いま、泣いてる人へ
中原中也の詩を贈ります
『諸君は僕を、「ほがらか」でないという。
しかし、そんな定規みたいな「ほがらか」なんぞはおやめなさい。
ほがらかとは、恐らくは、
悲しい時には悲しいだけ
悲しんでいられることでしょう?
されば今晩かなしげに、こうして沈んでいる僕が、
輝き出でる時もある。』
いま、泣いてる人へ
明日という日に、祈りをこめて
いま、泣いてる人へ
中原中也の詩を贈ります
『諸君は僕を、「ほがらか」でないという。
しかし、そんな定規みたいな「ほがらか」なんぞはおやめなさい。
ほがらかとは、恐らくは、
悲しい時には悲しいだけ
悲しんでいられることでしょう?
されば今晩かなしげに、こうして沈んでいる僕が、
輝き出でる時もある。』
いま、泣いてる人へ
明日という日に、祈りをこめて
水のなかには
水ばかりがあるのではない
空には
あの空ばかりがあるのではない
そして僕のなかには
僕ばかりがいるのではない
僕のなかにいる君よ
僕のなかで僕を揺さぶる君よ
水のように 空のように 僕の深いところを流れて
秘かな僕の夢と出会う人よ
君がそばにいても
僕は君が恋しい
リュ・シファ「君がそばにいても、僕は君が恋しい」
2003年・4月1日
彼は24階の、ホテルの窓から飛び降りた。
そのとき、
背中の羽は縮こまり、ひらかなかった。
なぜ?
わたしは、頬杖ついて考える。
『君が男でも女でも、僕は君を愛しているよ』
レスリー・チャン。
愛を語る顔をした人。
でも、世界はちょっと、窮屈かもね。
親愛なるで始まる手紙を書いてみたい。
親愛なるK、親愛なるY、親愛なるNちゃん、親愛なるおばさん、親愛なる猫のミー。
とにかく、そんな感じで始まる手紙。
手始めに、Kにでも書いてみようかな。
親愛なるK
お元気ですか?
相変わらず忙しくしていますか?
いつか、落ち込む暇もないほどやることがあると言っていたあなた。
もし落ち込んだら、あなたはきっと、ますます忙しい時間を過すんでしょうね。
なんだかちょっと心配です。
あなたのことを愛する人がいつも、あなたのそばにいますように。
仕事、がんばってね。
いつも暢気なわたしより
ばらの花をみつけた。
でもそのばらにはもう、恋人がいた。
こんな場合、星の王子さまならどうしたかなぁなんて考える。
星の王子さまなら、きっと鈴のように笑ってこう言うのかな。
『きみはそのばらと、会ったことがあるというだけで、満足しなくちゃいけないよ』
でも王子さま、わたしはこのばらが、世界で一番好きなんだ。
どんなに悲しんでも、悲しみきれないくらいにね。
「罪と罰」世界で一番、好きな名作。
ソーニャとラスコーリニコフ。このふたりの場面はほんとにいい。
お互いが、お互いの苦しみを理解し、受けとめる。
そんな愛、めったにあるもんじゃない。まあ、本のなかだけど。
でも、苦しみゆえに愛するなんて、けっこう衝撃受けてしまった。
苦しみという、何の役にも立たないものを愛する強さ。
役に立つものしか愛せない、そんな愛の、つまらなさ。
何度読んでも、いつも、そんなふうに感じでしまう。
『がむしゃらなぼく。今がもう明日であればと願ってる。
よく母が言っていた、天国の母が。
明日のことを思っちゃいけません。
先を欲張りすぎてはだめ。
でも、やはり、ぼくは明日を想う。
華やかな明日を。』
レイモンド・カーヴァー。優しい詩人。
淋しいのと孤独は違う。
淋しいのは耐えられないけど、
孤独なら、悲しいけれど耐えられる。
だけど、なんにだって条件がある。それが人間の、卑怯なところさ。
時々自分が、イヤになる。
『かつて、極めて孤独な時期が私にもあった。ある夜、暗い道を自分の淋しい下駄の音をききながら、歩いていると、いきなり暗がりに木犀の匂いが閃いた。私はなんということもなしに胸を温めた。雨あがりの道だった。』
織田作之助「秋の暈」より
『明日は明日の風が吹く』このセリフは、風とともに去りぬの有名なセリフ。だけど、新訳の字幕には、このセリフはなくなっていた。
それにしても、ビビアン・リーは本当に綺麗。
そして、赤が似合う。それも深紅。白じゃない。
だから、椿姫は似合わない。
よく、本当に愛しているなら、相手のことを一番に考えるって言うけれど、そんなの、ただの概念でしかない。
椿姫が、愛する人の幸せを願って身を引くのも、スカーレットが親友の夫に、自分の愛だけで向かっていくのも、どちらも自分だけの思い込みだし、そして、どちらも立派な愛だと思う。
人を愛するのってもしかして、孤独な作業なのかもね。
ジミーの絵本、『幸せの翼』
その絵本の、最後ののページに書いてある詩です。
いつまでも 消えない希望
あるがままを 受け入れる勇気
信じよう 奇蹟はきっとあるのだと
黄昏の空にも 美しい虹は浮かぶのだから
徐訂
わたしのスカート。
白地に、ピンクとグレイの水玉模様。
ピンクは暖色。グレイは暗色、そして曇り空。
だけどピンクは、晴れやかな日にこそ似合う色。
でもこの組み合わせ、すごくお似合い。
色の世界じゃ、あたりまえなのかもしれないけれど。
わたし、恋をするなら、意外な人としてみたい。
スカートの、水玉模様が重なるように、魂が、触れ合うような恋がしたい。
どんな想いも、いつか儚く、きえてしまうものならば。