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量水樋

2017-08-04 23:23:12 | 農村環境

 

 伊那市にある取水施設には「水枡」というものが付属している例がいくつかある。よく知られたものに木曽山用水があるが、これは別名であって正式には上戸中条井という。かつて木曽側にある「水枡」も、伊那側にある牛蒡沢の水枡のことも触れたことがある。水争いが激しかったが故の施設なのだろうが、ほかの地域では聞くことのない「水枡」である。

 小黒川のある取水施設にもこの「水枡」というものがある。明治36年3月20日付けの「和解條約書」というものがあり、そこには「多年争論に係わる分水事件に付」当時の上伊那郡長と上伊那農会幹事長を仲裁人として分水の細かい決め事が書かれている。とりわけ「水枡」のことについて條約書の中では「量水樋」と記しており、取水箇所にこの量水樋を設けることとしている。その主旨は取水量を一定にするためである。その「量水樋」について「幅三尺五寸深四寸長二間とし水平に敷設し小黒川本流に沿える一邉に於て余水の自然に本川へ逃流するの装置を為すものとす」と記されている。その後何度かこの量水樋は造り変えられてきているが、今もなお量水樋の大きさはこの記述通りとなっている。深さ4寸という浅い水路のようなもので、これ以上は余水されるというわけである。その名のとおり、「量水樋」なのである。

 この量水樋のすぐ下に小さなボックスが棒に付けられている。中には日々の管理をした方の名前が記されている。日付の最初は1月1日。以後毎日記されているが、次に1月1日と同じ方に回ってくるのは43日後のこと。

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