ラークス公認会計士の監査・会計トピックス

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会計事務所で働きながら公認会計士になる!20代元証券マンの会計奮闘記 ⑤私の勉強法(短答編)Ⅳ

2021-01-26 22:35:28 | 会計士への道

前回までに引き続き、公認会計士短答式試験の合格に向けての私の勉強法を紹介したいと思います。私は予備校のWeb講座を受講しておりましたが、実力テスト3点(100点満点)・空欄まみれの答案だった私を合格に導いた勉強方法のポイントは以下の通りです。

①動画の合間にアウトプット練習
②「覚える」ではなく「忘れる」を重視
③理論を意識した計算科目の学習
④スプレッドシートの活用
⑤予定管理・計画の可視化

今回は④をご紹介いたします。

①により講義受講時の質を向上②により長期記憶化③で計算と理論の相互作用の獲得を目指します。ここまでは入門基礎期のポイントでした。

④は上級・直前期のテクニックです。ここまできたら、あとはアウトプットの反復継続です。まずは予備校で課される答練(本番形式のテスト。予備校によって呼び名は異なる)や模試は確実に取り組みましょう。ここでも②で紹介したように直前にテキスト等を見てからやるのではなく、いきなりやってみましょう。長期記憶化されているものとそうでないものが明らかになります。

短答式試験の理論問題は、6択のマークシートで4つの肢のうち正しいものの組み合わせを選ぶというものです。答練等もこの形式で出題されます。このうち、間違えた問題や不安の残る選択肢についてはピックアップします。

ここでテキスト等に立ち返ることは当然として、それに加えて文明の利器を有効活用しましょう。

ピックアップした選択肢と解答・簡単な解説や間違えた理由をスプレッドシートに記載していくのです。スプレッドシートとはExcelなどのソフトのことです。私は、どこからでもアクセスできるようにGoogleスプレッドシートを利用していました。

これを繰り返していくと、あら不思議。なんと自分の苦手なところが重点的に載った自分専用の問題集が完成します。予備校から提供される膨大な問題集を頭からやっていくのは、社会人受験生には厳しいかと思います。少なくとも私はできず、後回しにしました。

そのため、まずは答練と模試を優先し、その範囲内で苦手をなくしていきましょう。通勤時の電車の中やトイレにいるときなど、スマホやタブレットで逐一確認します。問題数が増えてきたなら、ランダム関数を使って一部抽出するのがオススメです。

MY問題集ができるようになったら、予備校の分厚い問題集の短答編に着手しましょう。重要な部分は答練でカバーされているので、だいぶできるようになっているはずです。それでもできなかった細かい問題などは、MY問題集に追加していきます。

試験当日も、スマホやタブレットがあるだけで直前チェックが行えます。
当日は休み時間も短く、テキストをしっかり読む時間はありません。そのため、自分の苦手・不安のみに絞られたMY問題集が心強い味方になります。加えて荷物も軽くて済みます。4教科すべてのテキストを合わせるとかなりの重量ですから。

スプレッドシートが苦手な人は、オンライン上のメモなんかでもいいかもしれません。
ですが、会計士の実務はExcelで溢れています(少なくともラークスのお仕事は99%がExcelです)。試験まで余裕があれば、この際少しできるようになってしまいましょう。

スプレッドシートを利用して、試験当日まで活きる軽量で心強い味方を作ってみるのはいかがでしょうか?


