Cosmos Factory

地方は終焉を迎え、無秩序な空間は途方もなく宇宙まで続く。

“しぶき除け”

2017-10-28 23:57:02 | 民俗学

 

 「伊那谷の土蔵・後編」で“しぶき除け”のある土蔵のことについて触れた。伊那谷にある土蔵を見たとき、妻の部分に板やトタンによって“しぶき除け”と言われる雨よけが施されている例が、上伊那に特徴的に見られる。この“しぶき除け”は、土蔵にだけ見られるものではなく、ふつうの民家に施されている例も、今では少なくなったが見られる。

 写真は箕輪町木下の国道153号沿いにある民家である。南面の妻部分に、“しぶき除け”が施されている。今時の民家ではこうした光景は見られないが、古い民家にはこうした装置が見られる。

 実はこの“しぶき除け”はまだ真新しい。民家は古いにもかかわらず“しぶき除け”は新しい。これは、南側にあった建物を撤去したため、妻部分が露わになってしまい、雨から防ぐために新たに設けられたもの。軒を連ねる民家は、隣同士が接近して繋がるように建てられていたため、これまでは妻部分は露わになっていなかった。隣の家が取り壊されたために設けられたものなのだが、この妻部分の“しぶき除け”は、取り壊した隣の家が負担して施したものだという。このあたりでは相手側の妻部分を露わにしてしまった方が“しぶき除け”を造ってあげるのだと言う。よそで同じ例で聞き取りをしたことがないのではっきりしたことは言えないが、木下だけで言われていることか、よそでも言われていることなのかはわからない。

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