南部吟遊詩人の写真館

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キツネの関所(と近くの愛宕神社)

2011年07月27日 22時14分31秒 | 遠野小景
『遠野物語』にはキツネに化かされた話も多く存在する。
その題材を名所にした場所が今回紹介する「キツネの関所」だ。
↑かの名高き「カッパ淵」のある常堅寺へ行く途中の路にある。

すぐそばには西国巡礼や伊勢神宮の石碑がある。
柳田国男は『遠野物語』の中で「遠野には石碑が多い」という旨のことを言っているが、私個人の見立てではそんなこともないと思う。長野の安曇野やその他、地方の小都市でも石碑の多いところは多い。それとも、遠野は当時より石碑の数は少なくなったのだろうか。

さて、案内板にしたがって、階段を上ると「その場所」はすぐ目の前だ。

田園地帯を望む見晴らしの良いこの丘の上が「キツネの関所」とされている。

↓遠野の昔話案内板。遠野市は親切だ。こういう心配りがあると、観光者もぐっとくる。

そんで、その案内板の内容がこれ。

うん。なかなか民話らしくていいじゃない。でも文字数少ない中で、随分ぎゅうぎゅうに詰めたな~~…



さて、今回これだけじゃ面白くないから、もう一本。
「愛宕神社」のご紹介も。

遠野にはなぜか愛宕神社がとても多い。しかも大迫あたりからそうなのだが、山の斜面の裾野に鳥居があり、山の中を上って社殿が設けられている。これは遠野地域に特徴的なことだ。
柳田国男もその点には『遠野物語』で一切触れていない。
なぜ愛宕神社が多いのかはよく分からない。ちなみに愛宕神社は火の神様で、防火の霊験がある。
一人で考えてもよくわからない。
ということで、ググってみた。
→「不思議空間 遠野」のブログへ
↑この方の知識はすごい!!日本の神道に通じていないと解読不能だが、要は愛宕神社は
①修験道ともかかわりが深い。
②塞の神(道の守り神)としての性格もある。
昔から旅人の行き交う地でもあった遠野という地には、愛宕神社の性格はマッチしたのだろう。
まあ、どこでも火事は怖いし。

そんなわけで、この「キツネの関所」近くに怪しげな「境界」があるのを発見し、
時間があった私は侵入してみることにした。ワクワクである。


すぐに鳥居を発見した。「愛宕神社」と新しい石で彫られている。
隣の石碑は「古峰山」。これも栃木にある山だが、火防の神様である。これは『遠野物語』にもある。
また、手前には「山神」の石碑もあった。山神様出没ポイントであったらしい。

さあ、入るぞ!!と思って3分後、私は大変に後悔することになる…

とにかく、斜面が急で厳しいんだ!!これが……。背中は汗ダクダクである……

「ガサッ!!」大きな音がしたと思ったら、カモシカである。私はカモシカに遭いやすいらしい。

→カモシカに遭遇した時の記事①
→カモシカに遭遇した時の記事②

上ること15分くらいにして、下を見ると転げ落ちそうで怖い……

ようやく社殿…というか祠についた。体中から汗が噴き出す。


すぐそばには立派なご神木らしき古樹がある。


石像がある。「愛宕大神」と書いてあるところをみると、ご神体らしいが、なんで祠の外にあるのか不明…。

多分、祠の中に入らなかったためだろうが、この斜面をよく持ち上げてきたなあ…

↓祠の中。石碑を御神体としているらしい。祟りを恐れて手が震え、ウマく写せなんだ。


【撮影日】:2011/7/26

↓↓↓「キツネの関所」の場所はこちら!↓↓↓

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