会計事務所で働きながら公認会計士になる!20代元証券マンの会計奮闘記 ⑤私の勉強法(短答編)Ⅲ

2020-12-22 09:28:44 | 会計士への道

前回に引き続き、公認会計士短答式試験の合格に向けての私の勉強法を紹介したいと思います。私は予備校のWeb講座を受講しておりましたが、実力テスト3点(100点満点)・空欄まみれの答案だった私を合格に導いた勉強方法のポイントは以下の通りです。

①動画の合間にアウトプット練習
②「覚える」ではなく「忘れる」を重視
③理論を意識した計算科目の学習
④スプレッドシートの活用
⑤予定管理・計画の可視化

今回は③をご紹介いたします。

①により講義受講時の質を向上させ、②により長期記憶化させることができました。

これらに加えて、学習の中盤から始まる理論分野の勉強の効率、特に財務会計論と管理会計論の理論部分の勉強の効率を引き上げる施策が③です。

おそらく、どの予備校でも公認会計士講座は財務会計論の計算部分、つまり簿記からカリキュラムが開始すると思います。やはり会計士の基本中の基本です。勉強を始めるまで簿記が何かすら知らなかった人も、多いのではないでしょうか。
私もその一人です。会計士の勉強を始めたのとほぼ同時に、ラークス会計に入社しました。

財務会計論の初期の計算では、ある種機械的に取引を仕訳に落とし込む作業が続きます。ですが、計算分野の学習の時点で「なぜこのような会計処理をするのか」を考えることが大事だと思います。

例えば、減価償却費。これはなぜこのような処理をするのでしょうか。

文字に惑わされて「建物とかは使っていると価値が減るから」と答えるのは、あまり正確ではありません。理論の勉強開始前であれば、一言一句正確に暗記している必要はないでしょう。しかし、財務会計論計算の先生が講義のどこかで簡単に説明したことくらいは理解しておけば、計算分野と理論分野の勉強が相互にいい影響を与え合うようになります。

なので、減価償却費の会計処理を学んだ時点で、なんとなく「建物とかは長い期間使えるから、買ったタイミングで全部費用処理するのはおかしい。だから使える期間に応じて費用配分するんだなー」くらいには説明できるようになった方がいいでしょう。

管理会計論についても同様で、例えば補助部門費を製造部門に配賦するというのを機械的にやるのではなく「配賦基準の有無と因果関係がポイントなのかー」と抑えておくだけで、理論分野の理解が圧倒的に変わります。

逆もしかりで、理論分野をやりながら計算を思い浮かべることも大切です。

社会人受験生は、とにかく勉強時間が限られています。
短い時間で効率よく、計算も理論も得意になってしまいましょう。


会計事務所で働きながら公認会計士になる!20代元証券マンの会計奮闘記 ⑤私の勉強法(短答編)Ⅱ

2020-12-09 13:14:00 | 会計士への道

前回に引き続き、公認会計士短答式試験の合格に向けての私の勉強法を紹介したいと思います。私は予備校のWeb講座を受講しておりましたが、実力テスト3点(100点満点)・空欄まみれの答案だった私を合格に導いた勉強方法のポイントは以下の通りです。

①動画の合間にアウトプット練習
②「覚える」ではなく「忘れる」を重視
③理論を意識した計算科目の学習
④スプレッドシートの活用
⑤予定管理・計画の可視化

今回は②をご紹介いたします。

前回紹介しました①より、講義受講時の質を向上させることができました。

しかし!次の問題が発生しました。しばらく経つと、忘れてしまうのです。
もちろん、①のおかげで理解が深くなっているため、以前よりは忘れにくくはなっています。でも、やっぱり長い時間が経過すれば、忘れてしまうのが人間ですね。

忘れないようには、忘れてしまう前に定期的に復習するのが大切。
とはいえ、新しいこともやりつつ複数科目やりつつ定期的に復習も・・・というのは、社会人受験生にはやはり厳しいものがあります。

そこで、理解したことを長期記憶化させるための工夫が「忘れる」です。
逆説的ですが。

講義の受講直後は、誰でもその内容を覚えているものです。それを継続させるために、忘れる前に何度も反復継続するのが勉強の王道でしょう。しかし私は、講義の合間に行うアウトプット(前回紹介したもの)を終えると、あえて少なくとも1週間は他の科目の勉強を行うようにしていました。

