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日本酒のこと / 鈴鹿山脈の山歩きのこと

不正行為-酒類製造業の許可

2017年07月10日 | 日本酒 - 不正行為
2017年5月12日付け、毎日新聞Web版によれば、大阪高島屋が開催中の日本酒祭において、喜久盛酒造株式会社(岩手県北上市)の商品を販売中止にしたとのこと。「酒類製造業の許可を受けていない工場で商品を製造していたこと」が外部からのメールで判明したと報道している。

国税庁の資料によると、「酒類等製造免許の新規取得者名等一覧(平成26年分)」に花巻市で酒類の製造免許を取得していることが記載されている。まさか日本酒の密造でもしたのかと思ったが、この工場での食品衛生法による許可を取得しなかったらしい。税務署はこわいが、保健所は気にならなかったのか。消費者庁にリコール情報が出ているし、酒販店のサイトにもお知らせを見かける。

喜久盛酒造でGoogle検索すると、好ましくない話が幾つか出てくる。
酒造業界は、桶買いとか、アルコールの健康問題とか、何かと問題含みの業界だと改めて思う。

不正行為-「うまい日本酒の選び方」 エイ出版社によるパクリ本事件

2015年12月30日 | 日本酒 - 不正行為
直接に日本酒に係わる不正行為では無いが、非道い案件だったのでメモを残す。
エイ出版社が、自社で出版した「うまい日本酒の選び方」の内容をパクってムック本を仕立て、著者に無断で販売した件だ。著作権も倫理観もない振る舞いだが、著者のブログ(2015年12月9日付け、美酒らん・葉石かおりオフィシャルブログ)によれば謝罪広告で決着した模様。

Google検索("エイ出版社" "うまい日本酒の選び方")

10月26日発売の『日本酒入門』に関する件 株式会社エイ出版社 2015年10月28日
https://www.ei-publishing.co.jp/company/news/newsrelease/archives/2015/102802/

エイ出版社の出版物を調べていると、PEAKS、とかランドネが出て来た。登山系の雑誌なので承知している。PEAKSは物珍しさで購入したことがある。
開運商法を宣伝したと言われても仕方なかろうアイア出版(福富寺、開運商法に利用された宗教法人)と共にブラックリスト入りだね。

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エイ出版社については、こんなツイートも出て来た。  
「奈良市で問題になっている、ならまちセンター1階に奈良市長主導で新設されたレストランを、... 地元企業に再委託(丸投げ)...」 松永洋介/ならまち通信社 2015年10月27日
https://twitter.com/narapress/status/658933414234628097
委託事業の丸投げは、常識的に契約で禁止されるはず。奈良市議会議録から「くわしく探す」で「エイ出版」を検索すると何件か出てくるが、9月時点ではまだ煮詰まっていない。
例えば、
平成27年9月定例会-09月08日-03号
平成27年9月定例会-09月30日-05号
道端孝治議員は、「今後も厳しく追及していくことを表明いたします」としているので、エイ出版社の件は見守りましょう。

何故、エイ出版社に拘るかと言えば、三重県いなべ市のサイトにある次のページの件だ。
三重県いなべ市山歩きの楽しみ方講座
http://www.city.inabe.mie.jp/pages/4218_0.html
2014年11月1日~2日の「ランドネ山大学」なのだが、「関西方面や東海方面から8名の方々にお越しいただき」と書かれている。写真を見る限り、80名の誤記ではないようだ。鈴鹿山脈の「竜ヶ岳」に登る計画だったが、天候の都合か、「砂山」のハイキングコースに変更されてもいる。何をやっているのだろう?




不正行為 - 純米酒への醸造アルコール添加と同位体分析

2015年10月17日 | 日本酒 - 不正行為
2013年、純米酒への醸造アルコールの添加が浪花酒造富久娘酒造などで露見し報道された。日本酒へのアルコール添加は本醸造酒や普通酒などで認められているが、純米酒にアル添したら犯罪だろう。国税庁による行政処分など公式発表の形跡が見当たらないのは残念なことだ。

一方、同時期に農林水産省は石山味噌醤油に対して、「指示」を出している。
石山味噌醤油株式会社における食酢等の不適正表示に対する措置について(平成25年3月15日)
「純玄米黒酢」の原料に、トウモロコシ又はサトウキビを使用したというもの。こちらは普通に行政処分を実施し、適正表示、原因究明、再発防止など求めている。

炭素の同位体分析で、このような不正行為を確認できるようだが、最近ネット上にその情報が増えてきた。原理は、C3植物であるイネと、C4植物であるトモロコシ、サトウキビでは含有する炭素同位体の量に差があるというもの。
当時、月桂冠のサイトに解説があったが見当たらないので、代わりに幾つか貼り付けておく。
1 醸造用アルコールについて>
2 酒類(清酒、ワインと等)への醸造用アルコール添加判別検査
3 GC/IRMSによる酒や燃料中エタノールの炭素安定同位体比測定による原料植物の分類
4 エタノール・農産物等の同位体組成に関する調査研究
5 同位体分別について
6 安定同位体比分析を用いたアルコールの起源推定
3には、生っぽいデータがあり面白い。

その後、日本酒について同種の不正行為を承知していない。無くなったのか、それとも隠蔽されているのか。国税局の鑑定官室には液体クロマトグラフくらいは置かれているだろうが、安定同位体比質量分析計はどうだろうか。

