今度、どこ登ろうかな?

山と山登りについての独り言

立岩Part2

2005年11月20日 | 山登りの記録 2005
平成17年9月19日(月)

 

 はじめに

3年前に登った立岩に再登山。前回登ったときは鎖場のある山自体余り登ったことが無かった子供達にとって、この立岩の2カ所の鎖場はそこそこ手強い難所であった。



 今回はちゃる(長男)が部活でちっち(次男)のみ、ちっちは釣りの方が良いようだが3連休で2日続けて釣りに行けたから、山に行くかと聞いたら行くということ。子供が行かなければ一人でどこかに行こうかと考えていたが、じゃあどこにしようか…。ちっちは岩場があるところで、南牧がいいという希望だ。でも、南牧はほぼ登り尽くしてバリエーションか、藪山しか残っていない。子供が登っていないところはいくつもあるが、どこも子供連れではイマイチか藪こぎなどがあるところだ。南牧はおいといて、でも余り遠くはないところで、岩場があって面白いところは、と考えていたら二子山が浮かんだ。随分昔登った。結構高度感があって、怖いところだったなあ。子供に受けそうだ。二子山にしようとちっちに言ったら、それでいいという。

 行く前の日になって、やっぱり二子山より南牧がいいかなと考えた。近いし、どうせどこに行っても、今回はリピーターだから。それで立岩にした。ちっちも立岩でいいという。もう3年も前になるんだな、あの頃から比べれば子供達も随分沢山の山に登っている。立岩なんか大したことは無いんだろう。ちっちは登る山よりも、山に行くと、普段食べられないお菓子が好きなだけ食べられるし、遠いところに行けるからそれがいいんだと。ふーん、何処でも良い訳ね、できれば岩場や鎖場があるところがベストらしい…とのことでした。



 さて、出発

近場だから朝6時に起きて、6時半に出発。今日は祝日、日曜日ではないので道路は結構な混みようだ。巷では3連休だが、旗日はこうして仕事をしている人も多いのだな。コンビニに寄って朝飯を食べたり(ちっちは食べないでゲーをしていた、コンビニで一回、登山口で一回…いつもそうだけど、朝は最悪なんだね)していたら、また遅くなり、9時を回って登山口に到着した。水戸ナンバーのご老体がお一人、これから登る用意をしていた。他に車は無かった。支度をして沢を木橋で渡り、登山道に入る。直ぐに立岩直登コースが別れ、杉の植林帯を登って行く。きつい上、朝から夏のように暑いのでちっちと2人でふーふーいって登っていった。以前に登った記憶がだんだん甦り、次はこんな感じというのを思い出す。急な登りで暑くて仕方がない、それにしても今日は夏のような暑さだ。やはり、まだこの時期もう少し高い山でなくては…今年はまた何時までも暑いから尚更だった。

 岩場も出てきた

 見覚えのある大きな岩の下で小休止。ちっちはまだ朝食はいらないそうだ。でも、ルックチョコレートと自分が買おうといった二度焼きせんべいは食べていた(香ばしくてうまかった)。朝からゲーをしたり咳をしたりと、どうも芳しくなかったが…本人が言うところによるとこれで普通だそうだ。一休みして、ますますきつくなってきた登りを行く。周囲はカエデ等の雑木になり、一直線の登りを終えるとガラガラの岩溝に出る。この、落石を起こさないようにするのが至難のルンゼを詰めると、トラヴァースの鎖場にでた。前回は子供達も少しビビリぎみだったが、ちっちは鎖も使わずに普通に登っていって、一番高度感がある木が生えたところでVサインをする余裕だった。成長したもんだね。パパは余裕のVサインはできなかった。

