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孔子学を知らずして、中国共産党と討論はできない

2016年10月16日 | Weblog

<我们主张务实有效的治理。中国人历来注重实事求是,解决问题时注重经世致用,在理念与行动的关系上强调知行合一。>これは、中共中央書記処の専任の書記の劉雲山氏が、2016中国共産党と世界対話会という政策シンポジュームでの発言した演説の一節である。

「実事求是」とは、孔子学の発展形である清朝考証学のスローガンである。中国共産とは、1990年代から古典、教条のマルクス主義の階級闘争史観を放棄し、民族主義を第一義とする「最新儒学」へと軸心を移した。「経世致用」というのも、清朝考証学における基本概念である。理念と行動の関係で、「知行合一」を強調するというのは、伝統的な孔子学の基本思想である。

中国共産主義は、孔子学の延長線において理論を再構築し、朱子学を「新儒学」とすれば、現在は「最新儒学」というべき内容が、中国共産主義の特色を為しているいる。問題は、劉雲山は触れていないが、習近平は「荀子の強国思想」を全面に押し出したのに対し、改めて、「実事求是」と「経世致用」という清朝考証学のスローガンを持ち出したことは、深い含意がこめられていることを意味する。このスローガンは、毛沢東の路線を修正するために、鄧小平が唱えたものである。つまり、習近平の領導権は、鄧小平が敷いた「実事求是」と「経世致用」の枠内にとどまるべきであるという型枠が構築されたことを意味する。したがって、江沢民、胡錦濤の路線を隔絶した習近平の路線へと「転調」することが否定されたことを意味する。路線上の誤りが生じたときは、「実事求是」と「経世致用」のスローガンが持ち出される。それが、1979年以来の「最新儒学」の特徴である。劉雲山が中共中央書記処の専従書記であり、それを超えて習近平の秘書役が、劉雲山の権限を越えることは許されないという党内の正常なルールへと落着したことを意味する。

石平氏や青山繁晴氏には、「最新儒学」のインテリジェンスが欠けている。通信社の小ネタも大事であるが、中共中央書記処の専従書記という役職が、本来の機能を回復し、総書記の秘書である中央弁公室長が異常な権限と情報をにぎった江沢民、胡錦濤の時期の党務分担の歪みが内部修正されている。従って、中国共産党は、それなりに党内マネジメントの正常化を取り戻し、安定した軌道を回復したと見てよい。

日本企業は、少しブレーキから足を離し、アクセルを踏む動作へと調整しても、不安定要素は増えない。ただし、富山県が独自に追及する遼寧省との関係は、地域の政治も基幹となる国営企業も精算事業の対象となってる。大連を重視する戦略には、大きな障害が立ちはだかっている。

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