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とつぜん上方落語 第15回 ちりとてちん


 どこにでも知ったかぶりをするご仁はおるものですな。上方落語で知ったかぶりが出てくる噺といえば「ちりとてちん」でおます。
 だんさんの誕生日に来たきーさん。だんさんが出すものを、なんでも喜んで食べます。こうして、出されたものを喜んで食べると、うれしおます。それに比べて。と、ここからが、この噺のキモになるわけですな。
 それに比べて、あのタケ。何を出しても、食べたことがある。知っとる。ちょっと長崎に行ってました。長崎やったら、こんなもん毎日食べてる。なんてことをいいよる。ほんま、しゃくにさわるヤツやで。
 と、いうことで、だんさんときーさん、共謀してタケをこらしめることになったちゅうことや。で、1週間ほど、戸棚に入れっぱなしになって、腐ってカビが生えた豆腐を、長崎名産「ちりとてちん」やゆうて、タケに食べさせるちゅう噺や。
 ワシは今まで、何度か落語に出てくる食べ物を実際に作って食べてきた。今回もほんまに豆腐を1週間ほど室温で放置しておいて「ちりとてちん」を作ろうと思うとったけど、家人に反対された。臭いし、豆腐がもったいない。その通りや。それに、ほんまに「ちりとてちん」を食って、O157にでもなったら、また入院や。ワシ、もう入院はいや。で、ほんまに食べられるのを作ったのがこれや。
 いわばイタリア風冷やっこ。豆腐の下準備はこうする。赤、緑、黄色のピーマンを小さく刻んでさっと炒める。それを豆腐にかける。ケッパーもかけよう。仕上げにエキストラバージンオリーブ油をたらす。どや、ぱっと見たら「ちりとてちん」に見えるやろ。これはほんまに食べられるし、しかもおいしおまっせ。
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