地味ログ東洋硬化.うろつき雑記

寒い時も暑い時も、寒い場所も暑い場所も、処かまわず神出鬼没な東洋硬化の表面処理を、ポップに語ります。

格尓木(ゴルムド)と柴達木(ツァイダム) 盆地

2006年06月27日 00時05分31秒 | うろつきアーカイヴス
昨日21時からの NHKスペシャル 『黄金のアルキン~中国・天上の大秘境を行く~』
を見ました。新疆ウイグル自治区の最南端、西蔵自治区・青海省との省境付近にある
ほぼ無人に近い平原(平均標高4000m)を本邦初公開するとした番組でした。


(チャルリクの町からさらに南の3省境に近いあたりがアルキンです。九州よりやや
広い面積の土地に、居住者は約20人。砂漠と湿原と崑崙山脈が全て)

番組を見ていて、僕が去年10月に上海のお客様と一緒に営業活動していた、青海省
の格尓木(ゴルムド)にかなり近い地域の特集であることに気づきました。

近いと言っても直線距離でおおよそ300km。あくまで中国西域の距離感覚として、
近いわけですが。

アルキンほどではありませんが、ゴルムドも平均標高3000m。やはり乾燥し尽く
した砂漠・塩漠・崑崙山脈が特徴の未開の地です。

これは、僕の体験も書かねばなるまい。写真もあることだし。

という、かなり強引な入りで、青海省の格尓木(ゴルムド)と柴達木(ツァイダム)
盆地について、昨年末に一度サラッと流した内容を、もう少し掘り下げて書いてみま
す。



上海から西安→青海省の省都 西寧(シーニン)まで、まず飛びました。ここで格
尓木行きに乗り継ぎです。


(青海省の位置図です。省の北東端に近いところに西寧市があります。ここから、省
の西北側に位置する格尓木まで、入り込みました)


(西寧空港。すぐそばまで黄土の禿山が迫っています)


(空港ビル、というか空港棟。極々小さいですが、地上係員がお辞儀しているのが
驚きです。中国のこんな田舎でも、サービス業の何たるか、がとうとう理解され始
めたのかもしれません)

乗り継ぎ待ち時間が数時間ありましたので、空港棟の外をうろうろしていました。


(空港のすぐ外には別世界が広がっていました。煉瓦造りの民家)


(極度に乾燥しており、風の強い日には粉塵がすごいだろうと、容易に想像できます)


(学校です。子供達が縄跳びをしていました。五星紅旗が掲揚されています)


(学校のさらにずっと向うの方角には、重畳たる山並みが。ここから南はずっとヒマ
ラヤまで続く世界の屋根です。平地は、数千キロ先のガンジス川沿いまでいかねばあ
りません)

出発までの時間を無為に過ごし、ようやく離陸です。


(30分も飛ぶと左手眼下には崑崙山脈が見え始めました)


(手前に見える砂漠の標高が3000mぐらいですから、山頂は5000mぐらいは
ありそうです)

標高3000mの砂と塩の平原がひろがる柴達木(ツァイダム)盆地の南端に、
格尓木(ゴルムド)はあります。市街地人口は7万人ほど。青海省西部最大の
都市です。


(格尓木空港。西寧空港よりよほど立派です。こんなに立派なのに定期便は週にたっ
たの2便しかありません)


(東南方向に、崑崙山脈の前山が見えます)


(真南に、西蔵(チベット)自治区の省都拉薩(ラサ)へ向かう道路と建設中の鉄道
が延びる谷あいが見えました)

連絡バスで格尓木市街地へ入ります。


(道路標識です。左へ行くと「鉄道駅 1km」、右は「江源路」、そして直進は
「拉薩(ラサ) 1158km」。スゲーッ、普通こんな大きな数字の距離表示しま
す?)

翌朝、柴達木(ツァイダム)盆地のど真ん中まで車で乗りつけます。街から120
キロぐらいありました。


(盆地の中央部です。向うの方遠くに見える山地は、盆地の北側を縁取る祁連
(チーレン)山脈。最高峰は5800mを超えます。二千年前は、匈奴の隠れ家
だったとか。乾燥した空気越しに見ていますので近くに見えますが、実際は100
キロ以上離れています)
(ちなみに写真左に小さく見えるトレーラーハウスは、ここで土木作業をしている方
のお住まいだそうです。たった一人で数箇月、ここに寝泊りするんだとか。大した精
神力です。よほどの高給を貰っているものと思われます)

あたり一面、塩の砂漠です。大昔の塩湖が干上がってしまったものです。

ここに産出するナトリウムやカリウム・カルシウムを精製する工場がこの近所に
あります。


(土中にはまだ大量の水を含んでいますので、排水用の溝を掘っていました。溝と
いっても大きいです。池町川や高良川よりずっと広くて深いです)


(その水の色といったら! 塩分濃度が極く濃いので、あやしげな緑色をしています。
水分が抜けるといきなり塩の結晶となります。「土」というものがほとんど見えません)


(このあたりは塩の産地として開発されています。祁連山脈まで、ずーっと塩の砂漠
なんだそうです)


(ツァイダム盆地の西の方角を望みます。今、考えるとこちらがアルキンの方向。
300kmほど移動すれば、昨日の番組の地点だった訳です)


(全て塩の地面ですから草木は全く生えていません。異様な光景です)


(帰り道。地平線の果てまで真っ直ぐに伸びた道路)


(格尓木市街地へ戻ってきました。人里です。ほっとします)


(植えてまだ幾らも経っていないので、まだ小さいポプラたち。街全体が新しい殖民
都市です)


(街中にイスラム料理屋がありました。羊料理を食べました)


(週2便しかない飛行機を待っている訳にもいかないので、夜行列車で西寧まで戻り
ます。標高4000mの峠を越えて行きます)

実際、深夜の峠越えで、息が苦しくなって目が醒めてしまいました。


翌朝からの西寧→蘭州→西安は、また、次の機会に書きます。タール寺でチベット帽
を買った時のエピソードなど。



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
OKなんですか? (ふっ素屋)
2006-06-27 18:40:52
お疲れ様です。

先日、東京の帰り、飛行機の窓から写真取っていたらこっぴどく怒られました。まぁ、小生が悪いんですけど。

この飛行機からの写真、怒られませんでした?テクニックがあるんですかね?
運がいいのか、こそこそするのがうまいのか (トヨコカ0119)
2006-06-27 19:39:37
国内でも海外でも、一度も咎められたことはありません。この崑崙山脈の際は、上海からの連れもバシバシ撮っていたのですが、全くおとがめなしでした。



列車に乗っている時の撮影もそうですし、考えてみると、こと中国のことですし、不思議です。



中国の場合、機窓からの撮影に寛大というより、いちいち注意するのがダルイ、という方が、より実情を表した言い方なんじゃないかと思います。



この時、機窓から撮影していた人数、少なくみても20名はいました。



どちらかというと、「ほーれ、これが崑崙山脈とツァイダム盆地だよ、すごいやろー」という感じで、乗務員が自慢げだったように感じたのは、思い過ごしでもなかった様に思います。

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