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平成27年度税制改正大綱の解説~第3回 外形標準課税の拡大

2015-08-05 15:59:04 | 日記

平成27年税制改正大綱解説の第3回目です。今回は、外形標準課税の拡大について解説を行っていきます。

 

1.   外形標準課税の拡大

①     法人事業税の税率の改正及び地方法人特別税の税率の改正

 資本金の額又は出資金の額が1億円超の普通法人の法人事業税の標準税率及び地方法人特別税の税率は、それぞれ平成27年4月1日から平成28年3月31日までの間に開始する事業年度及び平成28年4月1日以後に開始する事業年度から、以下のとおりとなります。

 

 

 ②     資本割の課税標準の見直し等

 自己株式の取得や合併等を行った場合に、資本割の課税標準である資本金等の額が著しく低い金額又はマイナスの金額となることがあるため、資本金等の額が、資本金に資本準備金を加えた額を下回る場合、当該額(資本金に資本準備金を加えた額)が資本割の課税標準となります。(資本金に資本準備金を加えた額よりも資本金等の額が多い場合は、従前通り資本金等の額が資本割の課税標準となります。)

 また、法人住民税均等割の税率区分の基準とする資本金等についても、上記と同様の措置が講じられます。一方、改正大綱において、「法人住民税均等割の現行の税率区分の基準である資本金等の額に無償増減資等の金額を加減算する措置を講ずる」旨記載されておりますが、具体的な無償増減資に関する加減算の措置の内容が記載されておらず、事業税の資本割の増減資と同様の措置となるのか、今後の法改正等の公表に留意する必要があります。

  

③     付加価値割における所得拡大促進税制の導入

 平成27年4月1日から平成30年3月31日までの間に開始する事業年度に国内雇用者に対して給与等を支給する法人については、「所得拡大促進税制」の3つの要件を満たす場合(上記「5.所得拡大促進税制の見直し」を参照)、雇用者給与等支給増加額を付加価値割の課税標準から控除することが出来ます。また、改正大綱において、「雇用安定控除との調整等所要の措置を講ずる」旨記載されており、現時点で詳細は公表されておりませんが、どのような措置が講じられるのか、今後の法改正等の公表に留意する必要があります。

 

④     法人事業税の税率の改正に伴う負担変動の軽減措置

資本金1億円超の普通法人のうち平成27年4月1日から平成28年3月31日までの間に開始する事業年度及び平成28年4月1日から平成29年3月31日までの間に開始する事業年度に係る付加価値額が40億円未満の法人について、以下の金額を当該事業年度に係る事業税額から控除する措置が講じられます。

 今回の税制大綱において、多くの企業に影響が出ると想定される事項は以上になります。なお、今回解説させて頂いた事項は、上記に基づき私見で選定したもののみをピックアップしており、法人関連の税制改正を網羅しておりませんので、その点ご了承下さい。

 

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平成27年度税制改正大綱の解説~第2回 受取配当等の益金不算入制度の見直し等 

2015-08-05 15:25:02 | 日記

 平成27年税制改正大綱解説の第2回目です。今回は、受取配当等の益金不算入制度の見直し、研究開発税制の見直し、所得拡大促進税制の見直しについて解説を行っていきます。

 

1.   受取配当等の益金不算入制度の見直し

 益金不算入の対象となる株式等の区分及びその配当等の益金不算入割合等が次のとおりに改正されます。

 

  上記の改正に伴い、関連法人株式等に係る負債利子控除額の計算の簡便法の基準年度が、平成27年4月1日から平成29年3月31日までの間に開始する事業年度へ変更されます。

 また、公社債投資信託以外の証券投資信託の収益の分配の額の益金不算入額が、現行の収益の分配額の1/2(又は1/4)の金額の50%相当額から全額益金不算入へと改正されます(ただし、特定株式投資信託の収益の分配額については、上記の非支配目的株式等として、その収益の分配額の20%相当額が益金不算入となります)。

 

2.   研究開発税制の見直し

 試験研究を行った場合の税額控除制度(研究開発税制)について、次の見直しが行われます。

 

 なお、繰越税額控除限度超過額及び繰越中小企業者等税額控除限度超過額に係る税額控除制度は廃止されます。また、特別試験研究費の範囲について、次の見直しが行われる予定です。

・特別試験研究機関等のうち試験研究独立行政法人の範囲から国立研究開発法人以外の法人を除外する。

・特定中小企業者に対する委託研究の対象となる委託先の範囲に公益法人等、地方公共団体の機関、地方独立行政法人等を加える。

・特定中小企業者に対して支払う知的財産権の使用料を加える。

 