時間を空け、別の新しい知識が入ってくると徐々に当初のことを忘れてきます。講義中に先生が言っていたことも朧げになってきたとき。そこが復習のチャンスです。
この時点で問題練習を解くと、忘れてしまったところ・即答はできないがなんとかできるところ・時間が経過しているにも関わらずスラスラできるところ、様々あることに気づきます。
時間を空けてもできているのであれば、それは長期記憶になっている証拠です。ここは基本的に今後、心配しなくていいところです。逆に、本当に忘れてしまっているところは要注意です。テキストを読み直し、また1週間程度あけて取り組んでみましょう。

こうして、理解→忘れる→思い出す→忘れる→思い出す・・・というサイクルを実施して、少ない時間で長期記憶化させるのがポイントです。覚えていることを確認するのではなく、忘れたことを思い出すのが長期記憶に貢献してくれると確信しています。

私の予備校では、初期段階の講義は毎回「確認テスト」というのを講義の冒頭に実施されていました。おそらくどの予備校も類似性があると思いますので、これを有効活用しましょう。講義終了後、あえて忘れる期間を作る。そしてテキスト等を見ずにいきなり確認テストを解く。できなかったところは翌週の確認テストと併せてもう一度やってみる。

長期記憶の獲得には、「覚える」と同じくらい「忘れる」そして「思い出す」というプロセスが重要だと信じて取り組んできました。

蛇足になりますが、記憶は睡眠を通じて定着するそうですよ。睡眠時間を削るのはご法度です。

 

それでは次回は「③理論を意識した計算科目の学習」です。


会計事務所で働きながら公認会計士になる!20代元証券マンの会計奮闘記 ⑤私の勉強方法(短答編)Ⅰ

2020-11-17 11:16:10 | 会計士への道

公認会計士論文式試験を受験した同志の皆さん、試験お疲れ様でした!

新型コロナウイルス流行の影響で、例年と異なり2日間での実施でした。1日3科目は体力・精神ともに疲弊しましたね。

さて、試験終了直後の今の時期だからこそ、新鮮な気持ちで私自身のこれまでの勉強方法を記したいと存じます。

まずは、短答式試験編です!
論文式試験にあたっての勉強方法は、合格した暁に。
働きながら合格を目指す、これからの方々の参考になれば幸いです。

私は働きながら勉強することに鑑みて、予備校のWeb講座を受講しておりました。
思えば勉強の初期の私は、連結財務諸表の実力テストが100点満点中3点だったり、理論の記述の大半を空欄で提出したりと、受験を諦めそうになったことが何度もありました。
そこで何度も試行錯誤を繰り返した結果、短答式試験に向けて徐々に培った勉強方法のポイントは以下の通りです。

①動画の合間にアウトプット練習
②「覚える」ではなく「忘れる」を重視
③理論を意識した計算科目の学習
④スプレッドシートの活用
⑤予定管理・計画の可視化

これらを実践した結果、令和2年第Ⅰ回短答式試験の自己採点結果は、
企業法   80点/100点
管理会計論 46点/100点
監査論   65点/100点
財務会計論 140点/200点
合計    331点/500点(正答率66.2%、合格ボーダー57%)

と、上位約3.6%で合格することができました!
(出典:令和2年公認会計士試験第Ⅰ回短答式試験の得点階層分布表(総合得点比率))

 

今回は上記の「①動画の合間にアウトプット練習」についてご説明したいと思います。

昨年の公認会計士試験の合格者の構成比を見ると、
学生 56.1%
無職 13.8%
専修学校・各種学校受講生 12.8%

これに対し、
会社員 6.2%
会計事務所員 6.2%
公務員 2.2%

でありました(出典:令和元年公認会計士試験合格者調)。

このように、公認会計士試験は受験に専念できる方々が多くの合格者を占めています。従って勉強時間に限りのある社会人は、勉強の質を高めることが合格のための絶対条件です。勉強の質の中核となるのは、復習とアウトプットです。

