いま、泣いてる人へ

2007年08月20日 | 文学

いま、泣いてる人へ

中原中也の詩を贈ります

『諸君は僕を、「ほがらか」でないという。

 しかし、そんな定規みたいな「ほがらか」なんぞはおやめなさい。

 ほがらかとは、恐らくは、

 悲しい時には悲しいだけ

 悲しんでいられることでしょう?

 されば今晩かなしげに、こうして沈んでいる僕が、

 輝き出でる時もある。』

いま、泣いてる人へ

明日という日に、祈りをこめて


パンドラの箱

2007年08月19日 | こころ

パンドラの箱には希望が残った。

希望の根、

解けない苦しみ。

 


奇蹟

2007年08月18日 | こころ

水のなかには

水ばかりがあるのではない

空には

あの空ばかりがあるのではない

そして僕のなかには

僕ばかりがいるのではない

僕のなかにいる君よ

僕のなかで僕を揺さぶる君よ

水のように 空のように 僕の深いところを流れて

秘かな僕の夢と出会う人よ

君がそばにいても

僕は君が恋しい

           リュ・シファ「君がそばにいても、僕は君が恋しい」


レスリー・チャン

2007年08月17日 | こころ

2003年・4月1日

彼は24階の、ホテルの窓から飛び降りた。

そのとき、

背中の羽は縮こまり、ひらかなかった。

なぜ?

わたしは、頬杖ついて考える。

『君が男でも女でも、僕は君を愛しているよ』

レスリー・チャン。

愛を語る顔をした人。

でも、世界はちょっと、窮屈かもね。


手紙

2007年08月16日 | 言葉

親愛なるで始まる手紙を書いてみたい。

親愛なるK、親愛なるY、親愛なるNちゃん、親愛なるおばさん、親愛なる猫のミー。

とにかく、そんな感じで始まる手紙。

手始めに、Kにでも書いてみようかな。

親愛なるK

お元気ですか?

相変わらず忙しくしていますか?

いつか、落ち込む暇もないほどやることがあると言っていたあなた。

もし落ち込んだら、あなたはきっと、ますます忙しい時間を過すんでしょうね。

なんだかちょっと心配です。

あなたのことを愛する人がいつも、あなたのそばにいますように。

仕事、がんばってね。

                        いつも暢気なわたしより                     


ばらの花

2007年08月15日 | こころ

ばらの花をみつけた。

でもそのばらにはもう、恋人がいた。

こんな場合、星の王子さまならどうしたかなぁなんて考える。

星の王子さまなら、きっと鈴のように笑ってこう言うのかな。

『きみはそのばらと、会ったことがあるというだけで、満足しなくちゃいけないよ』

でも王子さま、わたしはこのばらが、世界で一番好きなんだ。

どんなに悲しんでも、悲しみきれないくらいにね。 


ダンス

2007年08月14日 | 

夢のなかでいちどだけ、

好きな人とダンスを踊った。

その思い出だけで、

この恋を、あきらめようと思った。

だから最後にもう一度だけ、

わたしとダンスを踊ってください。


本のなか

2007年08月13日 | 文学

「罪と罰」世界で一番、好きな名作。

ソーニャとラスコーリニコフ。このふたりの場面はほんとにいい。

お互いが、お互いの苦しみを理解し、受けとめる。

そんな愛、めったにあるもんじゃない。まあ、本のなかだけど。

でも、苦しみゆえに愛するなんて、けっこう衝撃受けてしまった。

苦しみという、何の役にも立たないものを愛する強さ。

役に立つものしか愛せない、そんな愛の、つまらなさ。

何度読んでも、いつも、そんなふうに感じでしまう。


夢を見ていた

2007年08月12日 | 言葉

たしはいつも、夢を見ていた。

そして、恒に醒めていた。

なにひとつ、手に入りはしないけど、

でも、

幸せ。それはふいにやってくる。

わたしたちの思惑など、

はるかに超えて、迫ってくる。


もう二度と、会えないあなたへ

2007年08月12日 | こころ

『いつもの夜と同じなら、今に風はやみ、月が出るだろう。』

だけどわたしは、

心の行き場を、失くしてしまった。

永遠に。

             レイモンド・カーヴァー「ハーリーの白鳥」より


明日

2007年08月11日 | 言葉

『がむしゃらなぼく。今がもう明日であればと願ってる。

 よく母が言っていた、天国の母が。

 明日のことを思っちゃいけません。

 先を欲張りすぎてはだめ。

 でも、やはり、ぼくは明日を想う。

 華やかな明日を。』

レイモンド・カーヴァー。優しい詩人。


木犀の花

2007年08月10日 | 文学

淋しいのと孤独は違う。

淋しいのは耐えられないけど、

孤独なら、悲しいけれど耐えられる。

だけど、なんにだって条件がある。それが人間の、卑怯なところさ。

時々自分が、イヤになる。

『かつて、極めて孤独な時期が私にもあった。ある夜、暗い道を自分の淋しい下駄の音をききながら、歩いていると、いきなり暗がりに木犀の匂いが閃いた。私はなんということもなしに胸を温めた。雨あがりの道だった。』

                      織田作之助「秋の暈」より


スカーレット

2007年08月09日 | 映画

『明日は明日の風が吹く』このセリフは、風とともに去りぬの有名なセリフ。だけど、新訳の字幕には、このセリフはなくなっていた。

それにしても、ビビアン・リーは本当に綺麗。

そして、赤が似合う。それも深紅。白じゃない。

だから、椿姫は似合わない。

よく、本当に愛しているなら、相手のことを一番に考えるって言うけれど、そんなの、ただの概念でしかない。

椿姫が、愛する人の幸せを願って身を引くのも、スカーレットが親友の夫に、自分の愛だけで向かっていくのも、どちらも自分だけの思い込みだし、そして、どちらも立派な愛だと思う。

人を愛するのってもしかして、孤独な作業なのかもね。


幸せの翼

2007年08月08日 | 言葉

ジミーの絵本、『幸せの翼』

その絵本の、最後ののページに書いてある詩です。

 いつまでも 消えない希望

 あるがままを 受け入れる勇気

 信じよう 奇蹟はきっとあるのだと

 黄昏の空にも 美しい虹は浮かぶのだから

                   徐訂


ピンクとグレイ

2007年08月07日 | 

わたしのスカート。

白地に、ピンクとグレイの水玉模様。

ピンクは暖色。グレイは暗色、そして曇り空。

だけどピンクは、晴れやかな日にこそ似合う色。

でもこの組み合わせ、すごくお似合い。

色の世界じゃ、あたりまえなのかもしれないけれど。

わたし、恋をするなら、意外な人としてみたい。

スカートの、水玉模様が重なるように、魂が、触れ合うような恋がしたい。

どんな想いも、いつか儚く、きえてしまうものならば。