Trips with my RV.

RVでの小旅行。

下手な考え、休むに似たり・・・?

2012-03-09 21:12:31 | Innocent joke
先の記事で、「『内なる存在』から送られてくる適切なナビゲーションとしての『感情』に注意を払うべき」と云う引き寄せの法則一派の考えを紹介した。私が行ったビジネス・セミナーでは、正しいツールを使い正しい情報を正しく判断すれば誰が考えても概ね正解に近い答えとなる、と習った。(ま、そうしておかないと、ビジネス・セミナーの存在意義が無くなるケドね)

私自身は、過去記事にも書いた通りに「受動意識仮説」を信じている人なので、表層意識と云う「司令塔」が論理的に考えた結果・・・と云うプロセス自体を疑っている。

過去記事「(その2)人の記憶はアテにならないとして・・・ 2011-10-28 23:07:00 | Innocent joke 」にも書いたが、例えば・・・手を伸ばして机の上に載っているペットボトルを取り、キャップを開け、一口飲んで、キャップをして、机の上に戻すと云う一連の作業に於いても、「司令塔」と感じている「私自身」がお茶を飲もうと決めて、一連の動作の指示を出した・・・とは思っていない。そもそも、表層意識側では、自分自身の体の各部を個別に認識する事も個別に動かす事も出来ないのだが、御者が手綱と鞭と脚と視線と声で馬を操る様に「私自身」が「司令塔」になっていると錯覚してしまう。「受動意識仮説」では、実は「司令塔」としての決定は「私自身」として存在を感じられる「表層意識」側には無く「潜在意識」の方にこそ人の情動や判断の中枢があり、さも「表層意識」が決定したかの様に感じさせられている・・・と云う話だ。

机上のお茶を飲むと云った無意識でも行えそうな作業と異なる・・・例えば、資料を詳細に分析し結論を出すと云った人の人ならではの高等な知的作業の場合には、潜在意識ではなく表層意識が大きく関与していると思いがちだ。体を意図的に連携させて動かすと云った事は苦手でも、脳内の情報を統合し詳細に分析するとか、その分析に従って推論を行い結論を出すと云った事は表層意識の仕事だと誰もが思っている。

だが、コロンビア大学経営大学院のミシェル・ファム教授が行った研究では、表層意識をフル活用して論理的に判断して得た結論と、感情に任せて得た結論では、ハッキリと感情に任せて出した結論の方が正解率が高いと報告した。これを「感情によるお告げ効果(emotional oracle effect)」と名付けている。

ドラマやアニメと云ったフィクションの世界では、論理的に思考する人と感情的な人を比べて、論理的な人は多くの場合で正解率が高いとし、それだけでは私の様な論理的では無い人が拗ねない様に、論理的に正解が得られない難問では感情的行動を採る同僚に救われると云う図式になっている。平時に頼りになるのは論理的な人、非常時に頼りになるのは感情的な人・・・かな?

だが、コロンビア大学経営大学院のミシェル・ファム教授の研究に依ると、感情派の方が理論派に比べて予測の当たる確率が25%高いのだそうだ。多くの場合・・・本来の「私自身」の本体が存在する筈の潜在意識から、表層意識に対して、明確な言葉やイメージが伝達される事は無い。ファム教授は、感情こそがデータの要約、つまりわれわれが意識の上ではアクセスできないすべての情報処理を手早くまとめたようなモノ、感情は無意識の領域を覗き込むための「専用窓」のようなものだと表現している。

この「感情的な判断」と「直感的な判断」は似て非なるモノだ。「感情的な判断」とは、論理的に判断する場合に必要となるだろう正確な情報を漏れなく潜在意識に認識させた上で「ゴーストの囁き」として得られる結論の事だ。論理的な判断の場合と違うのが、表層意識での思考をしないと云う事だ。ファム教授は「受動意識仮説」論者では無いので、表層意識こそが「自分自身」の「司令塔」と考えて居られる様だ。だが、複雑且つ沢山の前提情報を漏れなく処理する能力は表層意識より潜在意識の方が優れている様だと結論している。我々が意識の上ではアクセス出来ない総ての情報処理を手早く要約したモノを、表層意識より遙かに賢い潜在意識から感情という形で取り出して判断に役立てるべきだと発表しているのだ。

