ヘルニア(L4-5)内視鏡手術の後療

2009年06月12日 | Weblog
お母さんに連れられてやってきた高校生の男の子

「ヘルニアだったんです」

とお母さん。

『だった!?』

といぶかしむ私。


この青年、長い間腰の痛みをだましだまし部活動をしてたそうですが、

今年に入って悪化の一途をたどり、とうとう下肢の痺れを伴うようになり

病院でのリハビリでいったんは改善しかけたそうですが頑張りすぎたのか先月入院し、

内視鏡を使って飛び出した椎間板の髄核を取り除く手術をしたとのことでした。


術後強い痺れはなくなったそうですが、

術後も残る下肢の強い強張りと、身体を前後に倒した際の下肢痛を何とかしたいとご来院されました。

私「手術はいつ受けたのですか?」

青年「先週です。」


拝見するとそこにはまだ真新しい術創が…

治療の前に

・患部を動かすようなことはまだ出来ないこと

・治療としては周辺部の過度な緊張をソフトな方法で取り除くことになること

・治療によって過度な緊張が抜けることで、傷ついた組織の修復に必要な循環が回復し、正しい治癒反応を引き出す効果が期待できること。

を告げて、いざ治療開始!


はじめに出来る範囲で前屈をしてもらうとハムストリングスがとても硬く

股関節をほとんど使わずに腰椎だけで大きくうごいているのが解かりました。

次いで後ろに反ってもらうと、これまた股関節は動かない…

腸腰筋がカッチカチになっているようです。


きっと彼は、腰を痛める前から股関節が動かないために代わりに腰椎で大きく動くような癖があったのでしょう。


こういった動き方が続くと腰椎を支える靭帯は引き伸ばされて緩んでゆきます。

そうなると関節の支えが弱くなるので運動時に関節がグラつきます。

関節がグラつくと、クッションとなる椎間板や軟骨などなどに磨り潰すような力が加わります。

で、行き着く先は「ヘルニア」⇒「変形性腰椎症」となるそうです。


青年の「これから」を考えると痛みの治療だけでなく、

身体が無意識におこなっている運動プログラムの修正まで段階を追ってみてゆきたいと考えました。


治療は力が抜けなくなった(筋スパズム)腸腰筋をカウンターストレインという技術で、

ハムストリングスの緊張を運動療法で解除しました。

施術後、前後に身体を倒してもらうと

母・子「おおぉ~~~~!!」

とナイスなりアクションが返ってきました。

セルフケアとしてテニスボールを使ったハムストリングスのストレッチを伝えて

初回の治療は終了しました。



手術後1週間でも、きちんと患者さんの状態を見極めれば出来ることがあるんです。




何が言いたいかって言うと



大切なのは「評価する眼」なんだと、





そういうことなのです。

では!

(またオチがつかなかったなぁ…

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