稲村亭日乗

京都の渓流を中心にルアーでトラウトを釣り歩いています

映画「英国王のスピーチ」(2010年)から

2018年01月14日 | 日々
 テレビでこの映画をみた。

 吃音に悩む英国王 ジョージ6世と彼の治療にあたった
言語療法士 ライオネル・ローグとの実話に基づく友情物語だ。

 治らない吃音に自信を失い、ときには自暴自棄になりそうな国王を根気強く
治療するローグ。

 全編にわたって緊張を伴う映画だが、1939年、ドイツへの宣戦布告にあ
たって国王が国民に向けて行った演説は大成功に終わる。

     

 地味なテーマでありながら、緊張の末にそれが解き放たれるラスト。

 映画や演劇にはよくある進行ながら、とても劇的にできていると感心。

 ただ、この映画の本来の主題とは異なるが、映画のなかに散見される「平民」
に対する国王自身の別格意識には怖いものを感じてしまう。

 世の中、洋の東西を問わず程度の差はあれ序列社会。
 王侯貴族でなくとも、各人それぞれにそんな意識があることは否めない。

 これは哀しいことながら、映画を通してこうも見せつけられると気持ちは複
雑だ。

     

 そういえば、これも映画とは関係ないが、ぼくの高校時代、吃音の同級生が
いた。

 日常の会話ができないほど深刻だった。

 赤塚不二夫の漫画に出てくるキャラクターに似ていたことから、ぼくらは
「ハタ坊」と呼んでいた。

 卒業前、彼に「吃音矯正の治療を受けたらどうや」と話すと「ウン、受ける
つもり」と話していた。

 卒業後、彼とは一度も会ってないけど、その後どうなったろう?

 この映画をみて、そんな昔のことを思い出してしまった。
コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 原発ゼロへのかすかな希望 | トップ | 小川と小川温泉 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日々」カテゴリの最新記事