これは、先の記事で恐る恐る触れてみた『ザ・シークレット』に於ける「引き寄せの法則」での「『内なる存在』から送られて
くる適切なナビゲーションとしての『感情』に注意を払う事」に他ならないのだ。私自身は、自己啓発モノに纏わる眉唾的なイメージ
を拭い切れずにいたが・・・『ザ・シークレット』陣営には凡そ無関係のミシェル・ファム教授からの発表で「『内なる存在』から送られてくる適切なナビゲーションとしての『感情』に注意を払う事」が正しい判断の近道である事は、どうやら事実らしい。

但し忘れてはならない事だが、判断に不可欠な重要な情報が不足していてもヒトの潜在意識は判断を下す事が出来てしまう。それは情報の不足したままで得られる「直感的な判断」であり、「直感的な判断」の事を別の言い方では「当てずっぽう」とか「憶測」とか「当て推量」と呼び不確実な正解率の低い回答の代名詞だ。「感情的な判断」は正解確率が有意に高いが、「当てずっぽう」では偶然以外を味方にする事は出来ないだろう。

この事を、更に私の愛用している「受動意識仮説」に加えて考えると・・・(私は)更に得心する事が出来たのだ。

様々な研究から、ヒトの「潜在意識」は大量の情報を同時に並列処理する能力を持ち、膨大なデータセットでも滞りなく分析出来る事が明らかになってきている。ヒトの潜在意識は、ヒトの表層意識よりも遙かに優秀で知能が高いのだ。ヒトの表層意識は・・・プアな情報処理しか出来ない。

ヒトの表層意識は、それ専用のキャッシュメモリーを持っている。そのヒトの表層意識用のキャッシュメモリーの事をワーキングメモリーと呼ぶ。

このワーキングメモリーの容量は、我ながら信じられない程に容量が小さい。例えば、メモが無いまま電話で話している相手から誰かの電話番号を聞いて覚える・・・と云うケースの事を想像して欲しい。Aさんの電話番号は0X6-2X6-92XXです。と聞いた場合、大抵の人が電話を切ってメモのある所に辿り着いてメモをする迄は覚えて居られると思う。しかし、Aさんの電話番号と同時にBさんの電話番号を聞いた時は、どうだろう?覚えいるツモリで居ても、忘れている方が多いのでは無いだろうか?(勿論、記憶法の訓練を受けていれば別だが、普通に生きていれば、電話番号を2組別々に正確に覚える事すら覚束ないのだ)研究では、コンピュータに於ける何ビットで容量を計る事は出来ないが、無意味な数字の羅列の場合なら9桁程しか覚えられない。(但し、無意味な文字の羅列なら7~8個、意味のある単語なら5~6個、声に出して凡そ10秒で唱えられる位の容量しか無い)ワーキングメモリーは訓練すれば、容易く容量を大きくする事は可能で、このワーキングメモリーの容量が知能指数に大きく関与していると云われている。(普通なら30歳をピークとして老化と共に容量は減少していく)何れにしろ、正確な判断に必要な膨大なデータセットを一瞬でも記憶しておく事が出来ないプアな容量しか無い。

そして、表層意識の処理能力だが・・・、表層意識だけの処理能力を計測する事は不可能だ。与えられた課題は、漏れなく潜在意識と連携して処理されてしまうからだ。昔々、脳の働きが良く判っていなかった頃に「人の脳は10%程しか使われていない」と云われ通説化しているのだが・・・そんな事は無い。ヒトの脳には1000億のニューロンが在るが、1つ1つが8Bit/200Hz 程度の処理能力だと云われていて、クロック速度はコンピューターのCPUと比べると非常に遅いが、1000億のニューロンが100兆のシナプスで結ばれていて多重並列処理するので全体では100テラフロップスを越え、スーパーコンピューター並の処理能力がある。(尚、スパコンは100万Wのエネルギーを必要とするが、ヒトの脳は僅か25W)表層意識に、この1/10の処理能力が在れば結構凄いのだろうが、恐らく・・・僅かしかないワーキングメモリーの容量から考えると1/100以下だと思う。こんなプアな中枢がヒトの魂のコアである筈が無いので、やはり表層意識はエピソード記憶を実装する為に発生したのに過ぎないと思っている。やはり、ヒトの魂の本体は、潜在意識側に在るのだと思う。

この潜在意識側の能力を最大限発揮させる為に、必要な正確な情報を伝え、表層意識の下手な考えで邪魔をせずに、「『内なる存在』から送られてくる適切なナビゲーションとしての『感情』に注意を払い」判断する方が・・・25%正しいそうだ。

当に「下手な考え休むに似たり」

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