山から雲に隠れ気味みに見えていた天狗山は、ここまでくるとガスに巻かれて展望が無くなった。天狗山から鐘原ヶ岳に繋がる一連の山の向こう側から、雲が帯のように延びてきて視界を塞いでいる。雲は動いているから、時々また晴れて視界が広がるが、すっきりとした展望は無い。標高は少し低いものの頂上扱いの東峰に8時19分に着くと、そこは石碑や石像などが沢山あり、突きだした岩の上だった。晴れていれば広闊な展望がありそうな所だ。「天狗山」の名前といい、石碑などの遺物から信仰登山の対象になっていた様だ。榛名神社も含め、修験道が盛んな頃の名残だろう。

 あまり眺めも無いから、少し休んで9合目分岐から西峰に登った。ここも林の中で、今は霧に巻かれた細いナラの木が見え隠れする幻想的な雰囲気だ。
天狗山を下り、8合目の少し下の鐘原ヶ岳分岐から少し急な登りをしばらく行くと稜線になり、三等三角点がある小鐘原ヶ岳の標識が立つ薮のピークに着いた9時11分。稜線に出た付近にも大小幾つもの石碑が立っていた。

 展望の少ない薮の稜線を小さくアップダウンして登り着いた所が最高点の大鐘原ヶ岳。9時27分、ここで小休止。天狗山を下るときに3人のハイカーに会ったが、ここまではやって来そうもない。天気予報もあまり芳しくないせいか、日曜日と言っても至って静かな山だった。鐘原ヶ岳から急降下して地蔵峠に下り、榛名神社に引き返した。

 榛名神社は、それでもいくらか観光客の姿があった。
10時半に車に乗って次の山に向かう。榛名湖方面に上り、湖手前から左折して杖ノ神峠に向かう舗装された林道をくねくねと上って、杖ノ神峠に駐車した。ここは掃部ヶ岳と杏ヶ岳の鞍部になっている。ハイカーの姿もここではちらほら。お天気は晴れと曇りの中間くらいの感じで、晴れていたら却って暑そうだから、こんな天気で丁度いいかもしれない。掃部ヶ岳を見上げると、中腹の耳岩が目に付いたが、横切っている高圧線が景観上目障りだった。

 パンを囓ってから、11時13分に杏ヶ岳に向かう低い笹の道に入る。鷲ノ巣山の標識があるピークまでが急な登り。この鷲ノ巣山は、天狗山方面から見るとずんぐりとした円頂ながら東面に帯状の岩壁があってなかなか立派な山容で、名の知れた杏ヶ岳より標高も高く見栄えがする。鷲ノ巣山から急降下して登り返した所はまだ前衛峰で、また一旦下って更に上り返した所が杏ヶ岳の山頂だった11時47分。

 石祠と三等三角点があり、東側に展望があった。さっき登った天狗山と鐘原ヶ岳が目の前、その下に榛名神社が見える。左手には榛名湖の一部と榛名富士・烏帽子ヶ岳・相馬山・二ツ岳などの榛名の主要山群が見えた。鐘原ヶ岳から北に続く稜線は榛名外輪山の天目山に繋がるが、その中間にある山が目に付いた。この山は幡矢ヶ岳という名前が付いているらしい、東側にちょこんと突きだした覗岩がアクセントで、なかなか目を惹く山容だ。道のない山らしいから、今度は是非登ってみたい。

 頂上には先着のハイカーが居たが、直ぐに下っていって静かになった。しばし休憩。引き返す頃にまた2組のハイカーが登ってきたが、日曜にしてはやはり静かな方なのだった。

 12時43分に杖ノ神峠まで戻ってきたが、時間はまだ充分ある。雲行きはあまり芳しくないがあと一山くらいは登れそう。烏帽子ヶ岳の時に登れなかった鬢櫛山に登ることにする。

 榛名湖まで車で上り、榛名吾妻荘から左折して沼峠付近に車を停め、1時10分に登り口を探す。峠の切り通しののり面辺りをうろうろするが道がない。しばらく薮をがさがさしていたら踏み跡を見つけた。辿っていくと赤テープがあり、道らしくなった。尾根通しに鬢櫛山に登っていく。雑木と杉の植林の間辺りを急登して、ナラ林の中の山頂に1時53分に着いた。小さな山頂名が書かれたプレートが2つ立木に付けられていた他は何もない。誰も居ない静かな山頂で、木々に遮られて眺めも余りないけれど、木の間越しに榛名富士や相馬山・烏帽子ヶ岳が見えた。ここで恒例のカップ蕎麦を食べ、まったりする。

 風の音と、時折かすかに聞こえる峠を上る車のエンジン音がするだけで、ここは静寂な空間だった。やっぱり、こんな感じがぼくは好きだなあ。

 下りはあっという間。2時10分に沼峠で車に乗り込んで、本日の榛名山渋山巡りは終わりだった。
榛名にはまだ幾つもの未踏のピークがあるから、またいつかお気軽ハイキングに出かけよう。幡矢ヶ岳とか、玄人好みのシブイ山もあるしね。

 帰りは人の多い伊香保は敬遠して、旧北橘村(現渋川市)のばんどうの湯で汗を流して家路についた。


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