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笑福亭松喬師匠が亡くなった

 笑福亭松喬師匠が亡くなった。享年62歳。まことに残念。おしい人を喪った。松喬さんのような噺家は、60を過ぎてから味わいが出て、70代にかけて松喬黄金時代を観られると、上方落語ファンとしては大いに楽しみにしていた。大病を患い闘病しておられるとは知っていたが、独演会もこなされ、松喬落語がこれからも楽しめると思っていただけに、思わぬ早さで逝ってしまわれたのはファンとしてはショックである。高座で演じている時間は、病のことを忘れられると、ぎりぎりまで高座を務めておられたが、体調不良で高座を降りられたと聞いて、よほどのことであると心配していたが・・・。
 松喬師匠は、師匠6代目笑福亭松鶴から、「笑福亭の噺を一番うまいこと受け継ぐ」といわれ、いかにも笑福亭らしい、決して桂ではない、笑福亭落語を演じられた噺家だった。師匠松鶴が豪放磊落、破天荒な、いわば太ゴシックな噺だったのに対して、松喬師匠は、洒脱、軽妙、きちんとした、明朝な噺だった。
 この時、9月に神戸文化ホールに来演予定とのポスターを観た。ひょっとすると松喬師匠を生で観れる最後の機会かもしれない、ぜひ行きたいと思っていた。先日NHKで放送された、日本の話芸で「網船」を演じられたのを観たのが最後となる。丸顔の松喬師匠がすっかり痩せて別人のようになっておられたの見て、痛々しくて沈痛な思いで観た。
 6代目笑福亭松喬師匠のご冥福をお祈りいたします。
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コメント
 
 
 
とうとう・・・ (まろ)
2013-08-01 06:41:26
松喬さん、とうとう亡くなられましたね。
雫石さんと同様、NHKの「日本の話芸」を
たまたま見たのが最期になってしまいました。
痛ましくて正視できませんでしたねえ・・
本当に惜しい人がなくなったと、心から思います。
 
 
 
まろさん (雫石鉄也)
2013-08-01 09:20:31
覚悟はしてましたが、こうして亡くなるとショックです。先日の「網船」は痛々しかったですね。
本当に惜しい人を亡くしました。死ななくてもいい人が死んで、早く死んでほしい人が、なかなか死にませんね。世の中ままなりません。
 
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