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2015年の阪神タイガースをふりかえる

 小生は、今年の阪神タイガースの順位予想を優勝と予想した。ところが結果はご存知の通りセリーグ3位。蛇足シリーズ、ファーストシリーズ敗退となった。小生の予想は外れた。この件に関して、小生自身は自分を不明とは思ってない。
 投手は最多勝、最多セーブ、最多ホールド。野手は首位打者、打点王。これだけの選手がいるチームを優勝と予想するのは自然なことだろう。ところが、2014年にこの好成績を残したのは、最多ホールドの福原以外は全員外国人。この外国人たちの活躍があってこそセリーグ2位。蛇足シリーズで巨人に4連勝。日本シリーズ出場という好成績を残したのだ。
 ところが毎年必勝祈願に行く、西宮のえべっさんのご利益もアジア人以外には通用しないらしく、アジア人の呉昇桓と福原は今年もセーブ王ホールド王だが、非アジア人のメッセンジャー、マートン、ゴメスの3人は2015年は大きく成績を落とした。えべっさんのご利益というのは冗談だが、マートンは精神的なところ、ゴメスは相手に研究されたというところか。この3人の成績が今年の阪神の成績に正比例したのだろう。
 チーム成績を見ると、防御率、打率、本塁打数、いずれもリーグ5位。それでも、6月から8月の夏場は首位をキープ、今年はイケるかと大いに期待させられた。パリーグの強さが目立った交流戦も、阪神はセリーグでゆいいつ勝ち越して貯金を作った。成績の数字に比例すればBクラスにいてもおかしくない。なぜあの数字で夏に首位を走られたのか。やはりメッセンジャー、能見、藤浪、岩田の4本柱が、それなりにローテーションを守って、故障もなくシーズンを過ごしたからだろう。
 今年の阪神の総得点は465点、総失点は550点。85点マイナスである。セリーグでマイナスは5位中日の31点6位DeNAの90点。阪神は最下位DeNAに次ぐ収支決算の悪さである。それでもAクラス3位であった。これは負けるときは大負けして、勝つ時は僅少差で勝ったからだろう。先発投手が崩れたあと、リリーフが火に油であったわけだ。勝つ時は先発→安藤→福原→呉昇桓というパターンで逃げ切ったということ。そう考えると2015年の阪神タイガースは投手の出来、それもリリーフピッチャーの出来しだいであったといってもいいだろう。
 一方打撃だが、今年の阪神タイガースは3割バッターは1人もいなかった。二桁本塁打は福留とゴメスに二人だけ。その福留でも20本である。まったく弱体打撃陣である。しかもチャンスに弱く、あの時あそこであと1本ヒットがあれば勝っていた、という試合がいくつあったことか。これはもう、ゴメス、マートンの不調がそのままチームの打撃成績に正比例しているのである。
 さて、金本新監督が誕生した。金本知憲氏は選手としては申し分のない実績を残した名選手であったが、コーチ経験もなく指導者としては未知数である。     
プロ野球は戦いである。戦いには三つの要素が大切。戦技、戦術、戦略の三つ。戦技=戦いの技。投手の投げた球をどう打つか。バットコントロール、野手のすき間を見抜く眼力、また守備においてはボールを捕球する技術送球する技術、などなど、ひとつひとつのプレーの技術のこと。
 戦術=戦いの仕方。ここでスクイズをかけるか。ここはバンドか強振か。この打者は敬遠して次の打者を勝負するか。また、どのあたりで先発ピッチャーを交代させるか。これらは戦術である。
 戦略=大局を見る。その試合だけを見るのではなく、優勝という目標を達成するために1シーズンを見通して考える。またもっと遠く、将来的に常勝チームを作るための算段。これが戦略ということになろう。
 さて金本新監督にどのあたりまで見てもらうのか。戦技、金本氏の戦技は超一流であったことはいうまでもない。しかし、金本氏は監督だ、実際に戦技=プレーするのは選手である。その選手に直接個々の具体的な指導助言を行うのはコーチである。だれをコーチにやってもらうかだ。
 戦術。実際、プロ野球の監督が一番やらなければならないのがこの戦術であろう。金本氏の今までのテレビの解説などを聞くと、この戦術面は安心してよさそうだ。
 戦略。金本氏はこれが一番弱いと見る。監督がここまで見なければならないのか。本来はGMの仕事であろう。しかし、阪神は中村GM急逝により、GM制度は置かないとのことである。球団は金本氏に長期政権を約束し長い目でチームを見てくれとのこと。ということは金本新監督はGM兼任監督ということであろうか。不安である。で、フロントが新監督をフォローすることになるのであろうか。もっと不安である。阪神のフロントというと、今のところ本気かどうか判断つきかねるのである。
 毎年同じように9月に失速して優勝を逃す。外国人ベテラン頼りで、生え抜きの若手を育てなかった真弓、和田、両監督が悪い。いいや的確な補強をしなかったフロントが悪い。いろいろ悪いもん探しをするが、一番悪いのはわれわれファンである。阪神タイガースを優勝から遠ざけているのは、小生もふくめてファンである。毎年毎年、今年こそ優勝や。過度の期待をかけ、目先の勝利を望み、勝った負けたと一喜一憂。こんなファンの球団の監督なら、計算のできるベテラン外国人を重宝するのは当然だろう。
 金本阪神にはじっくりと若手を育ててもらいたい。藤井も引退したし、キャッチャーは梅野を、センターには江越を、マートンもたぶん退団だろう。レフとに伊藤を使え。中継ぎ押さえに歳内、松田を使え。
 小生は来年は阪神の優勝を期待しない。Bクラスでもかまわない。なんなら最下位になってもいい。数年後の常勝阪神タイガースを望むのである。

2015年阪神タイガースMVP

投手
 藤浪晋太郎 勝ち頭なのだから当然だろう。

野手
 福留孝介 福留の一打で勝った試合が何試合あっただろうか。
 
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
野球… (アブダビ)
2015-10-31 03:44:51
唐突ですが、フイリップ・ホセ・ファーマーの「太陽神降臨」をお読みでせうか?
なんか恒星間飛行から戻ったアメリカは
変な宗教が支配する世界となっていて、
鹿の角を頭部に移植されたパイロットのお話です。
目玉の活劇が、未来の野球でして。
スパイク付きのボールを投げ合い、ランナーはバットで塁手を撲殺しながら進む。
ファーマー、お前アメヤカ人かよ?
「私を野球に連れて行って」の国だろ?
アメリカの文明が滅んだら、残ったのは宗教と暴力と野球だった…という皮肉なお話。
日本が滅んだら何が残るんでしょうね?
 
 
 
アブダビさん (雫石鉄也)
2015-10-31 13:03:12
残念ながらファーマーの「太陽神降臨」は未読です。
そうですね。日本が滅んだら何が残るのでしょうね。「仕事」が残るのではないでしょうか。
 
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