TRASHBOX

日々の思い、記憶のゴミ箱に行く前に。

『マンチェスター・バイ・ザ・シー』

2017年08月13日 | 映画とか
ようやく見た『マンチェスター・バイ・ザ・シー』。評価が高くて期待していたのだけれど、正直なところ、そこまで心を動かされることはなかった。もしかしたら、自分の感受性不全なのか?過去の悲しみの厳しさはひしひし感じるし、警察での事情聴取の直後、主人公のリーが発作的に自殺を試みたシーンはぐさりときた。なのだけど、物語と並走はできても同じ車線を走れない感覚が残った。

ただこの映画、余韻が長いというか、見終わった直後よりも、その後にあれこれ考えてしまう。今朝も目を覚まして、あれこれシーンを反芻した。物語の層が深いというか、リーや人々の心を壊した悲劇に重なって、それぞれの登場人物たちが抱えている問題や、東部の――さほど裕福ではない――小さな町での人生とか、そんなことを考えさせてくれる。

理由のひとつは、過去と現在を行き来する編集の巧みさかもしれない。説明的になったり、単に映画的(?)な効果を狙ったりするものではなく、想像力のペースにすっと入ってくるというか。

とてもアメリカ的な舞台と主題でありながら、他のどこでも起こり得る心のあり様。なんていうか、一見普通の風景画のようで、見ていくうちにいろいろ物語が立ち上がってくる絵画が持つ厚みのようなものを感じる。同じくケイシー・アフレック主演(監督は兄のベン)の"Gone Baby Gone"も見たいなぁ。
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