第1の鎖場を過ぎて、右に回り込むとその上が東立岩と西立岩(本峰)分岐のコルだった。前日たまたま図書館で借りた「私が登った群馬300山」という本に依ると、東立岩はこの分岐から20分で往復できると書いてある。多くのガイドブックには東立岩には道が無いから登れないとあったから、前回は西立岩のみだったが、今回はリピートでもあることだし+αが無くてはならない。良く見ると東立岩方面には結構はっきりとした踏跡がある。そこは木の枝を横に何本か渡して通行止めという意味らしかったが、かまわずそのまま藪がややうるさい踏跡を辿ると、直ぐに下草のない緩斜面になり、背骨のようなナイフリッジの岩に出た。そのまま岩を攀じて尾根筋を伝い、東に藪を回り込んで再び急な斜面を登ると、平らな岩が藪から頭をかろうじて出している山頂に着いた。なるほど、特に困難も無くちっちがすんなりついてこられた道だった(ホント言うと、ちょっと危ないところもあったけどね…V字に開いたナイフリッヂは少しヤバかった?パパが)。

 東立岩に登ったー

 東立岩山頂は、周囲の藪がややうるさいものの展望はなかなかだ。直ぐそこの西立岩は、西向きの岩壁が藪で真ん中辺りから下が見えなくて残念だが、東側にある針峰群は見えている。この針峰群は、妙義の「日暮らしの景」の様な雰囲気だ。

前回は霧の帳に包まれた立岩だったが、頂上で時折晴れるガスの切れ間から、この針峰群が紅葉に彩られた姿を見せていた。それは、幽玄という形容がぴったりだった(コンナ景色を見せてくれるのは天気が悪いときだから、あながち晴れの日の登山ばかりでは情趣に欠けると言うものか…)。

ローソク岩や荒船の経塚山は大きくよく見えるが、何と言っても一番ここから見て目を惹くのは毛無岩だろう。毛無岩は、ここからだと巨人の足がちゃんと二つ上向きに立てられているように見えて、ユーモラスな眺めだった。しかし、こうして遠目に見た毛無岩は高距が無くて、ガイドブックにあるように300㍍なんてとても無さそうだ。でも、去年二度目の毛無岩で下っていく支稜から見上げた所ではそのくらいは十分あるように見えたのだ。何故か?この岩自体が緩くスカートの裾を広げたように、下に向かって滑り台状になっていることがそう見せているのかもしれない。今のように、まだ木々に葉があるうちは、葉に隠されて岩の全体が見えないからかも知れない。



 北立岩はどれだろうか?この立岩と向かい合った毛無岩のある稜線との間には道場のがある。毛無岩の下を流れる道場川と立岩の下を流れる星尾川の間には、町村界稜線から派生する小さな支稜が、同じく道場のに向かって落ち込んでいる。去年、毛無岩を下ってきた時に道場の上にのしかかるように見えた尖った岩山がその北立岩の様だ。これも「…300山」によれば道場の西側の堰堤がある沢を詰めて登れると言うことだ。展望は無いようだが、いつか登ってみたい。その、北立岩は二峰に分かれて、丸っこい高い方と屋根型の低い方が共にほとんど樹木に覆われた姿で見えていた。毛無岩側から見ると高い方が尖って、低い方が包丁の刃を寝かせた様に見えるが、西立岩を下って威努牟幾不動に向かうナイフリッヂからは、左右が逆ながら同じような形で間近に見えるのだ。

 西立岩でまったり

 東立岩を下って、鞍部から前回も登った西立岩に向かう。前回と違って今日はお天気こそいいものの、まだ9月中旬で木々に葉がある分、やはり展望は全体に今一つのようだ。暑さで汗だくになりながら西立岩頂上に着いた。先行していた水戸のご隠居(勝手に命名)は、鎖場で直ぐ上にいるのを見かけたが、もうここには居なかった。東立岩に寄っていた間に下っていったものと思う。この山頂はとても下から見上げたあの凄い立岩の頂上には思えない薮の高まりだ。兜岩山方面(兜岩山そのものは見えない)のローソク岩や御岳山や経塚山が良く見えているけれど、あとは南も北も東も木々で見えない。ここでゆっくりとおむすびやお菓子を食べて休んだ。ちっちは一個だけのおむすびをやっと食べたが、意に反してそれは不味いお味であったそうだ…(新メニューの変わった奴なんか買うからだよ)。



