梨状筋症候群のランナー

2010年04月12日 | 治療の話
「病院で梨状筋症候群といわれ…」(←詳しくはとよたま日記「梨状筋症候群」をご参照ください)

と来院された30代の男性。

臀部から下肢の後面をたどる、痺れるような痛みが続き、

大好きなジョギングができず困っているとのこと。


この梨状筋症候群は、梨状筋というお尻の筋肉で

坐骨神経が挟み込まれることで坐骨神経痛が生じたものをいいます。

しんけいの状態を調べるために早速お身体を調べてみると、

痛む側の足の甲から小指にかけて触られた感覚が鈍く

足の親指をそらせる力も痛まないほうと比べると若干弱いことがわかりました。


何を診ているのかと言うと「神経」の働きを見ているのです。

知覚や筋肉の収縮をコントロールしている抹消の神経が故障を起こすと

触られた感覚が鈍ったり、逆に敏感になったり

力が入りにくくなったりするのです。

また、傷ついた神経ごと脚をストレッチすると

「ビリッ!」っと電気が走るような痛みが神経の経路に沿って走ったりします。

しかし、仰向けのまま痛む脚を持ち上げたり、そのまま内側に倒しこんでみたりしても

「ビリッ!っと電気が走るような痛み」はでていない。


このことから、

・足の甲から小指にかけての感覚鈍麻と足の親指の筋力低下から

 確かに神経の故障はあったのかもしれないが、

 現時点で神経の故障は落ち着いている

・現状での訴えが昔の故障の後遺症であり

 梨状筋によって坐骨神経が締め付けられた結果起こる

 「梨状筋症候群」でないのかもしれない

といった可能性が示唆されます。

筋肉の故障を調べてみると、梨状筋と小臀筋という筋肉に「トリガーポイント」という

神経痛のような痛み方をする「筋肉の故障」も併発していたようでした。

治療としてはトリガーポイントに対する局所的なストレッチ(カウンターストレイン→ASTR)

を行いました。

治療後、痛みもだいぶ落ち着いたとのことで

「走ってもいいですか?」

と患者さん

「走るまでにはもう少し準備が必要になると思います。

痛みが落ち着いて着たら徐々に機能訓練をお伝えしますから、

今はあせらずに治療しましょう。」

と私。

梨状筋症候群(筋膜性の「偽の神経痛」も含め)に限らず、故障は治り際が大切です。

痛みのために走ることをしばらく休んでいたのなら尚のこと。

急に今までどうりに走れば、休んでいた間に弱くなった(萎縮した)組織には

過剰なストレスとなり「再受傷→症状悪化」といった憂き目に会うことも

想像に難くないわけです。

痛みがなくなったら弱った部分を徐々に鍛える、

つまりリハビリ期間が必要となるのです。


「やれ、痛みがなくなった!」

と今まで溜めに溜めた欲求不満に任せて走れば、

手痛いしっぺ返しが返ってくることもあるので注意が必要です。
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