 

3.   所得拡大促進税制の見直し

 所得拡大促進税制については、青色申告書を提出する法人が平成25年4月1日から平成30年3月31日までの間に開始する事業年度において、国内雇用者に対して給与等を支給する場合において、以下の要件を満たした場合、雇用者給与等支給増加額の10%相当額の特別税額控除が出来る(ただし、中小企業者は法人税額の20%、それ以外の法人は法人税額の10%が上限)制度です。

(要件)

①    基準年度(平成25年4月1日以後に開始する各事業年度のうち最も古い事業年度)と比較して、対象事業年度に係る給与等支給額が対象事業年度に応じた割合以上増加していること。

②    給与等支給額が前事業年度を下回らないこと。

③    平均給与等支給額が前期の平均給与等支給額を上回ること。

 

 今回の税制大綱において、①の給与等支給額の対象事業年度に応じた増加割合の要件が、次の法人の区分ごとに以下のように見直されております。

 

 

第2回目は以上になります。次回は、外形標準課税について解説を行う予定です。

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平成27年度税制改正大網の解説~第1回 法人税率及び欠損金の繰越控除制度~

2015-03-10 11:49:58 | 日記

昨年の12月30日に、自公両党による「平成27年度税制改正大綱」(以下「改正大綱」という)が公表されました。今回の改正大綱において、従前より注目を集めていた法人実効税率の引き下げや外形標準課税の課税強化等、例年に増して多岐にわたる改正が行われる予定です。そこで、改正大綱より多くの企業に影響が出ると想定されるものについて、3回に渡って解説を行っていきたいと思います。なお、税制改正大綱は改正案の概要を示すものであり、改正の詳細は、改正法案の公表並びに法律及び政省令の公布を待たなければなりません。また、今後の国会審議等によりその内容に変更が生じる可能性がありますので、ご留意下さるようお願い致します。

まず第1回目として、法人税率の引き下げ及び欠損金の繰越控除制度等の見直しについて解説を行っていきたいと思います。

 1.   法人税率の引き下げ

 平成27年4月1日以後に開始する事業年度より、法人税率が以下のように引き下げられます。

 

 2.   欠損金の繰越控除制度等の見直し

①     繰越控除限度額

青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除制度、青色申告書を提出しなかった事業年度の災害による損失金の繰越控除制度及び連結欠損金の繰越控除制度における控除限度額について、以下のとおり引き下げられます。

 

 しかし、以下の法人については、繰越控除前の所得金額の全額が繰越控除限度額とされます。

・中小法人等(普通法人のうち、各事業年度終了の時において資本金の額若しくは出資金の額が1億円以下であるもの又は資本若しくは出資を有しないもので資本金の額等が5億円以上の法人等(大法人)の100%子法人及び100%グループ内の複数の大法人に発行済株式等の全部を保有されている法人以外の法人、公益法人等、協同組合等、人格のない社団等をいいます。)

・更正手続開始の決定があったこと、再生手続開始の決定があったこと等の事実が生じた法人で、その決定等の日から更生計画認可の決定、再生計画認可の決定等の日以後7年を経過する日までの期間内の日に属する各事業年度(ただし、金融商品取引所への再上場等があった場合におけるその再上場された日等以後に終了する事業年度は対象外)

・法人の設立(合併法人にあっては合併法人又は被合併法人のうちその設立が最も早いものの設立等)の日から同日以後7年を経過する日までの期間内の日の属する各事業年度(ただし、金融商品取引所に上場された場合等におけるその上場された日等以後に終了する事業年度は対象外、また、資本金の額が5億円以上の法人等(大法人)の100%子法人及び100%グループ内の複数の大法人に発行済株式等の全部を保有されている法人も対象外)

・特定目的会社、投資法人、特定目的信託に係る受託法人及び特定投資信託に係る受託法人で、支払配当等の損金算入制度の対象となるもの

 ②     繰越期間

平成29年4月1日以後に開始する事業年度において生じた欠損金額より、欠損金の繰越期間が現行の9年から10年に延長されます。これに伴い現行9年とされている帳簿書類の保存期間、法人の欠損金額に係る更正の期間制限及び更正の請求期間も10年に延長されます。

 第1回目は以上になります。次回は、受取配当等の益金不算入制度の見直し、研究開発税制の見直し、所得拡大促進税制の見直しについて解説を行う予定です。

 

