かおさんのみみはねこのみみ

ふたのないたからばこ
〜コトバのむこうにあるもの〜

枯れギター

2017-03-15 20:46:43 | 日記
古い男には、古いギターがよく似合う。
という言い方自体が、とても古いけれど。

木は呼吸をしている。
土から芽を出し根を張るときから、切られ削られ曲げられ接がれ
にんげんの手の中で響き奏でられながら、
ずっと呼吸をしている。

旅先で、そして旅の道中で、木目のあいだに閉じ込めた空気を、
わたしの目の前で吐き出しているのだ。

30年くらい経ったのが一番鳴る、と聞いたことがある。
どんな30年を過ごしたかにもよるだろうけれど、
酒のように、にんげんのように、
楽器も熟成するには近道はない。
時間は、正直なのだな。

ヴィンテージギターは高額で店頭に(すぐには触れられない場所に)並ぶ。
古い男の枯れたギターは、触れられ叩かれ叫び泣き笑い踊りうたう。

わたしの手の中に、
まだギターを枯らすだけの時間はあるのだろうか。
いま手にしている楽器は、わたしとともに枯れてくれるだろうか。



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