あらゆる勉強において「復習」「アウトプット」の重要性は語り尽くされておりますし、会計士を目指す方々であれば、言われるまでもなく自覚していらっしゃるでしょう。

ところがこれ、言うは易く行うは難し。

ましてや仕事終わりの夜に勉強することが多い社会人は、日中の疲れもあり講義を視聴するので精一杯。復習は翌日に回そうと思ったら最後、気づけば次の講義の日。複数の科目の講義が同時並行して行われるようになると、なおさらそれぞれの復習時間・アウトプット練習の時間がとれなくなってしまう。

おそらく、社会人受験生のあるあるではないでしょうか。
かく言う私も、初期の頃はこんな状態でした。

そこで私が実践していたのは、講義単位ではなく「講義1コマ単位」でアウトプットを挟むことです。
おそらくどこの予備校も同様かと思いますが、講義1回あたりは3時間前後の動画で約1時間ごとに区切り(休み時間に相当)が設けられております。この区切りごとに、直前の1時間の練習問題を解いておりました。

そんなにすぐにやるの?!意味ないのでは?、と感じた方々。
意外や意外。直前に教わったことなのに、解けないこともあるんです。
ここがポイントです。せっかくの動画講義なので、できなかったところはその場で動画を見返してみましょう。後回しにすると、おそらくやりません(私のことです)。

このように、小刻みにアウトプットを挟むことでモチベーションを切らずに理解の確認・復習ができるというわけです。
後でまとめてやろうとすると、やりたくなくなります。
加えて、不明点は講義中に解消してしまいましょう。働きながら合格を目指すのであれば、後から何度も何度も動画を見返す暇はありません。

ただし、どうしてもわからないことがある場合は無理に解消するために立ち止まるのではなく、とりあえず飛ばしてしまうのも非常に大切な戦略です。あとから別のところをやっているうちにできるようになることもありますし、そもそも満点とらなければならない試験ではありません。

・できるだけ小刻みに問題を解き、理解を確認する
・どうしてもわからないところは飛ばす勇気を持つ(直前期なら捨てる)

私の勉強法①でした。

 

②以降については、また改めて。


会計事務所で働きながら公認会計士になる!20代元証券マンの会計奮闘記 ④経営者の義務

2018-08-28 23:15:33 | 会計トピック

「経営者が必ずやらなければならないこととは、何でしょうか」

これは、私がとあるコンサルティング会社の面接を受けた際に聞かれた質問です。

ーーー意思決定をすることでしょうか。
「違います。経営者が意思決定をしなくても、会社は回ります。」
ーーー利益を出すこと?
「違います。利益が出ていない会社は世の中にいくらでもありますが、それでも会社は回っています。」

ーーー・・・・。

「正解は、毎月決まった日に従業員にお給料を払うことです。」

敢えて象徴的に、当時の面接官は教えてくださいました。
従業員にとって、給料日にお給料が振り込まれるのは当然のことです。
しかし、それだけの資金を安定的に、かつ確実に捻出しなければいけないということ、それが如何に大変なことか。
もらって当たり前の立場にしか立ったことのなかった私には、想像もつきませんでした。

「だからこそ、経営者は金策に走る。
だからこそ、経営者は常に資金繰りに頭を抱えている。」

転じて、経営コンサルティングとは「決裁権者への指南」である、と。
そう面接官は付け加えました。


そんなことも知らずに面接に行っていたと思うと、今では恐ろしく思います。

 

「利益を出すこと」と「資金を確保すること」は、似て非なるものです。
利益が出ていてもキャッシュが不足してしまう、ということはよくあることです。

ラークス会計では、会計の専門家集団として資金繰りのお手伝いもおこなっております。
事業計画の策定・見直しや、銀行様相手にその説明をするなど、弊社の業務は多岐に渡ります。


私自身も勉強しながら、皆様の助けになれるよう日々精進してまいります。

ところで最近、会計士試験の勉強も兼ねて簿記風の家計簿をつけるようにしています。
すると開始早々、
「お小遣いちょうだい!」
「このカバン買っていい?」
と、猫なで声の妻。

なるほど、
やはり資金繰りに頭を悩ませるのは、家計でも同じことでした。