不正行為 - 純米酒へ醸造アルコール添加

2015年08月30日 | 日本酒 - 不正行為
純米酒に醸造アルコールを添加した不正行為について、浪花酒造(不正行為 - 浪花酒造)以降の事件を調べてみた。
すると、2013年12月10日付け日本経済新聞・Web版の「日本酒でも偽装 醸造アルコールとは何か」に、同年11月に不正を明らかにした神戸市灘区の富久娘酒造と伴に「2月には大阪府阪南市の浪花酒造、10月には徳島県上板町の日新酒類、11月には山梨県山梨市の養老酒造」とあるのを見つけた。

灘五郷の蔵元、富久娘酒造の事件は報道で承知していたが、他の2社の行為は知らなかった。まったく問題が多い業界だ。

日新酒類株式会社
http://www.nissin-shurui.co.jp/
お詫びとお知らせ
http://www.nissin-shurui.co.jp/owabi.pdf

養老酒造株式会社&酒蔵櫂
http://fruits.jp/~omoshiro-sakaya/
お詫びが遅くなり、申し訳ありません。
https://www.facebook.com/permalink.php?id=442969132392208&story_fbid=663323490356770

富久娘酒造株式会社
https://www.oenon.jp/company/group/fukumusume.html
富久娘酒造が製造する清酒の一部商品の自主回収に関するお詫びとお知らせ
http://www.oenon.jp/news/2013/20131111_1342.html
富久娘酒造「日本酒【代金返還】」(国民消費センター)
http://www.kokusen.go.jp/recall/data/s-20131112_2.html

ルールの範囲内で日本酒に醸造アルコールを混ぜることは問題ない。混ぜたにも拘わらず純米酒を詐称したことが問題であるし、国税庁がこれらの不正に対して行政処分をした痕跡を見つけられないことも残念なことだ。日本酒の業界は問題が多すぎて処分できないということか。

【追記】
養老酒造は不正内容を自己申告していないので調べたところ、酒販店 KURANDO に情報があった。
http://kurand.jp/user_data/past_kuramoto10.php
養老酒造によりますと、醸造アルコールを加えていたにもかかわらず『純米酒』と表示していたほか、加熱処理した酒を『生酒』と表示する等していたということです。こうした表示をして販売していたのは今年8月までの半年間に販売した15の商品のうち180mlから1.8L入りの合わせて300本程で、養老酒造側は注文に見合うだけの在庫が足りなかった為と説明しています。
この内容を見る限りでは、錯誤(ミス)ではなく、意図的にやった不正行為と見える。なお、同社は山梨県の蔵元であり、岐阜県の「養老」とは無関係。

不正行為 - 浪花酒造

2015年06月27日 | 日本酒 - 不正行為
日本酒の品質表示のいい加減さで酒造業界に対する疑問を再認識したところで、数年前の浪花酒造有限会社(大阪府)の不正行為を思い出した。

同社サイトには「創業300年の酒蔵 浪花正宗は『生まれ変わります』」、「正直を身上に」とあり、「醸造用アルコールを含んだ普通酒をブレンドして味を調節したのに、純米酒のラベルで製品を販売したなど表示違反を犯したのです。・・・表示違反によってお得意先の八割方を失って・・・」と書かれている。
果たして、これは「表示違反」で表現できる行為だったのか?

同社は、2013年2月26日、新聞の広告欄で無償交換を告知しており、その内容を掲載した国民消費センターのページが Wayback Machine に残されている。
そこには、「弊社が販売しております商品の一部について、特定名称酒表示、原材料表示とは違う清酒が混和されたことによるラベル表示の誤りが判明しました。」と書かれている。
ここでは「表示の誤り」となっている。

ところが、2013年2月26日付、日本経済新聞のWeb版には、「純米酒に醸造アルコールなどを混ぜたり、安価な酒に高級酒のラベルを貼ったりしていた」とあり、報道からは意図的な不正行為と受け取れる。

浪花酒造と報道、どちらが実態なのだろうか。
国税庁のサイトを調べたが、浪花酒造の不正行為については情報を見つけられなかった。すなわち、行政が浪花酒造の行為をどのように判断し、処分したのか不明だ。

ところが、本件について国会質疑があることに気付いた。
同年6月の第183回国会 参議院消費者問題に関する特別委員会会議録八号の21ページに「意図的な偽装表示があった・・・国税庁が摘発をした・・・偽装が確信的に行われていた」との質問があり、回答側は特にコメントしていない。事前に質問通告があるので、事実関係に誤りがあれば反論があるはずだ。
これでは、浪花酒造が意図的な偽装表示をしたことを国会が認定したことになる。

不正行為にどの様な事情があったのか承知していないが、それを「表示違反」で総括するようでは、私の不信感は消えようもない。

また、酒造業界はどの様に対応したのだろうか。この後も、同業他社で不正に醸造アルコールを添加する行為が発覚している。
酒造業界に対する疑問は果てがない。

なお、上記の特別委員会の質疑は、食品表示法案において、表示の指示を行ったときは公表するとの内容。したがって、浪花酒造のように行政処分の内容が不公表という事態は回避できるるはず。
そのように運用されることを期待したい。