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とつぜんコラム №184 トランプオヤジに近江商人の教えを

 まったく。困ったおっさんが、アメリカのトップになったもんだ。このたび、トランプを大統領に選んだということで、民主主義の限界を見たな。立候補して選挙に当選さえすれば、下品な不動産屋の暴言オヤジでも、お友だちいいなりのおばさんでも、公私混同のネズミ男でも、大統領や知事になれるわけだ。「3人寄れば文殊の知恵」というが、1000万人寄ればバカの知恵といってもいいかも知れない。
 東京の小池のおばさんは「都民ファースト」なんていってるが、アメリカのトランプオヤジは「アメリカファースト」なんだな。ま、正直っちゃ正直なわけだ。どこの国も、自分の国第一で、自国が第二第三でいいなんていう国はないんだからトランプは本音をいってるだけといえる。
もともとはアメリカは「世界の警察官」なんぞといって、余計なおせっかいをしたがる国であった。「アメリカファースト」他国のことは知らん、ということが本当ならば、これはこれでけっこうなことではないか。他国にちょかいをかかず、アメリカだけで自己完結してくれればいい。それでアメリカ国内がどうなろうと、私たち日本人にとっては知ったことではない。「アメリカファースト」が世界と日本に迷惑をかけなければだが。
ところが困ったことにアメリカは超大国なのだ。トランプは「アメリカを再び偉大な国に」なんぞといってるが、「偉」はどうか知らぬが「大」な国であることは確かなことだ。だから自己完結しても世界に影響をおよぼす。例えば地球温暖化の問題。おっさんは「地球温暖化はウソだ」などといってる。これからジャンジャンCO2をたれ流すつもりだろう。環境より経済。世界よりアメリカというわけだ。
さらには、もっと困ったことに、日本はアメリカがくっしゃみすれば風邪をひく、アメリカが風邪をひけば肺炎になるという国だ。なんでもかんでもアメリカにくっついて行って、ワンワンといいながらアメリカのいう通りしていけばOKという国だ。戦後70年。途中ちょっと野党だった時期もあるが、ほとんどのあいだこの国を支配してきた自民党の方針が日米同盟ということで、選挙でもって、その自民党に政権をゆだねてきた日本国民の意思ということだろう。
安倍さんはトランプとの首脳会談で日米同盟強化を確認するといっている。日米同盟の強化が地域の安定と世界にも良い影響を与えるといっている。これはようするに、「日本はアメリカとこれだけ仲がいいだぞ」と世界に叫んでいるわけだ。いじめられっ子がガキ大将と友だちになって、「ぼくジャイアンと友だちなんだぞ。ぼくに手を出せばジャイアンがだまってないぞ」ということだ。
トランプのオヤジは日本の製品がアメリカで売れて、アメリカの製品が日本で売れないのが、お気にめさない。特に自動車が目のカタキにされている。確かにアメリカ車は日本では売れない。では外車は日本で売れないのかというと、そうではない。ベンツ、フォルクスワーゲン、BMWといったドイツ車は良く売れているのだ。アメリカ車が日本でうれなくてもおっさんがブーというだけだが、日本車、というより日本製品がアメリカで売れなくなったら、日本の経済は大きな打撃を受ける。対中国への輸出がメインになってきてはいるが、決して良好とはいえぬ日中関係を考えると、対米輸出をおろそかにできない。
ある意味、トランプ大統領出現は、新たな日米関係を模索するのには好機といえるのではないのか。トランプオヤジは政治家ではなく商売人だ。商売は相手があって初めて成り立つ。いくらアメリカファーストのわがままオヤジのトランプでも、わが利益となれば話に乗ってくるだろう。日本としてはそいう話をもっていくように仕向けなくてはならない。近江商人の教えを参考にすればいい。
「売り手良し、買い手良し、世間良し」トランプはこのうちの「世間良し」がないのだ。おっさんにも教えてやろうじゃないか。近江商人の教えを。それでも聞かなければしかたがない。4年間じっとがまんして、4年後、おっさんが再立候補しないか、しても落選することを願おう。
 
コメント ( 5 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
屋根に上がって梯子を外されないように! (アブダビ)
2017-02-08 02:42:32
狂犬マチス国防長官が「尖閣も安保協定の範囲」という発言して、左翼メディアまで「ホッとした」感じ。
そんなに話はうまい事いくかぁ?
当然に北京政府は反論していて、「日本は外部(アメリカ)の守護の元に、領土問題を解決できると考えているようだが、そのような軽挙は長期的に観て日本の利益とならない」と反発してます。
狂犬の発言に安心した保守メディアは「中国の遠吠え」と 冷笑してます。
だが、保守で右翼の私は、長期的に観れば北京政府の発言は説得力があると思います。

米国が日本領土を「護る」発言は、別に「信義」の為だからではない!
日本は地政学的に、中国、ロシアが太平洋に進出するのを押さえる位置にあります。
更に…

管理人さんの「職場レポート記事」でも解る通りに、日本の中小企業の技術力は凄い!
アメリカが巨大な軍事力を発揮する為には、
日本という部品の精度の高さや、職人の意識の高さや、先端技術に応じる部品産業の精度と品質管理の高さがあるのです!
日本から精密部品を輸入しないとサムソンが破綻するような韓国には代替できない!
台湾もフィリピンその他も同じこと。
地政学的な地理要因たもけでなく、日本の技術や国民性にアメリカ軍事力はもたれ掛かってます!