 

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グループ法人税制について~第6回 受取配当金及び株式譲渡について~

2015-02-26 16:49:47 | 日記

グループ法人税制の説明は、今回で最終回となります。最終回の今回は、完全支配関係のある法人からの受取配当金益金不算入制度及び完全支配関係のあるグループ内の内国法人の株式を発行法人に譲渡する場合の取扱いについて説明させて頂こうと思います。

受取配当金益金不算入制度

受取配当金については、原則として負債利子を控除した後の50%が益金不算入となりますが、関係会社株式等に係る受取配当については、負債利子を控除した後の金額がそのまま益金不算入とされていました。しかし、平成22年度の税制改正により、配当の計算期間の開始の日から末日まで継続して完全支配関係があった法人からの配当金は、負債利子を控除せずに当該配当金の全額を益金不算入とすることとされました。なお、この規定は平成22年4月1日以後開始する事業年度から適用されますので、注意が必要です。

完全支配関係のあるグループ内の内国法人の株式を発行法人に譲渡する場合の取扱い

内国法人との間に完全支配関係がある他の内国法人の株式を、その株式発行法人である他の内国法人に以下に掲げる法人税法第24条第1項各号の事由により譲渡し金銭その他の資産の交付を受けた場合は、その譲渡対価の額を譲渡原価の額とみなして譲渡損益を認識しないこととされます。

・合併(適格合併を除く。)

・分割型分割(適格分割型分割を除く。)

・資本の払戻し(剰余金の配当(資本剰余金の額の減少に伴うものに限る。)のうち、分割型分割によるもの以外のものをいう。)又は解散による残余財産の分配

・自己の株式又は出資の取得(金融商品取引法第2条第16項(定義)に規定する金融商品取引所の開設する市場における購入による取得その他の政令で定める取得及び第61条の2第13項1号から3号まで(有価証券の譲渡益又は譲渡損の益金又は損金算入)に掲げる株式又は出資の同項に規定する場合に該当する場合における取得を除く。)

・出資の消却(取得した出資について行うものを除く。)、出資の払戻し、社員その他法人の出資者の退社又は脱退による持分の払戻しその他株式又は出資をその発行した法人が取得することなく消滅させること。

・組織変更(当該組織変更に際して当該組織変更をした法人の株式又は出資以外の資産を交付したものに限る。)

なお、本規定は、上記に記載されている法人税法24条1項各号に掲げる事由により金銭等の交付を受けた場合に適用されますので、資本剰余金の配当や会社清算に際して残余財産の分配を受けるような場合にも適用されます。そのため、債務超過の子会社を解散し清算した場合であっても、それによる子会社株式の清算損は計上できないことになります。しかし、その見返りとして、清算子会社に青色欠損金があるときはその青色欠損金が完全支配関係がある株主である親会社に引き継がれることになりました(法人税法第57条第2項)。

適用は平成22101日以降

上記完全支配関係のあるグループ内の内国法人の株式を発行法人に譲渡する場合の取扱いについては、平成22年10月1日以後の発行法人への譲渡について適用されることになります。しかし、残余財産の分配(残余財産の分配を受けないことが確定した場合も含みます。)を事由とする発行法人への譲渡については、平成22年9月30日までに解散したものは従前のとおり清算損の計上が認められます。

合計6回に分けて、平成22年度税制改正により創設されたグループ法人税制について説明させて頂きました。上記改正については、説明させて頂いた通り多岐に渡っており、また、制度によっては適用時期が異なることに関しても注意が必要となります。そのため、まずは、第1回目で説明させて頂いたとおり、どの会社が完全支配関係に当たるのかを整理した上で、それぞれどの制度が適用される可能性があるのか、今のうちに整理しておくことが望ましいものと思われます。

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グループ法人税制について~第5回 中小特例制限について~

2015-02-21 15:00:32 | 日記

グループ法人税制の説明も今回で5回目となりました。今回は、グループ法人税制の中小特例制限について説明させて頂こうと思います。

 どの特例が不適用となるか

資本金の額又は出資金の額が1億円以下の中小法人については中小企業の支援の一環として、法人税法上、様々な優遇制度が設けられております。しかし、平成22年度の税制改正において、資本金が5億円以上の大法人に完全支配されている子会社等は、その子会社等の資本金の額又は出資金の額が1億円以下であっても次の規定の適用がないこととされました。

