JEC狭山福音教会(大阪狭山市)の聖書・キリスト教・例話コラム

大阪狭山市にあるJEC狭山福音教会(プロテスタントキリスト教会)の牧会スタッフによる聖書・キリスト教・例話コラム。

メッセージコラム#2015年5月10日(川崎 豊信師)

2015-05-12 14:51:55 | キリスト教
グループダイナミクス


マルコ6:6~「それからイエスは、近くの村々を教えて回られた。6:7 また、十二弟子を呼び、ふたりずつ遣わし始め、彼らに汚れた霊を追い出す権威をお与えになった。」

AAグループに見る集団力

 ゴードンマクドナルド牧師は「断酒会(Alcoholics Anonymous)」を訪れた時のことを記している。彼の友人が断酒のためにこの会に集っており、中で何が話されているのか興味があったので訪問したのだ。
 その朝の会には一人の女性が初めて参加していた。名前はキャシー。彼女は35才くらいと思われるが、その目鼻立ちはハリウッドスターのように整っており化粧をすれば21才でも通るのではないかと思われた。しかしこの時の彼女の顔ははれ上がり、目は赤く、歯はボロボロだった。彼女は何日間も風呂に入っていないようで、その髪はくしも入らないようであった。「先月は5つの州を転々としました。」彼女は言った。「私はいく晩も橋の下で寝たのです。連れ去られ、レイプされ、略奪されました。」彼女はすすり泣いた。「私はもうどうして良いのか分からない。これ以上ホームレスはしたくない。でも…お酒をやめられない。やめられない…。」
 
 キャシーの横には、体格の良い女性「マリリン」が座っていた。マリリンは数か月間断酒を続けている女性であった。
 マリリンは両手でキャシーを抱いて思いっきり引き寄せた。キャシーの顔はマリリンの胸にうずもれるばかりだった。私はマリリンがキャシーの耳につぶやく声を聴いたのだ。「ハニー きっと良くなるわ。私たちと一緒だもの。皆であなたの重荷を背負うわよ。あなたがすることは続けてここに来ること。分かった。来続けるのよ。」 そしてマリリンはキャシーの頭にキスをしたのだ。
 
 私は、畏敬の念に撃たれた。この単純な言葉。この愛情。この優しさ。まるでキリストのようである。私はこの朝、何度も頭に回り続ける質問の言葉があった。「いつも礼拝している教会でこんなことが起こるだろうか?」「いつも礼拝している祭壇でキャシーは同じ話しをするだろうか?」「教会でマリリンのような反応があるだろうか?」
Gordon MacDonald, "My Small Group, Anonymous," Leadership Journal (Winter 2014)


 マルコ6章7節には「ふたりずつ遣わし始め」とある。弟子たちは二人一組で遣わされた。一人ずつならもっと広い範囲に行くことが出来ると思われがちだが、イエスの計画はそうではなかった。
 
 二人で出かける利点は、①互いに励まし合うことができる ②判断がより的確になる。私たちの強さは神からくるが、神はチームワークを用いて必要を満たして下さる。キリストに仕える時に複数であることは大切である。