※文庫版ではなく、単行本の話です。
まず、遠くから見ただけで、装丁だけでその本だとわかる。
ページを開けば間違いない。
文字の色で「どっちの話」かわかる。
電車の中、遠い席、『はてしない物語』を開いている女の子がいる。
ずっと読んでいる。
頭を上げずにずっと。
あの子は、今きっと、本の中にいる。
何て羨ましい。
普段の私なら、本をずっと読んでいる子供さんを見かけたら、きっと心配する。
「ずっと下を向いているけど、酔わないかな」
「乗り過ごしたりしないかな、大丈夫かな」
けれど、その赤い表紙の本を持っている人は、誰でも、羨ましい。
その赤い本の世界にいっていることが羨ましい。
『はてしない物語』は、いつでも私をただの、醜くて、ある意味健気な、本の虫にしてしまう。
まず、遠くから見ただけで、装丁だけでその本だとわかる。
ページを開けば間違いない。
文字の色で「どっちの話」かわかる。
電車の中、遠い席、『はてしない物語』を開いている女の子がいる。
ずっと読んでいる。
頭を上げずにずっと。
あの子は、今きっと、本の中にいる。
何て羨ましい。
普段の私なら、本をずっと読んでいる子供さんを見かけたら、きっと心配する。
「ずっと下を向いているけど、酔わないかな」
「乗り過ごしたりしないかな、大丈夫かな」
けれど、その赤い表紙の本を持っている人は、誰でも、羨ましい。
その赤い本の世界にいっていることが羨ましい。
『はてしない物語』は、いつでも私をただの、醜くて、ある意味健気な、本の虫にしてしまう。