Cosmos Factory

地方は終焉を迎え、無秩序な空間は途方もなく宇宙まで続く。

消極的な理由とは?

2017-08-11 23:39:49 | 信州・信濃・長野県

 妻の実家のある地域の飲み会の席で話題にしたのは、多面的機能支払交付金のはなし。長野県農業農村多面的機能発揮促進協議会のページより制度の概要を用いると、地域の共同活動により保全管理されている農地や水路、農道などの地域資源や農村環境の保全活動を支援するのが、「多面的機能支払交付金」である。もちろん国の補助金である。農地維持支払交付金というものと、資源向上支払交付金というものがあり、前者は地域資源の基礎的な保全活動 あるいは地域資源の適切な保全管理のための維持活動にあたる。簡単に言えば、施設の点検に限らず草刈や道普請、あるいは井浚いといった共同管理作業に対して交付金が交付されるというもの。水田なら10アールあたり3000円、畑なら2000円と些少な単価ではあるが、もともとまったく補助金のなかったところへ、維持作業をしただけで補助金が交付されるというのだから、まさに補助になることは言うまでもない。また、後者は地域資源の質的向上を図る共同活動(施設の機能診断や補修に対する技術的研修)や施設の長寿命化のための活動(長寿命化に対する実際の補修・更新という工事)に対して交付金が得られる。いってみれば、地域が自分たちで考えて、必要なところに手を加えていくという、自発的な活動への補助金と言える。

 実は関係の仕事に携わっているのに、つい先ごろまで市町村ごとの交付金への実施状況がウェブ上に公開されていることを知らなかった。わたしが日ごろ苦労している妻の実家のある地域の維持作業。もちろんわたしは住人ではないので、その地域がどのように組織を編成するかによって無縁となるが、とはいえ、妻の実家の実際の農業にかかわっている限り、家の代表者としてまったく関わらないとは言えない状況にある。したがって、もしそうした交付金を受けるべく組織ができていれば、何らかのアプローチもあっただろうが、これまでそういうことはまったくなかったわけで、この地域がそうした交付金を受けるべくアプローチをしていないことは承知していた。その通り、ウェブ上に公開されている活動組織のエリア図を見てみると、妻の実家のある村は、ある広域農業水利施設(土地改良区)の受益地には活動組織の色が塗られているのだが、ほかの地域にはそうした活動組織がひとつも存在しないのである。とりわけ山間地域は無色透明といったところ。それは山間だから該当しないのか、といえばそうではない。例えば隣の同じような地形環境にある村は、山間地域まで活動組織が編成されている。同様に上伊那郡に至っては、ほとんどの耕作地が着色されていて、その交付金への積極性が垣間見える。ひとつの指標かもしれないが、わたしが暮らしている地域も比較的活動組織の編成に対して積極性が見られない。ようは畑作地帯での消極性である。これは「共同」という視線で捉えると個人重視の意識が強いと考えられる。とりわけ古い時代に果樹が展開された地域の特徴とも言える。同様のことは下伊那ぢゅうで見られるのかもしれないが、とはいえ、なぜ取り組まないのか、そう思わざるを得ない地域が目立つ。この地域の中心でもある飯田市が、そもそも消極的である。

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