雫石鉄也の
とつぜんブログ
とつぜん対談 第36回 岩との対談
ふう、やっと着いた。ここはかなり山奥です。今日の対談相手はこの山奥におられます。道なき道を歩いて、やっとここまで来ました。あ、あそこにおられます。あの大きな岩です。あの大きな岩が対談相手です。
雫石
こんにちは。
岩
おう。
雫石
ずいぶん山奥ですね。
岩
昔はここも海だった。
雫石
大地が隆起して山になったのですね。ずいぶん昔からここにおられるのですか。
岩
そうじゃ。
雫石
どれぐらい昔ですか。
岩
わからん。
雫石
毎日何をしているのですか。
岩
何もしとらん。
雫石
退屈でしょう。
岩
退屈じゃ。
雫石
何かしたらどうですか。
岩
ワシは何もせん。
雫石
どうして、そこにいるのです。
岩
いるから、いるのじゃ。
雫石
岩にも寿命があるのですか。
岩
わからん。
雫石
寿命が尽きたらどうなるのです。
岩
死ぬだけじゃ。
雫石
岩が死ぬとどうなるのですか。
岩
岩でなくなるのじゃ。
雫石
砂になるのですか。
岩
そうかも知れん。
雫石
毎日、何を考えて暮らしているのです。
岩
何も考えとらん。
雫石
岩さんぐらい長生きだと、いろんな人間を見てきたでしょう。
岩
ワシは人間には興味はない。
雫石
では、なぜ私との対談に応じたのですか。
岩
お前がそう求めたからじゃ。
雫石
求めれればなんでもするんですか。
岩
ワシにできることならばな。
雫石
どんなことができるのですか。
岩
わからん。
雫石
大きいですね。重そうですね。
岩
大きいぞ。重いぞ。
雫石
これからどうするのですか。
岩
わからん。ワシは山奥の岩じゃ。
雫石
それではこれで失礼します。
岩
うん。
雫石
こんにちは。
岩
おう。
雫石
ずいぶん山奥ですね。
岩
昔はここも海だった。
雫石
大地が隆起して山になったのですね。ずいぶん昔からここにおられるのですか。
岩
そうじゃ。
雫石
どれぐらい昔ですか。
岩
わからん。
雫石
毎日何をしているのですか。
岩
何もしとらん。
雫石
退屈でしょう。
岩
退屈じゃ。
雫石
何かしたらどうですか。
岩
ワシは何もせん。
雫石
どうして、そこにいるのです。
岩
いるから、いるのじゃ。
雫石
岩にも寿命があるのですか。
岩
わからん。
雫石
寿命が尽きたらどうなるのです。
岩
死ぬだけじゃ。
雫石
岩が死ぬとどうなるのですか。
岩
岩でなくなるのじゃ。
雫石
砂になるのですか。
岩
そうかも知れん。
雫石
毎日、何を考えて暮らしているのです。
岩
何も考えとらん。
雫石
岩さんぐらい長生きだと、いろんな人間を見てきたでしょう。
岩
ワシは人間には興味はない。
雫石
では、なぜ私との対談に応じたのですか。
岩
お前がそう求めたからじゃ。
雫石
求めれればなんでもするんですか。
岩
ワシにできることならばな。
雫石
どんなことができるのですか。
岩
わからん。
雫石
大きいですね。重そうですね。
岩
大きいぞ。重いぞ。
雫石
これからどうするのですか。
岩
わからん。ワシは山奥の岩じゃ。
雫石
それではこれで失礼します。
岩
うん。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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お昼にひと時、大いに堪能させていただきました。
すっとぼけた味がなんとも。
岩が死んだら砂・・その前に石?砂利?ですかね。
>大きいぞ。重いぞ。
確かに。昔、藤子F不二雄さんのSF漫画全集に
オヤジロックというのを
思い出してしまいました。
ちょっと、雫石の修業が足らないようです。
藤子F不二雄さんの「オヤジロック」は憶えています。
面白かったですね。この作品は初出は、確かSFマガジンだったですね。
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