 12時を回り、のんびり下ることにした。少し下りたら、頂上よりずっと眺めの良い北側のピークに出た。この立岩の地形が今日はじめて分かった。下の大上集落辺りから見上げた有名な立岩の景色(日本のドロミテ?だそうだ、もろい岩が泥みてえ、とか)だが、東西二峰の岩山のうち東立岩は西に比べればずっと低くて小さい塊、鞍部を挟んだ西立岩は弓なりに三つのピークを持っている比較的大きな塊だった。西立岩の真ん中のピーク(2峰)が最も高くて頂上と言うことになっているが、東側の1峰が最も尖っていて(前回登ったが何も見えなかった、雰囲気から言えば一番絶壁のへりらしいが)、今居る少し北側にカーブして下った前の2ピークよりも低い3峰が実際は一番展望が良かったのだった。さっき、藪の切れ間から、一段下ったナイフリッヂを先行したご隠居らしい人影が歩いているのが見えた(単独行は休むことも余りしないから、速いのだった)。

 必要があるとも思えない細い鎖が一段下のナイフリッヂまで、何となく付けられていた。ナイフリッヂ(別に危険なほどのモノではない)からは北立岩が正面だが、間近に見ると変な格好をした藪山に過ぎない。経塚山を一番奥に高く、その下に幾つもカマボコの断面のような岩棚状の岩壁が見えている。荒船や妙義やこの南牧の幾つもの岩山の母体である巨大古火山の岩脈が、断裂してこんな地形を作っていた。そのカマボコ岩壁のうち、一番手前に見えるのが威怒牟幾不動の岩壁らしい。

 不動尊が崩壊してる…

 2つ目のリッヂの鎖場もどうということもなく越えて、藪の稜線を辿り、笹が出だした辺りからジグザグを切って下って行くと、さっき上から見下ろした岩壁の下の威怒牟幾不動に着いた。あれっ。3年前には与太ってはいたが、どうにか建っていた不動尊の建物は既にそこには無く、残骸の木材が滝下に散らばっているばかりだった。大雨か、或いは去年の地震で倒壊したのか?それは跡形もなかった。ここのちょろちょろ水を汲んで、不動尊の説明看板がある四阿で、カップカレーうどんを食べた。

うどんを食べていると、場違いな感じのカップルがやってきて、跡形もない不動尊を見上げ、そのまま無言で下っていった(ご愁傷様です)。不動尊の、良くもまあコンナ所に建てたモノだという建物が無くなってしまった今となっては、登り口にそのことを書くべきだろうな、と思った。案内書や指道標で見た観光客?がやっとこここまでやってきて、これではお気の毒だ。ここを目的に下から登ってくる人にとっては、反則に近い仕打ちでしょう。「=お知らせ= 威怒牟幾不動の建物は倒壊して消失しました。 南牧村」なんてね…。



 あまり疲労感もなく、しかし夏のような暑さには終始閉口で無事登山口まで戻ってきた(この日の前橋は34℃もあったそうだ)。水戸のご隠居の車はもうここには無かった。年代物の「荒船山ハイキングコース マツダランプ」の看板は支柱から落っこちて、まだそこにはあったけれど嘘のようにきれいだった3年前より錆が広がって痛んでいた。誰かが持って行ってしまうか、腐って土に帰る日も近いと思われた。帰りにちっちが寄っていこうと言った千ヶ滝には何台か車が停まっていて、人が一杯だったから寄らなくて良いと言った。前に来たときに見たしね…。

 「村の駅オアシスなんもく」で※味噌とこんにゃくを買い、磯部の「恵みの湯」に寄った。7時前に余裕でご帰宅となったのだった。



※ ここで売っている味噌は3種類ですが、「つぶ赤みそ」は絶品の旨さです。他では買えません。昨今「なんとか味噌」とかいって、大したこともないモノをご大層に高い値段で売っていますが、ここのは安くてほんとに旨いです。ほんものの味噌の風味がする。子供達も絶賛。(別に、みそやさんから何も貰っていませんよ)

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