(「平台がおまちかね」の表紙。
画像は東京創元社のWebサイトから)
内容を一言で言えば、「出版社営業の日常、ミステリー風味」。「出版社」というと「編集部」のイメージが強いですが、この作品はその中で影の薄い営業部員にスポットを当ててます。
「ミステリー風味」と言ってもベースはひとりの新人社会人の日常を描いたものなので、事件が起こったり人が死んだり、ということは全くないです。日常のどこにでもあるような「不思議なこと」、例えば普段は穏和な人がなぜか不機嫌だったりいつも行っているお店がいきなり閉店したり。そういった日常に、実は知らないだけでいろんな小さなドラマがある。そういう日常を描いた作品ですね。
なので、ミステリーを感じさせるような描写はほとんどありません。私自身、読んでて「ミステリー風味」に気づくにはかなり時間を要しました。
強くおすすめする、というほどではないですが、読んで損はない本だとは思います。
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