ランナーズコンディショニング:ハムストリングスが張りやすい⇒胸,丸くないですか?

2012年02月14日 | コンディショニングの話
走った翌日,

腿裏から起立筋にかけての筋肉痛がやたら強くでてしまうAさん。

大抵は下半身の筋バランスの崩れからフォームが狂い(ダイナミックアライメントの異常)

故障をしているなんてことが多いのですが,

Aさんはストレッチもバランストレーニングもとても上手にこなされています。

ゆえに,痛めた箇所を調べてみると,さほど悪さをしている部分もありません。

はて?

犯人はどこか?

といぶかしんでいると,

やけにAさんの胸郭が大きいことに気がつきました。

これは息を吸うための補助筋が硬くなっているサインなのですが

ここで,はたと『あること』に気がつきました。

そうであれば

『こいつが犯人ではないか?』

と。



どういうことかと申しますと,


こういった状態にあると,

胸の高さの背骨(胸椎)も丸くお辞儀した位置へと押し込まれます。

つまり,猫背ってわけでもないのに背中は丸い,といった感じです。


この丸さが,走るには非っ常~~~に都合が悪いのです。


走るという動作では,両足が空中に浮いた瞬間ができます。

そして,片方の足が地面につき,再び両足が空中に浮く,

といった動作の繰り返しになります。

この足が地面に付く瞬間,床面との摩擦により

自分の身体の推進力にブレーキが掛かります。(床反力)


歩く際にも起こる現象ですが,

股関節を支点にお辞儀する方向へと慣性が働きます。

しかも,足を着く際の衝撃は歩くよりも大きくなるわけです。


この時,安定して次のステップに移るために,

臀筋・ハム・起立筋はお辞儀しようとする腰から上を,

留めるようにブレーキとして働きます。

ここで懸命な読者は気付いたことでしょう。

Aさんの「強い筋肉痛」を起こしている筋肉たちは

「ブレーキングマッスル」つながりでもあるわけです。


さて,ここからが今日のお話のミソ!


胸が丸いと,この「お辞儀」をしようとする力が強く働いてしまいます。

すると,ブレーキも強くかけなくてはならず,

ブレーキングマッスル達には通常よりも強い負担がかかることになるわけです。


さらに付け加えるならば,

ブレーキとして,引き伸ばされながら働くと,筋肉などの軟部組織は傷つきやすいんです。

ほら,坂道は下りのほうが翌日の筋肉痛が強いって言うでしょ!?(え,喩えが一般的でない?)




上半身の不具合を,腰から下で引き受けてた結果の痛みだったから,

足の状態を改善しただけでは,

Aさんの練習後の「過労」による痛みは軽減できなかったのだ,

と考えると,

状況証拠(Aさんの身体所見)と練習に伴う痛みの推移(経過)といったピースが

綺麗にまとまるわけです。


さあ,この推理を証明するにはどうしたらよいでしょう!?


答えは簡単。

この考えに沿って治療してみることです。




Aさんにはアバラの動きを改善するため,

胸郭の下側(胸郭下口といいます)の筋膜をリラックスさせるエクササイズを伝え,

その日の介入を終えました。


次は胸椎と肋骨の間を自由にする方法を用意して

手ぐすねを引いて待っています。


あとはAさんが豆にエクササイズをしてくれることを祈るばかりです。

(ここが一番難しい…)

Aさん,こまめにエクササイズしてくれるといいな。。
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