麻箒(あさほうき)ここの雑記帖

読書と落書きなど徒然なるままに

【2016_36】『はてしない物語』の効能

2016-10-29 16:07:05 | つぶやきではない、普通の記事
※文庫版ではなく、単行本の話です。


まず、遠くから見ただけで、装丁だけでその本だとわかる。

ページを開けば間違いない。

文字の色で「どっちの話」かわかる。


電車の中、遠い席、『はてしない物語』を開いている女の子がいる。

ずっと読んでいる。

頭を上げずにずっと。

あの子は、今きっと、本の中にいる。
何て羨ましい。

普段の私なら、本をずっと読んでいる子供さんを見かけたら、きっと心配する。

「ずっと下を向いているけど、酔わないかな」
「乗り過ごしたりしないかな、大丈夫かな」

けれど、その赤い表紙の本を持っている人は、誰でも、羨ましい。

その赤い本の世界にいっていることが羨ましい。

『はてしない物語』は、いつでも私をただの、醜くて、ある意味健気な、本の虫にしてしまう。


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