TRATTORIA MAGARI

大田区洗足池のイタリアン・トラットリアマガーリのブログ。「マダムのひとりごと」

ツバキ文具店~小川糸著~

2017年05月17日 | マダムのひとりごと
山の上に立つ鎌倉の小さな文具店、文具を売るのみならず代書を引き受けている。
この小説の魅力は主人公の鳩子通称、ぽっぽちゃんとその彼女を取り巻く、優しく個性的なご近所さんたち。そして古い文具店が持つ独特の雰囲気と小説から漂う香。
そして鎌倉の名所や食いどころの紹介。季節ごとの鎌倉が読みながら頭に浮かび楽しめる。

そして人々を幸せにする代書について。

依頼人のみならず、手紙をもらった人をも幸せにしようというぽっぽちゃんの思いが詰まってます。

内容、文字(フォント)、紙、筆、インク。伝統や常識を踏まえるものもあれば、手紙の内容からそれらを選ぶ。文具屋さんならではの知識が楽しい。

例えば、、、。

①ご近所さんの一人、着流しの男爵とあだ名がつく方に頼まれた代書はお金をかしてくれと頼まれたがそれを断りたいというもの、しかし相手に逆恨みされては困る。

ぽっぽちゃんがその時選んだのは太めの万年質、モンブランにインクは強さを表す黒。男爵の決意がにじみ出ます。満寿屋さんの原稿用を選びました。

②汚文字のCAさんから頼まれた義理のお母さま宛ての手紙。CAさんはヨーロッパの古紙から作られた素敵なカードを持参しました。

ぽっぽちゃんは古紙にインクが滲んだらお終いと大正3年伊東屋さんが発表したボールペンロメオのナンバー3を選びました。古紙には古く歴史あるボールペン。

③好きなんだけど、これ以上お付き合いしていると双方にとってよくないからと依頼された絶縁状。

ぽっぽちゃんは鏡文字で手紙を書きました。裏かえしの相反する気持ちの表れですね。

④一生会うことはないけれど、絶対幸せになってほしいと願う元彼女には

彼の透き通るような純粋な心にふさわしいガラスペン、インクは当時の思い出をよみがえらせるセピア色。肌さわりの良いベルギー製のペーパーに。

とま、ぽっぽちゃんの選ぶフォント(文字)、道具、それを想像するだけでかなり楽しい小説でした。

勿論四季折々の鎌倉の風景やグルメ情報も必見ですよ。

ちなみに鎌倉グルメで私も一押しなのが北鎌倉松花堂さんのあがり羊羹。水ようかんと羊羹のちょうど間の食感。6月位になると毎年買いに鎌倉へ。
品川から35分で北鎌倉へ。
線路を超えてすぐに松花堂さんはあります。帰宅してあがり羊羹にナイフを入れてお皿に盛り紫陽花をテーブルに飾ったら昇天気分ですよ。



昨日の賄い:和風ポトフ、農家さんの里芋、大根、鶏の手羽元を入れて1時間ほど弱火でコトコト。最後に塩と胡椒で調味。柚子胡椒、辛子などお好みの
薬味で食べました。スープはお味噌汁の代わり。







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