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沖縄では、「ゆいレール」というモノレールが面白い。地上からかなり高いところを走っていて車窓からは下の街並みを見渡せる。まるで飛行の窓から下を見ているようだ。
このモノレールは、那覇空港から首里まで那覇市内を突き抜けるように走っていて、数百メートルごとに停留所があり、降りたり乗ったり手ごろな交通機関として利用できる。
乗るたびに切符を買うのが面倒くさいと思えば、700円で「一日乗車券」を買って利用するのがいい。
途中下車をしながら那覇の街歩きをするのは面白い。
もともとどこに行きたいという思いはなく、新しい土地をただ歩くのが好きだから、とりあえずどこかの駅で降りてその界隈を歩いてみる。
無目的に歩いていて、偶々入った店で何か珍しいもに出会えば買ってみたりもする。いかにもローカルな定食屋で食事をすることもある。ホテルのレストランでオリオンビールを飲みながらランチを楽しむなどもいい。沖縄のホテルは、朝食付きの場合が多いが、そうでなければ街に出て、朝のきれいな空気を吸い込みながら歩くというのはどうだろう。そして街角のコーヒーショップで窓越しに出勤する人たちの歩く姿を見ながらトーストとコーヒーというのもいい。
早朝ホテルを出て歩き始める。右を見たり左を見たりきょろきょろしながら歩くので、はたから見るといかにもどこからかやってきた観光客に見えるのはしょうがない。
疲れるとコーヒーショップに立ち寄り温かいコーヒーの香りを楽しむ。夕方ころになるともう足がカチカチで歩けないほどで、そこらのバス停のベンチで休んだりしている。
「おもろまち」は、新しく計画された街のようで、駅前から大きな道が伸びていて、遠くに巨大なアーチのようなものが見える。沿道に博物館、美術館もある。
那覇の街でも、ちょっと変わった目新しさを感じる街である。道を挟んで、大きなホテルなどが林立している。ファンシーなコーヒーショップもある。
地図にあったメキシコレストランを探して歩き回った。なかなか見つからなかったが、そんなことも楽しい。
駅前には、大きなデューティフリーショップがあって外国人の団体が押し寄せていた。グッチ、カルダン、ジバンシーなど世界の一流品は何でもある。館内には、高級なレストランもある。
歩いていて、庭にテラスがある楽しそうなレストランを見つけて入ってみた。ちょうどお昼時で、ランチの時間だった。
イタリアンレストランのようだったが、メニューの中に「イタリアンシェフが作った和食」というのがあった。焼き魚のプレートランチだったが、それでもイタリア風でおいしかった。サラダとスープバーがついていた。
店内は、いかにも雰囲気があって落ちつける感じだった。隣の席に三人の美女が食事をしながらおしゃべりを楽しんでいる風だった。それにしても美女ぞろいだったが、その中でも一人は、ハーフのようで、エキゾティックな女性に見えた。
話がこぼれてきて聞いていると、やはりその人は東京でモデルをしているとのことだった、。
「いつもは、会社専属カメラマンが撮ってくれるのだが、あの有名なカメラマンSさんの時は緊張しまくったわ!」とか言っていた。沖縄に里帰りして、久しぶりに旧友たちと食事を楽しんでいるのだろう。
このレストランが気に入って、沖縄滞在の最終日だった次の日にもまた行ってしまった。