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とつぜんコラム №186 AIにとってかわられるな

 今年も、学窓を巣立った若い者が社会に出て行く。彼らのほとんどは、「会社」なるところで、これからの人生のほとんどを過ごすわけだ。
 日本の企業の特徴である終身雇用制は崩壊した。もう、学校を出て就職した会社に一生在籍できる人の割合はずいぶん少なくなるだろう。会社は学校のクラブ活動ではない。金もうけのために人を雇っているのだ。だから無用と判断された人間は捨てられる。事実、私(雫石)は会社に捨てられた人間だ。
労働者の身分権利は法律で守られてはいるが、無用人間は会社にいずらくなることは事実だ。では、どういう人間が会社に捨てられるのか。他に替えが効く人間だ。逆に他に替えが効かない人間は会社に捨てられない。
私は、数ヶ月間の試用雇用もふくめれば、13社の会社を渡り歩いた。業界でいうと、食品業界、広告業界、電気通信製造業、重厚長大産業など。業務でいうと、食品製造、広告制作、資材購買など。こんな私がいう。仕事なんてもんは、だいたいが3ヶ月もやれば基本的なことは覚えられる。私のようなアホでも覚えられたから誰でも覚えられるだろう。3ヶ月といえば新人といっていい。新人でもとりあえず仕事はできるわけだ。では3ヶ月の新人となん十年という大ベテランは何が違うのか。
「経験」である。新人では経験の蓄積がない。ベテランは豊富な経験の蓄積がある。
 日々のルーティンワークなら新人もベテランも、仕事に差はない。ところが、異変、トラブル、突発事態、クレーム、事故、故障などが発生したときに、新人とベテランの差がでる。
 トラブル発生。新人は経験したことがないから対応できない。ベテランならば、過去に経験したことを、記憶の引き出しからひっぱり出し、いま、目の前で起きているトラブルと引き比べて、あの時はこうしてトラブルを処理したな、あるいは、あの時はああして失敗したな。と、判断して的確にトラブルを処理できるというわけだ。
 いまの調子でAIが進歩すると、多くの職業が機械に取って替わられるといわれる。判事や医師といった職業もAIに取って替わられるかもしれない。被告なり患者なりを前にして、過去の判例、症例をもとに最適の判決や診断をくだすことができるのだ。AIならば人間の記憶よりもはるかに大量のデータを保管できる。データの量が多ければ、それをもとにくだす判断もより的確なモノとなろう。だから、多くの仕事が人間よりも機械の方が上手くやる。事実、将棋やチェスなどは機械が名人に勝つ。
 首相、大統領といった仕事も機械がやった方がいいかもしれない。人間だとどうしても感情に負けてしまう。親類縁者お友だちに便宜をはかってしまうこともあるだろう。機械ならば公明正大、感情を交えず、冷徹に計算して、最も的確な判断をくだすだろう。
 だから、現代、AIで代替え可能な仕事についている人は、その人の人件費とAIの導入費ランニングコストを比べて、AIの方が安くつくと会社が判断すれば、その人は解雇ということになる。
 では、どうする。AIでは絶対にマネのできない仕事すればいい。さすれば、いくらAIが進歩しても取って替わられることはない。具体的にはどうする。クリエイティブである。クリエイティブな仕事はAIにはできない。クリエイティブという言葉は広告制作でよく使われる。コピーライターやデザイナーといった人たちの仕事をそういう。クリエイティブ。創造的な仕事ということ。これは別段広告制作だけの言葉ではない。どのような仕事にもいえることなのだ。経理、総務、営業といった普通の会社の普通の仕事にもあてはまるのだ。
 どのような仕事も、過去の前例、習慣、成り行き、伝統といったモノにとらわれず、まったく新しい仕事のやり方を考える。こういう仕事は、まさに他に替えの効かない人間となり、AIに負けない人間となる。だから、これから新社会人となる諸君、クリエイティブな会社員となろう。でないとキミはいつリストラされるか判らんぞ。 

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