だから尖閣には関りたくなくても、日本を手放せない!
狂犬の言うことには、別に「同盟国としての信義」ではなく、アメリカの国益に必要だから言っている事です!
つまり…状況がアメリカに不利になれば、「見捨てる」って事です!

よろしいでしょうか?
トランプの入国許否の大統領令をアメリカ司法は否定しました!
それは司法が政治に左右される日本や、国民情緒に左右される韓国や、一党独裁下の中国には、逆立ちしても出来ない事です。

その様な国が、尖閣諸島という岩しか無い無人島の為に、アメリカの兵士が血を流した時に、アメリカ国民が黙ってますか?

尖閣と沖縄、日本列島は「大陸に打ち込む楔」であり、アメリカの国家戦略には必要です。だから狂犬も断じている!

しかし…アメリカは議会民主主義の国です!
無人島の為に、アメリカ軍人の流血が起きた時に、反トランプ政権の「国民半数」が黙っていると思いますか?
ベトナムすら「勝てた戦争」なのに、反戦の国民の声に抗する事が出来ずに撤退してる。
イラクも同じ!

岩しか無い無人島を護る為に、米軍人の流血が購われた時に、反トランプの半数が黙っているでしょうか?
だって、そこには「イラク」以上に(アメリカ市民に)大義名分が無いもの!!
アメリカファーストを叫ぶ「トランプ支持者」が、そんな複雑な地政学的な戦略を理解するでしょうか?
あのトランプが、支持者の否定に抗してまで、
尖閣防衛に「流血」し続けるでしょか?
見捨てるに決まってる!
なんせ取引と人気保守だけの大統領だから!

ここでとしての政権の「甘言」に乗って、いい気になって中国に強硬に出ると、必ず無責任な不動産屋オヤジは、土壇場で梯子を外します。
彼には「取引」があるだけで、「信念」は有りませんから!!
その時に、日本の主権と領土を護るのはどうすれば良いのです?
狂犬マチスとトランプが甘言を囁いたからと言って、調子に乗ってはいけません!
これは保守とか左翼とかリベラルとかでなく、
日本国民として思います。
 
 
 
一言! (アブダビ)
2017-02-08 03:33:46
だからって石原慎太郎の様な「口先だけ反米」の口車に乗ってもいけません!
 
 
 
アブダビさん (雫石鉄也)
2017-02-08 10:33:34
中国のいってることは、ちょっと左でリベラルな私も、ある意味納得できます。
尖閣は岩だけの島ですね。尖閣にしても竹島にしても、領土問題は、ほとんどメンツの問題ですね。日本のメンツのためにアメリカが血を流すとは考えにくいですね。
 
 
 
Unknown (悠々遊)
2017-02-08 10:36:02
私はどちらかといえば左翼的思考の人間ですが、アブダビさんのコメントには同感です。

アメリカが日本を一方的に守っていて不公平だとトランプ氏は言っていますが、もともと日米安保条約の根底にあるのは、日本が同盟国だからでも、何でも尻尾を振って言う事を聞く可愛いポチだからでもありませんね。
冷戦下の極東でソ連や中国に睨みを利かせる前線基地としての価値があったからで、いまさらながら自国防衛のための防波堤と考えた「アメリカ・ファースト」が本音でしょう。

安倍氏はそこを何を勘違いしたのか、もっとアメリカにご奉仕したいと集団的自衛権だのを強引に進め、アメリカのために自国民を差し出す考えのよう。
本当に「日本第一」を思うなら「アメリカ様、ご無理ごもっとも」ではなく、どこの国とも是々非々の関係を保てるよう、もっと外交の技術を磨くべきかと思います。

かつて幕末から明治維新にかけて、日本の数倍に勝る軍事力を誇る欧米列強に対し独立を守り通せたのは、軍事力よりも、他国に付け入る口実を与えなかった外交力ではなかったかと思っています。
しかし、その後勘違いして富国強兵に舵を切り、外交力を疎かにしたのが第二次世界大戦に至る間違いのもと。
安倍政権がそんな間違いを再び犯そうとしているように思えてなりません。
安倍氏の言うところの「信頼できるトランプ大統領」に対し、「日本第一」を貫いて尚且つ信頼関係を構築できる外交力があるのか、注目しています。

 
 
 
悠々遊さん (雫石鉄也)
2017-02-08 11:04:54
そうですね。マチガイの源流を探れば、「富国強兵」がマチガイの元ですね。軍事強国への道が日本のためになる。このあたりは今の北朝鮮に似てます。
おっしゃる通り、「軍事」ではなく「外交力」で外国とわたりあうべきです。
これは日本の国民も責任の一端があります。外交は選挙の票になりません。外国と丁々発止とやりあう人よりも、ウラのドブ川に橋をかけてくれる人に投票するのですから。
 
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