敏翁のシルバー談義

敏翁の興味のスパンは広いのですが、最近は健康談義から大型TVを含むITと「カラオケ」「珈琲」にシフトしています。

基礎代謝量の推定と測定

2005-03-06 13:21:22 | 健康
 ダイエットの基本を考える時最も重要な量は基礎代謝(Basal metabolic rate)である。
 「第六次改定 日本人の栄養所要量-食事摂取基準-」*1 におけるエネルギー所要量の算定には「1日の基礎代謝量×生活活動強度」が用いられた。
 基礎代謝(単位時間当たりの基礎代謝量)とは「身体的,精神的に安静な状態で代謝される最小エネルギー代謝量であって,生きていくために必要な最小のエネルギー代謝量である」と定義している。
 我々シルバーエイジのぶらぶら族は、生活活動強度 = 1.3 として良いであろう。
 (運動を行えば、その分が追加される)
 個人の生活活動に適合した消費エネルギー量を算定する場合には,個々人の安静時エネルギー消費量を実測し,その結果に基づいて個人の基礎代謝量を算出しなければならな い。
 しかし、その量を正確に測定するのは簡単ではない。
 第六次改定には、年齢、性別、体重から基礎代謝量を推定する式が発表されている。
 それによると 基礎代謝量 Mb(kcal/day)は kb・W + k  で推定され、下表で与え られる。尚 W は体重(kg)である。

    年齢(歳)   男        女
    18~29  18.6W + 347   18.3W + 272
    30~49  17.3W + 336   16.8W + 363
    50~69  16.7W + 301   16.0W + 247
    70以上  16.3W + 268   16.1W + 224

下図にはこの60歳台(50-69)、70歳台(70以上)を各々黄色と赤色の線で図示してある。


又、より正確な基礎代謝を知りたいと言う欲求は強く、各社(タニタ、オムロン、ナシ ョナル、東芝など)から BI法(Bioelectrical impedance法)に基ずく測定器が発売されている。
 BI法とは人間の身体を構成する組織のうち、電気を通し易いのは水分の多い組織(筋肉、血管、骨など)で、脂肪は電気を殆ど通さない。これを応用して身体に微弱な電気を流してからだの電気抵抗を測定することで脂肪とそれ以外の組織との割合を推定 するものである。
 そして(1)上記電気抵抗測定値(2)身長(3)体重(4)年齢(5)性別の5項目などを使い、各社独自の計算式で「体脂肪率」や「基礎代謝量」などを推定している。
 それらの中では、両手、両足の4端子を用いるオムロン社のKarada Scan と呼ばれるものが良さそうなので、私はそれを使ってここ1年ばかり起床直後と、就寝直前測定を行っている。
 そのデータの昨年各月の月平均を主体とした値を黒四角点で、それらを通る回帰直線を黒線で示した。
 上記の推定式よりは高い値を得ているが、体重との関係では良く似た傾向を示している事がわかる。
 尚、Karada Scanでは、体年齢というものも示されるが、これは、オムロン独自の判定方式により、基礎代謝量が何歳に相当するかを算出したものだそうである。
 私の場合この値は、65~66歳を示す事が多い。(実際の年齢は、この2月末で75歳)
 
 本当の基礎代謝は、前に紹介したダグラスバッグ法などで測定しなくてはならない筈である。
 それで、私は測定システムを構築して、種々の測定を行い、その一部は既にこの場でも報告しているが、中期的には、Karada Scan法のような綺麗な体重依存性を見出す事は出来ていない。
 昨年12月から本年2月に掛けて起床直後にダグラスバッグ法で測定したデータを図に青△で示した。
 図からばらつきは極めて大きい事が分かる。
 栄養学の教科書*2によると、気温、体温、ホルモンなどが影響するとあるが、私のからだについて、統一的に説明できる段階にいたっていない。
 分かっている事は、数日間はほぼ近い値を示しているのであるが、理由は分からないが突然違うレベルに変わり、又その付近に数日留まっている事が多いと言う点くらいである。
 これも、今後検討すすべき項目の一つである。

 *1:同名の書籍として第一出版社から発行(平成11年9月初版)されている。
 *2:奥恒行 柴田克巳編「基礎栄養学」 南江堂 2004年5月発行