 ①    中小企業の軽減税率

内国法人である普通法人等については、各事業年度の所得の金額に30%の税率を乗じることにより法人税の額が計算されますが(法人税法第66条1項)、資本金の額又は出資金の額が1億円以下の普通法人等については、各事業年度の所得の金額のうち年800万円以下の金額については18%の税率となっております(法人税法第66条第2項、租税特別措置法第42条の3の2第1項)。しかし、資本金が5億円以上の大法人に完全支配されている子会社等は、資本金の額又は出資金の額が1億円以下であっても同制度の適用はなく(法人税法第66条第6項2号イ)、税率は一律30%となります。

②    特定同族会社の留保金課税の不適用

特定同族会社が、各事業年度の所得を留保した場合において、その留保金額が一定の金額を超えるときは、通常の法人税のほかに、その超える金額に応じた特別税率による法人税が課されますが(法人税法第67条)、資本金の額又は出資金の額が1億円以下である法人は同制度の対象外となっておりました(法人税法第67条第1項)。しかし、資本金が5億円以上の大法人に完全支配されている子会社等は、資本金の額又は出資金の額が1億円以下であっても同制度が適用されることになります(法人税法第67条第1項、法人税法第66条第6項2号)。

③    貸倒引当金の法定繰入率

法人税法上、貸倒引当金の繰入限度額の計算は、期末の一括評価金銭債権の帳簿価額に過去3年間の貸倒損失発生額に基づく実績繰入率を乗じて行うことになっていますが(法人税法第52条第2項、法人税法施行令第96条第2項)、期末資本金が1億円以下の法人等については、上記方法に代えて、期末一括評価金銭債権の帳簿価額から実質的に債権とみられない金額を控除した金額に法定繰入率を乗じて計算する方法の適用が認められておりました(租税特別措置法第57条の10第1項)。しかし、資本金が5億円以上の大法人に完全支配されている子会社等は、資本金の額又は出資金の額が1億円以下であっても同制度の適用はなく、期末の一括評価金銭債権の帳簿価額に実績繰入率を乗じることにより、貸倒引当金の繰入限度額の計算を行うことになります。

④    交際費の損金不算入制度における定額控除制度

交際費等の額は、原則として、その全額が損金不算入とされていますが、期末の資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人については、一定額を控除することとされており、支出交際費等の金額のうち定額控除限度額(600万円×事業年度の月数÷12)を超える金額と定額控除限度額に達するまでの金額の10%相当額が損金不算入額とすることとされています(租税措置法第61条の4)。しかし、資本金が5億円以上の大法人に完全支配されている子会社等は、資本金の額又は出資金の額が1億円以下であっても同制度の適用はなく、交際費等の額は、その全額が損金不算入とされます。

⑤    欠損金の繰戻しによる還付制度

欠損金の繰戻しによる還付制度とは、青色申告書である確定申告書を提出する法人が、各事業年度において欠損が生じた場合において、その欠損金をその欠損が生じた事業年度(欠損事業年度)開始の日前1年以内に開始した事業年度の所得に繰り戻し、その事業年度の所得に対する法人税額の全部又は一部を還付請求することができる制度です(法人税法第80条第1項)。この欠損金の繰戻し還付請求制度は、解散等の事実が生じている場合を除き、平成4年4月1日から平成24年3月31日までの間は、原則として、その制度の適用が停止されていますが(租税特別措置法第66条の13)、欠損事業年度終了の時のおける資本金の額又は出資金の額が1億円以下の普通法人等については、平成21年度の税制改正により不適用措置の対象から除かれたため、この制度が適用できることとされています。しかし、資本金が5億円以上の大法人に完全支配されている子会社等は、資本金の額又は出資金の額が1億円以下であっても不適用措置の対象から除かれないため、欠損金の繰戻しによる還付制度を利用することが出来ないことになります。

 適用時期に注意

今まで説明してきましたグループ法人税制については、その適用開始時期が平成22年10月1日以降のものでした。しかし、このグループ法人税制の中小特例制限については、平成22年4月1日以後開始事業年度から適用されることになります。そのため、3月決算の会社は、現在の進行期においてすでに適用が開始されていることになるため、注意が必要です。

 今回はグループ法人税制の中小特例制限について説明させて頂きました。次回は、グループ法人税制の最終回として、完全支配関係のある法人からの受取配当金益金不算入制度及び完全支配関係のあるグループ内の内国法人の株式を発行法人に譲渡する場合の取扱いについて説明させて頂こうと思います。

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