フォアフット走法と腸腰筋由来の股関節(鼠径部)痛 =その3=

2014年04月01日 | スポーツ障害

<前回までのあらすじ>

鼠径部痛のランナーの相談に、フォアフット走法を取り入れた方が多い。

それは、フォアフット走法のキモの部分が、下肢(とりわけ下腿)の靭帯や腱の弾性=バネを上手に活用するという点に関連がありそうだ。

それらの構造物が一般的な日本人といわゆる外人さんとの間で差がある(ようだ)。

そうした構造物が弱い場合、この走法は怪我に繋がってしまうこともありうるだろう。

と、そんなことをお話しました。

しかし、そのことが股関節の故障、とりわけ腸腰筋の遠位部(腱部)に故障をもたらすのはなんだか不思議な感じですよね。

今回はそこのところのお話をします。 

 

足首の軟らかな方がフォアフットで走るということは、足首が硬い人のまねをすることになります。

すると、本当ならばまだまだ動けるところを筋肉で固定することになるわけで、

筋への負担が増してゆきます。

すると、ふくらはぎの過労から、次第に緊張が強くなってゆきます。

すると、足首は反りにくくなる。

足首が反らないということは、膝から下のテコの長さが長くなるということで、

四頭筋にかかる負担が増すということになります。

すると今度は四頭筋の緊張が高くなり、膝も曲がりにくくなります。

すると、脚全体を伸ばしたまま振り出すようになります。

 

これの何が悪いのか?

と思われる方のために、ちょっと補足説明をします。 

脚を長いまま使ってしまうと走力を削ぐデメリットがあるんです。

脚を折りたてめないと振り出す際のクリアランスが悪くなります。

クリアランスというのは何か?というと、

片脚で地面を捉え、もう片方の脚が支持脚を追い越そうとするときの脚先と地面の距離のことです。

脚が伸びたままだと地面を蹴ってしまうことになりますから、それは避けたいわけです。

なので、地面をけらないためには膝を曲げたいけど固くて曲げ切らない。

そこで、代わりの方法でクリアランスの問題をクリアしようとします(地面と脚先の距離を取ろうとする)。

ありがちなのは片側の腰を引き上げて(骨盤の側屈)距離を作るようになるケース。

骨盤の回転中心が腰部(だいたいL2・3あたり)に引き上げられてしまう。

歩行ではこれがスタンダードとされますが、個人的には「回転中心は骨盤に持ってゆきたい派」です。

片側の腰を引き上げる動きでは腰椎部を丸めて(屈曲位)の回旋運動が生じるようになります。

この運動は椎間板の繊維輪のダメージが生じやすい運動なのです。

つまり、椎間板由来の腰痛を発症してしまうリスクが危惧されます。

他にも、高く跳ねることで地面との距離を稼ぐケースもありがちです。

これは発揮する力がジャンプする方向へとつかわれ、推進力に還元し辛いため、エネルギー効率が悪くなります。

つまり、疲れる割にタイムが縮まない…

諸々を考えても、脚は素直に折りたたんで振り出した方が経済的なんです。

では、話を戻して…

 

この時、股関節には膝を折って引き上げる時と比べてより長いテコがかかります。

つまり、腿を振り出すために腸腰筋にはより強い負担が掛るようになってしまうわけです。

こうして、ふくらはぎの過労から端を発して、めぐりめぐって大きな負荷が鼠径部を襲うようになり、

それが身体の回復の速度を追い抜くと怪我(腸腰筋腱や筋腱移行部の炎症やトリガーポイント形成)になる。

と、私はそんな風に考えています。

 

む、長くなったな…(-_-;)

では、今回はこの辺で。

次回は対処法について書こうと思います。

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