Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

売木へ

2016-11-04 23:36:27 | つぶやき

ハザ掛け2016⑨より

 

 1日ぢゅう、ほぼ雲ひとつなかった今日、売木村へ入った。天候が良いということもあるが、脱穀を始めた方も。標高800メートル以上というこの地には、わずかではあるが稲ハザが残る。今朝がたは氷点下になったという売木である。売木村のハザについては一昨年「ハザ掛けから見えるもの②」や昨年「ハザ掛け2015 終章」で書き記した。ほとんどが多段掛けのハザで、とりわけ多段ということもあって作り置きのハザが多いが、水田の中にその時だけ作っているハザも少なくなく、全体的には半々といったところだろうか。ちょうど脱穀をしていた水田も4段のハザを水田内に作られていた。売木村の真ん中ということもあって日当たりが良く、きっと乾きも良いだろうと思われるような場所だが、意外に売木村では水田の水はけの悪い水田も目につく。

 写真2枚目のハザは谷の方向に対して斜にハザを作っていて、風向きや日当たりを考慮しているんだろうが、さすがに谷が狭まっているため陽の陰るのが早い。標高は間もなく900メートルという地にあたり、谷の先は新野峠にあたる。ようはあの山の向こうは北設楽郡豊根村だ。今朝の気温は氷点下1.2゜ほどだったという。開田高原でも今朝はプラス気温だったというから、このあたりの寒さが解るだろう。ここは県の南端である。すでに紅葉が始まっているが、まだ完全に色づいてはいない。このあたりでもニホンジカが多く出没するようで、周囲にはネットや柵が張り巡らされている。それこそこの週末あたりが残った稲ハザの最後の脱穀日和となるだろう。

 さて、稲をハザから取り除くとこんな感じた。売木では4段が最も多そうで、多くて7段といったところ。比較的空が広い空間ではあるが、多段掛けの多い売木村である。

 昭和の終わりころ、売木村のまさに関わっていた現場で温泉が見つかった。そもそも飯田下伊那のほとんどの温泉はふるさと創生事業のあたりからのもの。同じころここの温泉事業も始まっている。話に聞くところ、その温泉宿のひとつが間もなく閉じるとも。温泉に沸いたひとつの時代が少し控えめなところに至っている印象は、あの時代に始まったどこの温泉にもうかがえる。もう昭和の幕を閉じて30年に足を掛けている。


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