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福沢諭吉の「脱亜入欧」とは?

2018-02-14 11:24:33 | 日記
  福沢諭吉に関するTV番組を見た関係で、改めてその言葉を考えてみた。日本でもかなり誤解されているようだが。


  解説がその言葉には必要なようである。この亜=アジアとは封建社会、欧=ヨーロッパは民主社会の事を指しているから。彼の真意は「日本もアジアでずっと続いてきた封建社会から脱して、ヨーロッパやアメリカで新たに作られた民主社会に移行しようじゃないか」だったと解釈できる。無論、花見や正月行事など、東アジアで作られた伝統文化までは否定していないはずだ。又、その時代、東西文化比較などの学問は少なくとも、日本ではなかったわけでもある。


  福沢は下級武士として生まれ、子供の時からその差別待遇に疑問を感じてきた。そこにアメリカ視察もして、アメリカの「デモクラシー」に衝撃を受け、更に彼の知らないヨーロッパ諸国全部もアメリカみたいな国だと思い込んだようである。確かに、当時のイギリスやフランスでは、かなり民主化もされていたが、例えば、プロシア=ドイツとか、オーストリアなどは貴族が相変わらず実権を持つなど、封建的な社会であった。

  それから儒教への見方。日本も封建制度を長続きするために為政者が政治的に利用したに過ぎないわけだったが、福沢は封建思想を作ったと見て、否定もしている。でも、当時は封建社会を歴史的に見る事がまだできない時代だったので、儒教批判にもなったのだろう。仕方なかったと思う。

  また、これも仕方なかった事だが、民主社会を賛美する一方で、資本主義の矛盾とか、アメリカにおける黒人差別、原住民虐殺、ヨーロッパのユダヤ人差別の事は述べていないし、恐らくはアメリカに行っても、それらは見聞きできなかったのではないかと思われる。

  時代的な制約はありながらも、日本の封建社会を打破し、歴史を前進させた功労者には違いないから、尊敬に値する人物には違いない。ならば、尚更、時代状況に即して、福沢諭吉の考え方と行動を客観的に見て、そこから我々も学んでいくのが良いであろう。

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