競技復帰へのリコンディショニング期の運動量

2013年04月03日 | コンディショニングの話

腸脛靭帯炎にしろジャンパー膝にしろ、

肩峰下インピンジメント症候群にしろ腰痛にしろ、

なんにしろ、

競技復帰を目指したリコンディショニング(リハビリ)での運動量は、

追いこみ過ぎないことが重要です。

具体的には、

患部に自覚的な張りや重苦しさといった「違和感」が出始めたらインターバルをはさむことです。

で、出来れば関節機能を修正するエクササイズを行って、

その直後に「違和感」が消失していれば再度運動を開始します。

エクササイズやインターバルでも「違和感」が解消できない時には

その日のトレーニングは終了です。

通常のトレーニングでは心理的な限界を超えるために、

「無理!」っと思ってから「もう一か~い!」といった追いこみ方も良いのですが、

回復期にこれはNG。

 

なぜにNGなのか!?

その話のための前提として以下をお読みください。

 

<関節が壊れる仕組み>

関節の故障の背景には必ず関節の「不安定性」が有ります。

ようは関節が普通よりも建てつけが悪くグラついているとお考えください。

 

その不安定性は周囲の筋肉や靭帯などの「関節の支え:支持組織」の

バランスの崩れによって生じています。

 

こうした不安定な関節は、運動によって周囲の支持組織が傷ついてゆきます。

そうして傷が深まり大きな炎症に発展したところで故障に気が付くわけです。

 

言い換えると、グラついた関節を支えるために限界を超えて頑張ったところが

まさに故障個所だとも言えるのです。

 

==以上を踏まえて==

  

患部は怪我を負ったことでも、長期(もしくは中期)にわたり休めていたことでも

その強度が故障前に比べてグッと落ちています。

ですので、痛みが消えても、以前のような運動には量的にも強度的にも耐えられなくなっているのです。

そうした状況で競技復帰に向けた訓練をするということをチームスポーツに例えてみます。

 

男子サッカー日本代表チームに引退して久しい「元プロ」を現役として投入したとしましょう。

「元プロ」さんはスキルも高いので短時間であればプレーすることはできるでしょう。

でも、現役の選手と同じパフォーマンスをフルタイムで発揮するのは難しいでしょ!?

そして、フラフラになりつつもなんとか根性で1試合をこなしたとします。

どうなりますかね!?

からだはガタガタになるでしょう。

強い筋肉痛はもとより、下手すれば故障を負ってしまうかもしれません。

当然、続くわけもありません。 

 

これを「一人のカラダ」に当てはめてみるとこういうことになります。

 

競技復帰に向けたリコンディショニング期では運動中、

患部以外(現役選手たちです)はまだまだ元気なのに対し、

患部(「元プロ」さん)は機会的刺激に対する耐久性が弱まっているために

健常な組織より早く疲労を迎えます。

これは「違和感(もしくは痛み)」といった自覚的症状として認識されます。

違和感が感じられた時、患部は疲労によって関節のグラつきを抑えきる能力が

保てなくなっている訳です。

そのまま追い込めば、再び怪我を背負い込んでしまうのは自明の理です。

 

だから

「無理!」っと思ってから「もう一か~い!」といった追いこみ方は出来ないんです。

 

ではどうするのか?

 

「患部に合わせた運動強度・量」にする、これにつきます。

 

つまり、違和感が出たら「休憩」を入れるということです。

そして「セルフケアエクササイズ」による症状の回復の有無を確認し、

回復したなら運動を再開し、回復できないなら患部がオールアウトした物と考えましょう。

こうして患部の自覚的運動強度を基準に、患部を徐々に「元の強度」に鍛えてゆく作業を積み重ねるわけです。

これが出来るか(待てるか)否かで故障からの競技復帰の成否が分かれるといっても過言ではありません。

『早く戻りたい』という気持ちも痛いほどわかるのですが、焦りは禁物。

焦って練習内容を戻せば再発の憂き目にあう可能性は大きいでしょう。

 

経験上、怪我からの復帰には「自分との対話」というか「患部との対話」が何よりも大切だと思います。

患部の声をよく聞くことです。

私にできることは、「魔法のように早く復帰させる」ことではなく、

よりよい状態で戻れるために、怪我という経験を有意義な経験に替えるということです。

 

怪我をした時にはより上手に自分のカラダを乗りこなすトレーニングを積めばいい。

そうした積み重ねが今までの「天井」を超える切っ掛けになった例はそう珍しくはありません。

怪我という経験を肥やしにして、更なる高みに登りましょう。

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