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中国では、経営学が農村問題の解決を導く・・・

2017年07月12日 | Weblog

日本の経営学者は、企業を対象としている。一部、例外的に、労働者の諸権利を基軸にして、労働の組織として企業を扱う学者もいる。しかし、基本、都市型の産業を対象とする経営学である。

中国では、管理学といわれる。中国共産党の統治の正統性は、江沢民政権では、「愛国主義」などの歴史意識にもとめる「党史」主導のたちばだった。それが、汚職の横行をゆるした。管理学が、中国共産党の指導原理に採用されたのは、胡錦濤政権の「科学発展観」においてである。ここでは、群衆管理という社会統治の面での「科学的管理」に力点があった。

現在、習近平政権では、農村・農民の貧困、不衛生などの困難に対し、国家財政による取り組みを強め、一時的には、村民自治に丸投げして、農民になかにもある「汚職体質」を泥として、表層化し、見える化したうえで、県、郷の単位の中共の基層党組織を再構成し、党が統治する農業、農村、農民の三つの農にからむ問題の解決にのりだした。そこに登場したのが、農業経営学、農村経営学の学問的な方法を指導原理とする「農村管理学」である。社会主義という国家指令型経済原理により、作物の生産を農村に委託する生産管理の規律を個々の営農指導に及ぼし、村の財政の安定の柱としている。そこでは、毛沢東時代からあった農業部門への税が廃止された。その結果、県政府、郷政府が徴税のために農村に介入する「官」から、村財政に財政収入を保証する「顧客」に転ずることで、在地の共産党員の個人力量の差異を克服するようになった。

このように、中国の経営学者は、援農の次元に視界を広げ、農政学者もマルクス主義の滓を棄て、農業を経営学の手法で改善する指導性に重きをおくようになった。地域的には、浙江方式、河北方式、山東方式がある。まだまだ、先進の事例が見出せる程度である。しかし、農村で暮らすことによるストレスなど、心理的な面にも切り込んだ農村管理学が生まれたことは評価できる。

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